聖書 — 口語訳 (1955)

詩篇 44

概要

詩篇44篇は、コラの子たちによる共同体の嘆きです。神が先祖たちのためになさったことの思い出から始まります。勝利は彼らの剣からではなく、神の御手から来ました。しかし調子は一転し、神が民を見捨てたかのように、民は敗れ、散らされ、あざけられます。民は、自分たちは神を忘れなかったと訴えます。そして、目をさましてください、起きてください、あなたの慈しみのゆえに私たちを救ってくださいという叫びで結ばれます。

この章の4つの区分

  1. 1-8節神が先祖のためになされたこと、そして私たちの信頼
  2. 9-16節それなのにあなたは私たちを退けられた:敗北と辱め
  3. 17-22節私たちはあなたを忘れなかった。それでも苦しんでいる
  4. 23-26節目をさまし、起きて、私たちを救ってください

1神よ、いにしえ、われらの先祖たちの日に、あなたがなされたみわざを 彼らがわれらに語ったのを耳で聞きました。

2すなわちあなたはみ手をもって、もろもろの国民を 追い払ってわれらの先祖たちを植え、またもろもろの民を悩まして、われらの先祖たちをふえ広がらせられました。

3彼らは自分のつるぎによって国を獲たのでなく、また自分の腕によって勝利を得たのでもありません。ただあなたの右の手、あなたの腕、あなたのみ顔の光によるのでした。あなたが彼らを恵まれたからです。

4あなたはわが王、わが神、ヤコブのために勝利を定められる方です。

5われらはあなたによって、あだを押し倒し、われらに立ちむかう者を、み名によって踏みにじるのです。

6わたしは自分の弓を頼まず、わたしのつるぎもまた、わたしを救うことができないからです。

7しかしあなたはわれらをあだから救い、われらを憎む者をはずかしめられました。

8われらは常に神によって誇り、とこしえにあなたのみ名に感謝するでしょう。

9ところがあなたはわれらを捨てて恥を負わせ、われらの軍勢と共に出て行かれませんでした。

10あなたがわれらをあだの前から退かせられたので、われらの敵は心のままにかすめ奪いました。

11あなたはわれらをほふられる羊のようにし、またもろもろの国民のなかに散らされました。

12あなたはわずかの金であなたの民を売り、彼らのために高い価を求められませんでした。

13あなたはわれらを隣り人にそしらせ、われらをめぐる者どもに侮らせ、あざけらせられました。

14またもろもろの国民のなかにわれらを笑い草とし、もろもろの民のなかに笑い者とされました。

15わがはずかしめはひねもすわたしの前にあり、恥はわたしの顔をおおいました。

16これはそしる者と、ののしる者の言葉により、敵と、恨みを報いる者のゆえによるのです。

17これらの事が皆われらに臨みましたが、われらはあなたを忘れず、あなたの契約にそむくことがありませんでした。

18われらの心はたじろがず、またわれらの歩みはあなたの道を離れませんでした。

19それでもあなたは山犬の住む所でわれらを砕き、暗やみをもってわれらをおおわれました。

20われらがもしわれらの神の名を忘れ、ほかの神に手を伸べたことがあったならば、

21神はこれを見あらわされないでしょうか。神は心の秘密をも知っておられるからです。

22ところがわれらはあなたのためにひねもす殺されて、ほふられる羊のようにみなされました。

23主よ、起きてください。なぜ眠っておられるのですか。目をさましてください。われらをとこしえに捨てないでください。

24なぜあなたはみ顔を隠されるのですか。なぜわれらの悩みと、しえたげを お忘れになるのですか。

25まことにわれらの魂はかがんで、ちりに伏し、われらのからだは土につきました。

26起きて、われらをお助けください。あなたのいつくしみのゆえに、われらをあがなってください。

鍵となる聖句

3節
彼らは自分のつるぎによって国を獲たのでなく、また自分の腕によって勝利を得たのでもありません。ただあなたの右の手、あなたの腕、あなたのみ顔の光によるのでした。あなたが彼らを恵まれたからです。

昔の人々の勝利は、彼らの力からではなく、神の右の手、神の腕、そして御顔の光から来ました。神が彼らを愛されたからです。

9節
ところがあなたはわれらを捨てて恥を負わせ、われらの軍勢と共に出て行かれませんでした。

しかし、という言葉が転換点です。過去の救いを思い起こした後、民は神の態度が変わったように見える現実を述べます。

22節
ところがわれらはあなたのためにひねもす殺されて、ほふられる羊のようにみなされました。

民が苦しむのは、罪のためではなく、神に忠実であるためです。使徒パウロは、信じる者たちの苦難を語るため、ローマ人への手紙8章でこの節を引いています。

23-24節
主よ、起きてください。なぜ眠っておられるのですか。目をさましてください。われらをとこしえに捨てないでください。 なぜあなたはみ顔を隠されるのですか。なぜわれらの悩みと、しえたげを お忘れになるのですか。

民は思いきって神に言います。目をさましてください、なぜ眠っておられるのですか。聖書は、神に向けられたこの率直な嘆きを受け入れています。

説教が語っていること

詩篇44篇についてよくある質問

詩篇44篇はどんな意味ですか

詩篇44篇は、忠実であるのに敗北を経験している民の戸惑いを表しています。まず神が与えてくださった勝利を思い起こし、次に現在の辱めを描き、民が神を離れていないと訴えます。神に起きてくださいと願って終わり、その理由は述べません。試練の中での正直さを示す詩篇です。

詩篇44篇はどう祈り、どう黙想すればよいですか

自分に起きていることが理解できないとき、この詩篇に頼ることができます。まず、神がこれまでしてくださったことを思い出します。次に、23節と24節のように、自分を戸惑わせていることを率直に神に伝えます。最後は26節で、自分の功績ではなく神の慈しみに寄りかかって結びます。

なぜパウロはローマ人への手紙8章で詩篇44篇を引いているのですか

ローマ人への手紙8章36節で、パウロは詩篇の22節を引いています。私たちは一日中死にさらされているという言葉で、信じる者の苦しみが見捨てられた印ではないことを示すためです。そして続けて、何ものもキリスト・イエスにある神の愛から私たちを引き離すことはできないと語ります。

コラの子たちとは誰ですか

コラの子たちは、聖所での歌と奉仕を担ったレビ人の家系です。42篇、44篇から49篇、84篇から88篇など、複数の詩篇に彼らの名が付されています。44篇の表題は彼らを作者として挙げていますが、本文がどの敗北を指しているのかは示されていません。

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