聖書 — 口語訳 (1955)
詩篇 142
概要
詩篇142篇は、表題によればダビデが追っ手から逃れて洞穴にいたときの祈りです。ひとりきりで打ちひしがれ、気にかけてくれる人もいない中で、ダビデは嘆きを胸にしまわず、神の前に注ぎ出します。そして、主がわが道を知っておられ、自分の避け所となってくださることを知ります。この詩篇は叫びから希望へと進み、ひとやから出されて、神のみ名に感謝するところへ向かいます。
この章の4つの区分
1わたしは声を出して主に呼ばわり、声を出して主に願い求めます。
2わたしはみ前にわが嘆きを注ぎ出し、み前にわが悩みをあらわします。
3わが霊のわがうちに消えうせようとする時も、あなたはわが道を知られます。彼らはわたしを捕えようと わたしの行く道にわなを隠しました。
4わたしは右の方に目を注いで見回したが、わたしに心をとめる者はひとりもありません。わたしには避け所がなく、わたしをかえりみる人はありません。
5主よ、わたしはあなたに呼ばわります。わたしは言います、「あなたはわが避け所、生ける者の地でわたしの受くべき分です。
6どうか、わが叫びにみこころをとめてください。わたしは、はなはだしく低くされています。わたしを責める者から助け出してください。彼らはわたしにまさって強いのです。
7わたしをひとやから出し、み名に感謝させてください。あなたが豊かにわたしをあしらわれるので、正しい人々はわたしのまわりに集まるでしょう」。
鍵となる聖句
わたしは右の方に目を注いで見回したが、わたしに心をとめる者はひとりもありません。わたしには避け所がなく、わたしをかえりみる人はありません。
ダビデは孤独の極みを描きます。だれも自分に気づかず、避け所も残っていません。この空白の中で、彼は神に向かいます。
主よ、わたしはあなたに呼ばわります。わたしは言います、「あなたはわが避け所、生ける者の地でわたしの受くべき分です。
詩篇の要となる箇所です。人の避け所がすべて消えたとき、ダビデは、主こそわが避け所、生ける者の地での受くべき分だと告白します。
わたしをひとやから出し、み名に感謝させてください。あなたが豊かにわたしをあしらわれるので、正しい人々はわたしのまわりに集まるでしょう」。
祈りは目的をもって結ばれます。解き放たれて神のみ名に感謝し、正しい人々との交わりを取り戻すことです。
詩篇142篇についてよくある質問
詩篇142篇はどんな意味ですか
追いつめられた人の祈りです。洞穴に身を隠したダビデは、孤独で出口のない思いの中、神に叫び、悩みを打ち明けることを選びます。この詩篇は、人の避け所がすべて消えても主が避け所であり続けること、そして正直な祈りが解放と賛美への扉を開くことを教えています。
詩篇142篇はだれが、どんな状況で書きましたか
表題はダビデの作とし、彼が洞穴にいたときのものだと記しています。伝統的には、サウルから逃れていた時期、特にサムエル記上に記されるアドラムのほら穴、またはエン・ゲディのほら穴と結びつけられます。本文はどちらかを明示しておらず、注解者の意見も分かれています。
ひとりのとき、落ち込んだときに、詩篇142篇をどう祈ればよいですか
声に出して読み、自分の祈りにしましょう。2節にならって、いま経験していることを飾らずに神に話します。5節を、自分の避け所にしているものの名前を挙げながらくり返し、7節のように、自分のひとやから導き出してくださいと願います。そして、あなたの状況を信仰の友にも話してみましょう。
詩篇 142を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。