聖書 — 口語訳 (1955)
詩篇 54
概要
詩篇54篇はダビデの歌です。表題が背景を伝えています。ジフ人がサウルのもとへ行き、ダビデが自分たちのところに隠れていると告げ口したのです。逃げる身で裏切られたダビデは、救ってくださいと神に叫びます。わずか7節の中で、詩篇は助けを求める叫びから、神はわが助けぬしであり、わがいのちを守られるかたであるという確信へと進みます。そして、神があらゆる悩みから救ってくださるゆえに、心からの感謝をささげるという約束で結ばれます。裏切られたり、脅かされたりしたときに祈るのに役立つ短い詩篇です。
この章の3つの区分
1神よ、み名によってわたしを救い、み力によってわたしをさばいてください。
2神よ、わたしの祈をきき、わが口の言葉に耳を傾けてください。
3高ぶる者がわたしに逆らって起り、あらぶる者がわたしのいのちを求めています。彼らは神をおのが前に置くことをしません。
4見よ、神はわが助けぬし、主はわがいのちを守られるかたです。
5神はわたしのあだに災をもって報いられるでしょう。あなたのまことをもって彼らを滅ぼしてください。
6わたしは喜んであなたにいけにえをささげます。主よ、わたしはみ名に感謝します。これはよい事だからです。
7あなたはすべての悩みからわたしを救い、わたしの目に敵の敗北を見させられたからです。
鍵となる聖句
神よ、み名によってわたしを救い、み力によってわたしをさばいてください。
表題は、この詩篇をサウルから逃れるダビデの逃亡の中に位置づけています(サムエル記上23章と26章)。ダビデは神のみ名とみ力によって祈ります。ほかに頼れるものが何もないからです。
高ぶる者がわたしに逆らって起り、あらぶる者がわたしのいのちを求めています。彼らは神をおのが前に置くことをしません。
高ぶる者やあらぶる者が彼のいのちを求め、しかも彼らは神をおのが前に置くことをしません。危険は、神などいないかのように生きる人々から来ます。
見よ、神はわが助けぬし、主はわがいのちを守られるかたです。
詩篇の中心です。神はわが助けぬしであり、状況だけでなく、魂をも支えてくださいます。この節は、脅威の前でひとりだと感じている人にふさわしい言葉です。
わたしは喜んであなたにいけにえをささげます。主よ、わたしはみ名に感謝します。これはよい事だからです。 あなたはすべての悩みからわたしを救い、わたしの目に敵の敗北を見させられたからです。
ダビデは、主のみ名に感謝し、喜んでいけにえをささげると約束します。これはよい事だからです。賛美は、救いのあとだけでなく、すでに祈りの中で始まっています。
詩篇54篇についてよくある質問
詩篇54篇はどういう意味ですか
告げ口され、追われた人が、神に身をゆだねることを選ぶ祈りです。彼は正義を求め、神こそ自分の助けであると言い切り、神をほめたたえると約束します。この詩篇は、恐れと正義への願いを神にそのまま語ってよいこと、そして結果を神の手にゆだねてよいことを示しています。
ダビデはどのような状況で詩篇54篇を書いたのですか
表題がそれを明らかにしています。ジフの地方の住民であるジフ人が、サウルのところへ行き、ダビデが自分たちのところに隠れていると告げました。この出来事はサムエル記上23章19節と26章1節に記されています。王に追われるダビデは、自分の部族の人々に裏切られたのです。
裏切られたとき、詩篇54篇をどう祈ればよいですか
1節から始めて、裏切りと恐れを神に具体的に語ります。次に4節の「神はわが助けぬし」を、祈りが静まるまで読み返してください。復讐するのではなく、さばきを神にゆだねます。そして、6節と7節のダビデのように、神の恵みにあらかじめ感謝して閉じましょう。
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。