要約
アヒトブの子アヒメレクは、ダビデがサウルから逃れていた時代に、祭司の町ノブで仕えた祭司です。ダビデが一人で飢えて来ると、供えのパンとゴリヤテの剣を渡し、ダビデのために主に伺いを立てました。エドム人ドエグに告げ口され、サウルの前でダビデの忠実さを弁護しますが、八十五人の祭司とともに殺されます。逃れたのは子アビヤタルだけです。ダビデへの親切と、その代価が心に残ります。
ノブの祭司アヒメレクという名前の意味
名前はふつう、私の兄弟は王であるという意味に理解されますが、聖書は説明していません。ダビデの仲間であったヘテ人アヒメレク(サムエル記第一26章6節)や、アビヤタルの子でダビデに仕えた祭司アヒメレク(サムエル記第二8章17節)と混同してはいけません。
ノブの祭司アヒメレクの生涯
ダビデが一人でノブへ
サムエル記第一21章1-3節サウルから逃れるダビデは、ノブの祭司アヒメレクのもとへ行きます。アヒメレクは震えながら迎えに出て、なぜ一人なのかと尋ねました。ダビデは王から秘密の用を命じられ、供の者とは場所を決めてあると答えます。そして五つのパン、またそこにあるものを求めました。
聖別されたパン
サムエル記第一21章4-7節アヒメレクには普通のパンがなく、聖別されたパンだけがありました。ダビデの供の者が女性を遠ざけているなら渡せると言い、ダビデは清いと保証します。祭司は、熱いパンに替えるため主の前から下げたばかりの供えのパンを渡しました。その日、サウルの牧者の頭エドム人ドエグがそこにいました。
ゴリヤテの剣
サムエル記第一21章8-10節ダビデはさらに槍か剣を求めます。武器を持たずに出たからです。アヒメレクにあるのは、ダビデがテレビンの谷で倒したペリシテ人ゴリヤテの剣だけでした。それは布に包まれ、エポデのうしろにありました。ダビデは、それに並ぶものはないので、それをくださいと言い、ガテの王アキシュのもとへ逃れます。
サウルの前で告げ口される
サムエル記第一22章9-15節サウルは家来たちが自分に謀反を企てていると責めます。ドエグは、アヒメレクがダビデのために主に伺いを立て、食糧とゴリヤテの剣を与えたと告げました。サウルはアヒメレクとその父の家全体を呼び出します。祭司はダビデが王の最も忠実な家来だと弁護し、この件について大小何も知らないと答えました。
ノブの虐殺
サムエル記第一22章16-19節サウルはアヒメレクとその父の家の者全員に死を宣告します。護衛兵たちは主の祭司たちに手を下すことを拒みました。しかしエドム人ドエグは従い、その日、亜麻布のエポデを着た者八十五人を殺します。サウルはさらに祭司の町ノブを、男も女も子どもも乳飲み子も家畜も打ち殺しました。
アビヤタルの逃亡
サムエル記第一22章20-23節アヒメレクの子の一人アビヤタルが逃れ、ダビデのもとへ走りました。ダビデは、あなたの父の家の人々すべての死の原因は私にあると認めます。アビヤタルを自分のそばに置き、守ることを約束しました。あなたの命を狙う者は私の命も狙うからです。
ノブの祭司アヒメレクから学ぶこと
- 困っている人に善を行うことは、危険を伴うときにも神をあがめることになります。
- アヒメレクは怒る王の前でダビデの忠実さを弁護しました。真実は代価を払ってでも語る価値があります。
- 偽りの言葉は他の人に悲劇をもたらすことがあります。ダビデはアビヤタルの前でそれを認めました。
- イエスはこの出来事を用いて、安息日は人のために設けられ、ご自身がその主であることを示されました。
鍵となる聖句
アヒメレクは、本来祭司のためのものである供えのパンをダビデに与えます。必要の中にある人へのこの行いは、のちにイエスがパリサイ人たちの前で引き合いに出されます。
サウルの前で、アヒメレクは王の婿として命令に忠実で、家で重んじられているダビデの忠実さを証ししました。彼は我が身を守ることを考えず、真実を語っています。
イエスは、ダビデが飢えて供えのパンを食べたことを思い起こされました。それを安息日についてパリサイ人に答える材料とし、人の子が安息日の主であると語られます。
ノブの祭司アヒメレクについての説教
よくある質問
アヒメレクはなぜダビデに聖別されたパンを与えたのですか。
本文は、手元に普通のパンがなく、主の前から下げた供えのパンしかなかったと記します(サムエル記第一21章4-6節)。ダビデと供の者は困っていました。アヒメレクは彼らが清いことを確かめて渡します。イエスはこの出来事を、安息日は人のために設けられたと示すために引用されました(マルコ2章25-27節)。
サウルはなぜアヒメレクを殺したのですか。
エドム人ドエグが、祭司がダビデのために主に伺いを立て、食糧とゴリヤテの剣を与えたと告げたからです。サウルはこれを謀反と見なしました。アヒメレクはダビデを弁護し何も知らないと答えましたが、サウルは彼と父の家全体に死を宣告します。ドエグはその日、八十五人の祭司を殺しました(サムエル記第一22章9-18節)。
アヒメレクの話は聖書のどこにありますか。
サムエル記第一21章1-9節にダビデのノブ訪問、22章9-23節に祭司たちの虐殺が記されています。詩篇52篇の表題もこの出来事に触れています。イエスは供えのパンを、マタイ12章3-4節とマルコ2章25-26節で語られました。