聖書 — 口語訳 (1955)

列王紀下 20

概要

列王紀下20章は、ユダの王ヒゼキヤの病を伝えています。預言者イザヤは、王が死ぬと告げます。王は顔を壁に向けて祈り、涙を流します。神はその祈りを聞き、いのちを十五年延ばし、エルサレムを守ると約束され、しるしによってみ言葉を確かなものとされます。しかし、章は安堵で終わりません。バビロンから使節が来ると、ヒゼキヤは自分の宝物をすべて見せてしまいます。イザヤは、いつかすべてがバビロンに運び去られる日が来ると告げます。

この章の6つの区分

  1. 1-3節死の宣告とヒゼキヤの祈り
  2. 4-7節神の答え:十五年が加えられ、エルサレムは守られる
  3. 8-11節求められたしるし:日時計の上を退く日影
  4. 12-15節バビロンの使節がすべての宝物を見る
  5. 16-19節イザヤが捕囚を告げ、ヒゼキヤは自分の平安だけを思う
  6. 20-21節ヒゼキヤの治世の終わり

1そのころ、ヒゼキヤは病気になって死にかかっていた。アモツの子預言者イザヤは彼のところにきて言った、「主はこう仰せられます、『家の人に遺言をなさい。あなたは死にます。生きながらえることはできません』」。

2そこでヒゼキヤは顔を壁に向けて主に祈って言った、

3「ああ主よ、わたしが真実と真心をもってあなたの前に歩み、あなたの目にかなうことをおこなったのをどうぞ思い起してください」。そしてヒゼキヤは激しく泣いた。

4イザヤがまだ中庭を出ないうちに主の言葉が彼に臨んだ、

5「引き返して、わたしの民の君ヒゼキヤに言いなさい、『あなたの父ダビデの神、主はこう仰せられる、わたしはあなたの祈を聞き、あなたの涙を見た。見よ、わたしはあなたをいやす。三日目にはあなたは主の宮に上るであろう。

6かつ、わたしはあなたのよわいを十五年増す。わたしはあなたと、この町とをアッスリヤの王の手から救い、わたしの名のため、またわたしのしもべダビデのためにこの町を守るであろう』」。

7そしてイザヤは言った、「干しいちじくのひとかたまりを持ってきて、それを腫物につけさせなさい。そうすれば直るでしょう」。

8ヒゼキヤはイザヤに言った、「主がわたしをいやされる事と、三日目にわたしが主の家に上ることについて、どんなしるしがありましょうか」。

9イザヤは言った、「主が約束されたことを行われることについては、主からこのしるしを得られるでしょう。すなわち日影が十度進むか、あるいは十度退くかです」。

10ヒゼキヤは答えた、「日影が十度進むことはたやすい事です。むしろ日影を十度退かせてください」。

11そこで預言者イザヤが主に呼ばわると、アハズの日時計の上に進んだ日影を、十度退かせられた。

12そのころ、バラダンの子であるバビロンの王メロダクバラダンは、手紙と贈り物を持たせて使節をヒゼキヤにつかわした。これはヒゼキヤが病んでいることを聞いたからである。

13ヒゼキヤは彼らを喜び迎えて、宝物の蔵、金銀、香料、貴重な油および武器倉、ならびにその倉庫にあるすべての物を彼らに見せた。家にある物も、国にある物も、ヒゼキヤが彼らに見せない物は一つもなかった。

14その時、預言者イザヤはヒゼキヤ王のもとにきて言った、「あの人々は何を言いましたか。どこからきたのですか」。ヒゼキヤは言った、「彼らは遠い国から、バビロンからきたのです」。

15イザヤは言った、「彼らはあなたの家で何を見ましたか」。ヒゼキヤは答えて言った、「わたしの家にある物を皆見ました。わたしの倉庫のうちには、わたしが彼らに見せない物は一つもありません」。

16そこでイザヤはヒゼキヤに言った、「主の言葉を聞きなさい、

17『主は言われる、見よ、すべてあなたの家にある物、および、あなたの先祖たちが今日までに積みたくわえた物の、バビロンに運び去られる日が来る。何も残るものはないであろう。

18また、あなたの身から出るあなたの子たちも連れ去られ、バビロンの王の宮殿で宦官となるであろう』」。

19ヒゼキヤはイザヤに言った、「あなたが言われた主の言葉は結構です」。彼は「せめて自分が世にあるあいだ、平和と安全があれば良いことではなかろうか」と思ったからである。

20ヒゼキヤのその他の事績とその武勇および、彼が貯水池と水道を作って、町に水を引いた事は、ユダの王の歴代志の書にしるされているではないか。

21ヒゼキヤはその先祖たちと共に眠って、その子マナセが代って王となった。

鍵となる聖句

1節
そのころ、ヒゼキヤは病気になって死にかかっていた。アモツの子預言者イザヤは彼のところにきて言った、「主はこう仰せられます、『家の人に遺言をなさい。あなたは死にます。生きながらえることはできません』」。

イザヤはヒゼキヤに、家の人に遺言をするようにと告げます。死が近いからです。この言葉は率直で、慰めの余地を残していません。

3節
「ああ主よ、わたしが真実と真心をもってあなたの前に歩み、あなたの目にかなうことをおこなったのをどうぞ思い起してください」。そしてヒゼキヤは激しく泣いた。

ヒゼキヤは神に自分の歩みを思い起こしてもらい、激しく泣きます。その祈りは偽りがなく、率直で、神が自分を覚えてくださるようにと願うものです。

5-6節
「引き返して、わたしの民の君ヒゼキヤに言いなさい、『あなたの父ダビデの神、主はこう仰せられる、わたしはあなたの祈を聞き、あなたの涙を見た。見よ、わたしはあなたをいやす。三日目にはあなたは主の宮に上るであろう。 かつ、わたしはあなたのよわいを十五年増す。わたしはあなたと、この町とをアッスリヤの王の手から救い、わたしの名のため、またわたしのしもべダビデのためにこの町を守るであろう』」。

神は、祈りを聞き、涙を見たと答えられます。王のよわいを十五年増し、王のため、またダビデのために町を守ると約束されます。応答の主導権は神にあります。

13節
ヒゼキヤは彼らを喜び迎えて、宝物の蔵、金銀、香料、貴重な油および武器倉、ならびにその倉庫にあるすべての物を彼らに見せた。家にある物も、国にある物も、ヒゼキヤが彼らに見せない物は一つもなかった。

ヒゼキヤはバビロンの使節に、持っている宝物をすべて隠さずに見せます。この行いは、自分の持ち物を誇る心を表しています。

19節
ヒゼキヤはイザヤに言った、「あなたが言われた主の言葉は結構です」。彼は「せめて自分が世にあるあいだ、平和と安全があれば良いことではなかろうか」と思ったからである。

ヒゼキヤは、自分の生きているあいだは平和と安全があるので、イザヤの言葉を結構だと言います。この反応には、自分の安楽を気にかける王の姿が表れています。

この章に登場する人物

このテーマで祈る

説教が語っていること

列王紀下20章についてよくある質問

なぜ神はヒゼキヤのいのちを十五年延ばされたのですか

ヒゼキヤは祈り、涙を流し、神に自分の歩みを思い起こしてくださるよう願いました。神は祈りを聞き涙を見たと答え、そのよわいを十五年増されました。この記事は、祈りが神の前で確かに意味を持つことを示しています。ただし、あらゆる病に当てはまる決まりと見るべきではありません。本文が語っているのは、ひとりの王に与えられた特定の答えです。

列王紀下20章で日影が退くとはどういう意味ですか

ヒゼキヤは、神が自分をいやしてくださることを知るためのしるしを求めました。神はアハズの日時計の上で日影を退かせられました。これは、預言の言葉が信頼できることを示す目に見えるしるしです。本文は科学的な説明をしておらず、神が王に与えたしるしとしてこの出来事を示しています。

ヒゼキヤのバビロンに対する過ちとは何ですか

いやされたあと、ヒゼキヤはバビロンの使節に自分の宝物をすべて見せました。イザヤは、いつかそのすべてがバビロンに運び去られ、子孫の一部も連れ去られると告げます。ヒゼキヤは、自分が生きているあいだの平和を喜ぶだけでした。本文からは、民の将来よりも目先の安楽を選ぶ高ぶりがうかがえます。

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