聖書 — 口語訳 (1955)

詩篇 74

概要

詩篇74篇はアサフの歌で、嘆きの詩篇です。敵に荒らされ、焼かれた聖所を前に、詩人はなぜかと叫び、いつまでかと問います。神はご自分の群れを永遠に捨てられたのでしょうか。やがて詩人は過去に目を向け、神がなされたことを思い起こします。海を分け、怪獣を砕き、被造物を秩序づけられました。そして祈ります。契約を思い出してください、苦しむ者を恥のうちに帰らせないでください、立ち上がってご自分の訴えを弁護してください。

この章の5つの区分

  1. 1-3節なぜ永遠に捨てられるのですか。あなたの民を思い出してください
  2. 4-9節荒らされた聖所と神の沈黙
  3. 10-11節神よ、いつまでですか
  4. 12-17節神は昔からの王:創造と救い
  5. 18-23節思い出してください、立ち上がってください、神よ

1神よ、なぜ、われらをとこしえに捨てられるのですか。なぜ、あなたの牧の羊に怒りを燃やされるのですか。

2昔あなたが手に入れられたあなたの公会、すなわち、あなたの嗣業の部族となすために あがなわれたものを思い出してください。あなたが住まわれたシオンの山を 思い出してください。

3とこしえの滅びの跡に、あなたの足を向けてください。敵は聖所で、すべての物を破壊しました。

4あなたのあだは聖所の中でほえさけび、彼らのしるしを立てて、しるしとしました。

5彼らは上の入口では、おのをもって 木の格子垣を切り倒しました。

6また彼らは手おのと鎚とをもって 聖所の彫り物をことごとく打ち落しました。

7彼らはあなたの聖所に火をかけ、み名のすみかをけがして、地に倒しました。

8彼らは心のうちに言いました、「われらはことごとくこれを滅ぼそう」と。彼らは国のうちの神の会堂をことごとく焼きました。

9われらは自分たちのしるしを見ません。預言者も今はいません。そしていつまで続くのか、われらのうちには、知る者がありません。

10神よ、あだはいつまであざけるでしょうか。敵はとこしえにあなたの名をののしるでしょうか。

11なぜあなたは手を引かれるのですか。なぜあなたは右の手を ふところに入れておかれるのですか。

12神はいにしえからわたしの王であって、救を世の中に行われた。

13あなたはみ力をもって海をわかち、水の上の龍の頭を砕かれた。

14あなたはレビヤタンの頭をくだき、これを野の獣に与えてえじきとされた。

15あなたは泉と流れとを開き、絶えず流れるもろもろの川をからされた。

16昼はあなたのもの、夜もまたあなたのもの。あなたは光と太陽とを設けられた。

17あなたは地のもろもろの境を定め、夏と冬とを造られた。

18主よ、敵はあなたをあざけり、愚かな民はあなたのみ名をののしります。この事を思い出してください。

19どうかあなたのはとの魂を 野の獣にわたさないでください。貧しい者のいのちをとこしえに忘れないでください。

20あなたの契約をかえりみてください。地の暗い所は暴力のすまいで満ちています。

21しえたげられる者を恥じさせないでください。貧しい者と乏しい者とに み名をほめたたえさせてください。

22神よ、起きてあなたの訴えをあげつらい、愚かな者のひねもすあなたをあざけるのを みこころにとめてください。

23あなたのあだの叫びを忘れないでください。あなたの敵の絶えずあげる騒ぎを 忘れないでください。

鍵となる聖句

1節
神よ、なぜ、われらをとこしえに捨てられるのですか。なぜ、あなたの牧の羊に怒りを燃やされるのですか。

詩篇は、多くの人が口にできない問いから始まります。神の沈黙が理解できないと、神に申し上げることを、聖書は許しています。

10節
神よ、あだはいつまであざけるでしょうか。敵はとこしえにあなたの名をののしるでしょうか。

いつまでですか、という祈りは、多くの詩篇に見られます。それは気まぐれに答えてほしいというのではなく、神が行動してくださるよう求める祈りです。

12節
神はいにしえからわたしの王であって、救を世の中に行われた。

嘆きのただ中に、信仰の叫びがあります。神は昔からのわが王です。神の救いを思い起こすことが、望みを養います。

19-21節
どうかあなたのはとの魂を 野の獣にわたさないでください。貧しい者のいのちをとこしえに忘れないでください。 あなたの契約をかえりみてください。地の暗い所は暴力のすまいで満ちています。 しえたげられる者を恥じさせないでください。貧しい者と乏しい者とに み名をほめたたえさせてください。

詩人は、神がその山鳩を渡さないよう、契約を思い出すよう、苦しむ者を恥のうちに帰らせないよう求めます。この祈りは、神の約束に寄り頼んでいます。

22節
神よ、起きてあなたの訴えをあげつらい、愚かな者のひねもすあなたをあざけるのを みこころにとめてください。

詩篇は呼びかけで終わります。神よ、立ち上がって、ご自分の訴えを弁護してください。祈る者は、神と神の民の弁護を、神の手にゆだねます。

詩篇74篇についてよくある質問

詩篇74篇はどういう意味ですか

詩篇74篇は、神殿を破壊された民の嘆きです。神になぜかと問い、過去の神の力を思い起こし、契約を思い出して立ち上がってくださるよう祈ります。試練の中で神に叫びながらも、信仰を保つことができると教えています。

詩篇74篇はどんな出来事を描いていますか

詩篇は、敵による聖所の破壊を語っています。紀元前586年のバビロニア人によるエルサレム神殿の破壊と結びつけられることが多いですが、もっと古い出来事を考える読者もいます。本文は出来事を特定していません。

試練の中で、詩篇74篇をどう祈ればよいですか

1節と10節の言葉を用いて、隠さずに自分のなぜを神に申し上げましょう。次に、12節から17節の詩人のように、神が自分のためにしてくださったことを思い起こします。最後に22節で、状況を神の手にゆだねて結びましょう。

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