聖書 — 口語訳 (1955)
詩篇 80
概要
詩篇80篇は、試練の中にある民を立ち上がらせてほしいと、イスラエルの羊飼いに願うアサフの祈りです。御顔を照らしてください、そうすれば私たちは救われますという願いが、三度繰り返されます。詩人は、民が涙のパンを食べていると神に訴え、イスラエルの歴史をぶどうの木にたとえて語ります。エジプトから引き出され、そして荒らされたぶどうの木です。詩人は、神がそれを顧みて、生き返らせてくださるよう求めます。
この章の4つの区分
1イスラエルの牧者よ、羊の群れのようにヨセフを導かれる者よ、耳を傾けてください。ケルビムの上に座せられる者よ、光を放ってください。
2エフライム、ベニヤミン、マナセの前に あなたの力を振り起し、来て、われらをお救いください。
3神よ、われらをもとに返し、み顔の光を照してください。そうすればわれらは救をえるでしょう。
4万軍の神、主よ、いつまで、その民の祈にむかって お怒りになるのですか。
5あなたは涙のパンを彼らに食わせ、多くの涙を彼らに飲ませられました。
6あなたはわれらを隣り人のあざけりとし、われらの敵はたがいにあざわらいました。
7万軍の神よ、われらをもとに返し、われらの救われるため、み顔の光を照してください。
8あなたは、ぶどうの木をエジプトから携え出し、もろもろの国民を追い出して、これを植えられました。
9あなたはこれがために地を開かれたので、深く根ざして、国にはびこりました。
10山々はその影でおおわれ、神の香柏はその枝でおおわれました。
11これはその枝を海にまでのべ、その若枝を大川にまでのべました。
12あなたは何ゆえ、そのかきをくずして 道ゆくすべての人にその実を 摘み取らせられるのですか。
13林のいのししはこれを荒し、野のすべての獣はこれを食べます。
14万軍の神よ、再び天から見おろして、このぶどうの木をかえりみてください。
15あなたの右の手の植えられた幹と、みずからのために強くされた枝とを かえりみてください。
16彼らは火をもってこれを焼き、これを切り倒しました。彼らをみ顔のとがめによって滅ぼしてください。
17しかしあなたの手をその右の手の人の上におき、みずからのために強くされた人の子の上に おいてください。
18そうすれば、われらはあなたを 離れ退くことはありません。われらを生かしてください。われらはあなたのみ名を呼びます。
19万軍の神、主よ、われらをもとに返し、み顔の光を照してください。そうすればわれらは救をえるでしょう。
鍵となる聖句
イスラエルの牧者よ、羊の群れのようにヨセフを導かれる者よ、耳を傾けてください。ケルビムの上に座せられる者よ、光を放ってください。
詩人は神に、イスラエルの羊飼いというやさしい呼び名を用い、耳を傾けてほしいと願います。祈りは、民に必要なものを述べる前に、神がどのような方であるかを思い起こすことから始まります。
万軍の神、主よ、いつまで、その民の祈にむかって お怒りになるのですか。 あなたは涙のパンを彼らに食わせ、多くの涙を彼らに飲ませられました。
民は率直に問いかけます。いつまでですか。苦しみを隠さず、神の前で自分を取りつくろいません。この正直さは、聖書の祈りの一部です。
あなたは、ぶどうの木をエジプトから携え出し、もろもろの国民を追い出して、これを植えられました。 あなたはこれがために地を開かれたので、深く根ざして、国にはびこりました。
ぶどうの木のたとえは、民の歴史を思い起こさせます。神はそれをエジプトから引き出し、植え、育てられました。祈りは、神がすでにしてくださったことに根ざしています。
神よ、われらをもとに返し、み顔の光を照してください。そうすればわれらは救をえるでしょう。
繰り返される願い(7節と19節でも)は、神が御顔を照らしてくださることを求めています。よりよい状況ではなく、神の臨在こそが必要なのです。そして本文は、そこに救いの源を見ています。
そうすれば、われらはあなたを 離れ退くことはありません。われらを生かしてください。われらはあなたのみ名を呼びます。
民は、もう神から離れませんと約束し、生き返らせてほしいと願います。回復は神の賜物であり、御名を呼ぶことに先立つものとして見られています。
詩篇80篇についてよくある質問
詩篇80篇はどういう意味ですか
詩篇80篇は、試練の中にある民が、神に立ち上がらせてほしいと願う祈りです。神が植え、そして荒れるままにされたぶどうの木のたとえを用い、植えた方だけが回復させることができると語ります。繰り返される願い、御顔を照らしてください、そうすれば私たちは救われますは、本当に必要なものが神の臨在と恵みであることを表しています。
御顔を照らしてくださいとはどういう意味ですか
これは祭司の祝福から受け継がれた表現です。主がその御顔をあなたに照らしてくださるように(民数記6章25節)。神が好意をもって誰かに向き直り、恵みを与えてくださることを意味します。詩篇80篇では、民がこれを三度繰り返し、その切実さが増していきます。神、次に万軍の神、そして万軍の神、主と呼びかけます。
詩篇80篇はどのように祈ればよいですか
荒れ野のような時期や恥を感じる時期に、この繰り返しの願いを自分の祈りとして用いましょう。詩人のように、心に重くのしかかっていることを正直に神に申し上げ、そのあと、神があなたの人生ですでにしてくださったことを思い起こします。最後に、生き返らせてくださいと願い、その後に続くことを、自分の努力ではなく、神のみわざとして受け取りましょう。
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。