要約
タマルはダビデ王の娘で、アブシャロムの妹です。異母兄アムノンは、ずる賢い助言に従い、病気を口実に彼女を自分の家に呼び寄せ、懇願を聞かず暴力をふるったうえ、さげすんで追い出しました。タマルは打ちひしがれて、アブシャロムの家にとどまります。サムエル記第二13章はこの不正を隠さず、被害者の声を伝えており、彼女の尊厳が心に残ります。
ダビデの娘タマルという名前の意味
タマルという名は、ヘブル語で「なつめやし」を意味し、美しさや正しさと結びつけられる木です。聖書は、彼女についてこの名を説明していません。創世記38章のユダの嫁も同じ名で、のちにアブシャロムも自分の娘にこの名をつけます(サムエル記第二14章27節)。
ダビデの娘タマルの生涯
アムノンの欲望
サムエル記第二13章1-5節アブシャロムの妹タマルは美しい処女でした。異母兄アムノンは彼女に心を奪われ、病気になるほどです。友人ヨナダブはとても賢い人で、病気のふりをして、王からタマルを呼んで目の前で食事を作らせるよう頼むという策を勧めます。本文はそれを愛と呼びますが、その後は欲望だったことを示します。
父に遣わされて
サムエル記第二13章6-10節ダビデは疑うことなくタマルをアムノンのもとへ遣わします。彼女は生地をこね、彼の前で菓子を作りました。アムノンは食べるのを拒み、人々を外に出させ、料理を寝室に運ぶよう求めます。タマルは、病気の兄に仕えているつもりで、信頼してそれに従いました。
拒み、懇願する
サムエル記第二13章11-13節アムノンは彼女をつかみました。タマルははっきりと拒み、イスラエルではこのようなことはしない、この恥ずべきことをしないでと言います。自分の恥とアムノンの評判を思い、王に話してほしいとまで願いました。その言葉は、危険を前にした彼女の勇気と冷静さを示しています。
暴力と拒絶
サムエル記第二13章14-18節アムノンは耳を貸さず、彼女に暴力をふるいます。そのあとすぐに、彼女への愛よりも強い嫌悪を抱き、追い出そうとしました。タマルは、追い出すことは先の悪よりさらにひどいと訴えます。彼は召使いに彼女を外へ出させ、戸に錠をかけさせました。聖書は悪とその加害者をはっきり示しています。
タマルの嘆き
サムエル記第二13章19-20節タマルは頭に灰をかぶり、王の処女の娘たちが着る長そでの晴れ着を引き裂き、叫びながら歩きました。アブシャロムは黙っているように言います。本文は、タマルは打ちひしがれてアブシャロムの家に住んだと結びます。彼女の痛みは、軽く扱われることも、忘れ去られることもありません。
家族を引き裂く罪
サムエル記第二13章21-29節ダビデは激しく怒りますが、アムノンを罰しません。アブシャロムは心の中で憎しみを育て、二年後、羊の毛の刈り入れの祝宴でアムノンを殺させます。バテ・シェバとの罪のあとダビデの家に告げられた災いは続き、タマルが受けた不正は、暴力の長い連鎖の始まりとなります。
ダビデの娘タマルから学ぶこと
- 聖書は、神に選ばれた王の家で行われた虐待をも隠さず、加害者をはっきり名指ししています。
- 被害者に責任はありません。タマルははっきり拒み、懇願しました。
- ダビデのように不正を前にして沈黙すれば、傷は深まり、さらなる悲劇を招きます。
- 神は打ちひしがれた人の苦しみを見ておられ、教会は彼らの声を聞いて守るよう召されています。
鍵となる聖句
タマルははっきり拒み、そのような行いがイスラエルでは恥ずべきことだと告げます。聖書は彼女の言葉を保ち、被害者に声を与えています。
タマルはアブシャロムの家で打ちひしがれて過ごします。簡潔な言葉が傷の深さを物語り、被害者の苦しみを軽く見過ごさないよう促しています。
ダビデは激しく怒りますが、本文は何の処罰も記しません。王のこの沈黙は、その後の展開に重くのしかかっています。
よくある質問
ダビデの娘タマルとは誰ですか。
タマルはダビデ王の娘で、アブシャロムの妹です。美しい処女で、王の娘たちの長そでの晴れ着を着ていました。サムエル記第二13章に語られるとおり、異母兄アムノンの被害に遭いました。ユダの嫁タマルとは別人です。
タマルという名前にはどんな意味がありますか。
タマルはヘブル語で「なつめやし」を意味します。なつめやしは美しさ、高さ、正しさを思わせます。聖書はダビデの娘についてこの名を説明していませんが、旧約聖書の複数の女性がこの名を持っており、その中にはアブシャロムの娘もいます。
ダビデの娘タマルの物語は聖書のどこにありますか。
彼女の物語は、サムエル記第二13章1-22節にあり、アムノン殺害という結果は同じ章の後半に記されています。歴代誌第一3章9節のダビデの子どもたちの一覧にも、彼らの姉妹として名があります。