要約
エフタの娘は、ギルアデのさばき人エフタのひとり子です。アンモン人と戦う前に、父は誓いを立てました。帰ったとき家から出て来る者を主のものとし、全焼のいけにえとしてささげるというものです。勝利して帰った父を最初に迎えたのは、タンバリンと踊りで出て来た娘でした。彼女は誓いを受け入れ、二か月間処女であることを嘆き、父は誓いを果たしました。その成就の中身については、読者の間で意見が分かれています。
エフタの娘という名前の意味
聖書はエフタの娘の名を記さず、彼女を彼のひとり子としてだけ伝えています(士師記11章34節)。父エフタの名は、一般にヘブル語で開くという意味の動詞と結びつけられています。
エフタの娘の生涯
退けられた首領の娘
士師記11章1-11節父エフタはギルアデ人の勇士でしたが、遊女の子で、兄弟たちに追い出されました。アンモン人がイスラエルに戦いを挑むと、ギルアデの長老たちはトブの地にいる彼を迎えに行き、首領に立てます。エフタはミツパに家を持ち、そこにひとり娘がいました。
エフタの誓い
士師記11章29-31節主の霊がエフタの上に下り、彼はアンモン人に向かって進みました。そのとき彼は誓いを立てます。主がアンモン人を自分の手に渡してくださるなら、帰るとき家の戸口から迎えに出て来る者はだれでも主のものとし、全焼のいけにえとしてささげます。
父を迎えて踊る娘
士師記11章32-35節主はアンモン人をエフタの手に渡されました。ミツパの家に帰ると、ひとり子である娘がタンバリンを鳴らし、踊りながら迎えに出て来ました。それを見たエフタは衣を引き裂き、自分は主に誓いを立てたので取り消すことができないと叫びました。
従順に満ちた答え
士師記11章36-38節娘は父に、主がアンモン人への勝利を与えてくださったのだから、口から出たとおりに自分にしてくださいと言いました。ただ、二か月の猶予を願い、友だちと山々を歩いて、自分が処女であることを嘆かせてほしいと頼みました。
誓いの成就と記念
士師記11章39-40節二か月が終わると、娘は父のもとに戻り、エフタは誓ったとおりに彼女に対して行いました。彼女は男を知らなかったと記されています。それ以来、イスラエルの娘たちは毎年四日間、エフタの娘をたたえに出かけます。誓いがどのように果たされたかを、本文は描いていません。
エフタの娘から学ぶこと
- 神の前で立てる誓いは、口にする前によく考えるべきです。軽率な誓いは痛ましい結果を招くことがあります。
- 神は、取り引きしなくても御自分の民を助けてくださいます。エフタが誓う前から、主の霊はすでに彼の上に下っていました。
- エフタの娘は、主と父に対して深い従順と敬意を示しました。
- 毎年イスラエルで記念された彼女の思い出は、他人の決断の結果を負う人を神が見ておられることを思い起こさせます。
鍵となる聖句
よくある質問
エフタの娘はいけにえとしてささげられたのですか。
本文は、エフタが彼女に対して誓いを果たしたと述べるだけです(士師記11章39節)。多くの人は実際の全焼のいけにえと見ますが、律法はそれを禁じています(申命記12章31節)。一方、彼女が処女を嘆き、男を知らなかったと記されることから、結婚しない生涯を主にささげられたと考える人もいます。聖書ははっきりとは決めていません。
エフタの誓いはなぜ軽率だと言われるのですか。
エフタは、だれが出て来るかを知らないまま、迎えに出る者をささげると誓いました。しかし主の霊はすでに彼の上にあり(士師記11章29節)、神はこの約束がなくても勝利を与えられたはずです。箴言は、聖なる約束を軽く扱う者を戒めています(箴言20章25節)。
エフタの娘の物語は聖書のどこにありますか。
彼女の物語は士師記11章29-40節にあり、エフタの記事は10章6節に始まり12章7節で終わります。エフタはヘブル人への手紙11章32節で信仰の証人の一人にも挙げられています。彼女自身はほかの箇所には出てきません。