聖書 — 口語訳 (1955)
詩篇 88
概要
詩篇88篇は、エズラ人ヘマンによるコラの子たちの歌です。詩篇集のなかで最も暗く、賛美も約束もなく、闇のうちに終わります。それでもこれは祈りです。ヘマンは救いの神である主に昼も夜も叫び、死に近い苦しみ、孤独、神が退かれたかのような思いを語ります。信仰は細い糸のようですが、彼は呼び求め続け、朝にも祈ります。この詩篇は、答えのないまま長く苦しむ人に言葉を与えてくれます。
この章の4つの区分
1わが神、主よ、わたしは昼、助けを呼び求め、夜、み前に叫び求めます。
2わたしの祈をみ前にいたらせ、わたしの叫びに耳を傾けてください。
3わたしの魂は悩みに満ち、わたしのいのちは陰府に近づきます。
4わたしは穴に下る者のうちに数えられ、力のない人のようになりました。
5すなわち死人のうちに捨てられた者のように、墓に横たわる殺された者のように、あなたが再び心にとめられない者のように なりました。彼らはあなたのみ手から断ち滅ぼされた者です。
6あなたはわたしを深い穴、暗い所、深い淵に置かれました。
7あなたの怒りはわたしの上に重く、あなたはもろもろの波をもって わたしを苦しめられました。
8あなたはわが知り人をわたしから遠ざけ、わたしを彼らの忌みきらう者とされました。わたしは閉じこめられて、のがれることはできません。
9わたしの目は悲しみによって衰えました。主よ、わたしは日ごとにあなたを呼び、あなたにむかってわが両手を伸べました。
10あなたは死んだ者のために 奇跡を行われるでしょうか。なき人のたましいは起きあがって あなたをほめたたえるでしょうか。
11あなたのいつくしみは墓のなかに、あなたのまことは滅びのなかに、宣べ伝えられるでしょうか。
12あなたの奇跡は暗やみに、あなたの義は忘れの国に知られるでしょうか。
13しかし主よ、わたしはあなたに呼ばわります。あしたに、わが祈をあなたのみ前にささげます。
14主よ、なぜ、あなたはわたしを捨てられるのですか。なぜ、わたしにみ顔を隠されるのですか。
15わたしは若い時から苦しんで死ぬばかりです。あなたの脅かしにあって衰えはてました。
16あなたの激しい怒りがわたしを襲い、あなたの恐ろしい脅かしがわたしを滅ぼしました。
17これらの事がひねもす大水のようにわたしをめぐり、わたしを全く取り巻きました。
18あなたは愛する者と友とをわたしから遠ざけ、わたしの知り人を暗やみにおかれました。
鍵となる聖句
詩篇88篇についてよくある質問
詩篇88篇はどういう意味ですか
詩篇88篇は、答えのない苦しみに打ちのめされた人の祈りです。慰めのないまま終わるところが他に例のない点です。メッセージは、信仰は嘆きの中にも表せるということです。ヘマンは、神の臨在を感じられなくなっても、神を呼び求め続けます。
詩篇88篇はなぜ希望のないまま終わるのですか
注解者の間に、ひとつの説明はありません。聖書はあえてこの詩篇に出口を与えず、答えがなくても祈ることができると示している、と考える人もいます。また、ヘマンが最後まで神に語りかけていること自体がすでに信仰の行いだ、と見る人もいます。本文自体は結論を示していません。
詩篇88篇でどのように祈ればよいですか
自分の言葉が出てこないときに用いてください。前向きな結びを探さず、声に出して読みます。ヘマンのように、感じていることをそのまま神に伝えましょう。うつのような状態にあるなら、信頼できる人や専門家にも話してください。祈りは、人の助けを否定するものではないからです。
エズラ人ヘマンとは誰ですか
ヘマンはこの詩篇の表題に、コラの子たちとともに名が挙げられています。礼拝の音楽を担当したレビ人で、列王記上5章11節で知恵のある人として知られています。本文は、彼がどんな試練の中にあったのかを語らないため、多くの読者が自分の姿を重ねることができます。
詩篇 88を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。