聖書の人物 マッティヤ

生涯、名前の意味、人生の教訓

要約

マッティヤは、イエスの昇天から数日後、十二使徒の中でユダの席を引き継いだ人です。エルサレムに集まった約百二十人の弟子たちは、ヨハネのバプテスマからイエスが上げられる日まで主とともにいた人を探しました。復活の証人となるためです。祈ったのちにくじを引くと、くじはマッティヤに当たり、彼は十一人の使徒たちとともに数えられました。

マッティヤという名前の意味

マッティヤは、一般にヘブル語のマッタテヤのギリシア語形と考えられており、主の賜物を連想させる名前です。聖書はこの名の意味を説明していません。新約聖書の中で、この記事以外に彼の名は出てきません。

マッティヤの時代背景

マッティヤが選ばれた出来事は、イエスの昇天から数日後、ペンテコステの前のエルサレムで起こりました。イエスは四十日にわたって弟子たちに生きた姿を現し、その後オリーブ山から彼らの見ている前で天に上げられました(使徒の働き1章3節、9節、12節)。使徒たちはエルサレムに戻り、いつも集まっていた屋上の間に入ります。このとき彼らは十一人でした。十二人のひとりだったユダが、イエスを裏切って務めを離れたからです。集まりには女たち、イエスの母マリア、イエスの兄弟たちも加わっていました。ペテロは、約百二十人の前で語ります。詩篇のことばを引いて、ユダに起こったことを説明し、今なすべきことを示しました。初代の弟子たちの前には宣教が待っていました。イエスは、聖霊が臨むときに彼らは力を受け、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、そして地の果てにまで、ご自分の証人となると告げておられたのです。ユダの補充は、聖霊が来られる前のこの期待の中に位置づけられます。マッティヤの名が出てくるのは、この箇所だけです。

マッティヤの生涯

  1. 四十日間と一つの約束

    使徒の働き1章3〜8節

    苦しみを受けたのち、イエスは四十日にわたって使徒たちに生きた姿を現し、神の国のことを語られました。そして、エルサレムを離れず、父が約束されたものを待つようにと命じ、数日のうちに彼らが聖霊のバプテスマを受けると告げられます。また、彼らは力を受け、エルサレムから地の果てまで、ご自分の証人となると言われました。

  2. 昇天とエルサレムへの帰還

    使徒の働き1章9〜14節

    使徒たちが見つめる中、イエスは上げられ、雲に包まれて見えなくなりました。白い衣を着た二人の人が、このイエスは同じ有様で再び来られると告げます。弟子たちはエルサレムに戻り、屋上の間に上がりました。ルカは十一人の名を挙げています。彼らはみな心を合わせて祈りに専念し、女たち、イエスの母マリア、イエスの兄弟たちも一緒でした。

  3. ペテロ、ユダのことで立ち上がる

    使徒の働き1章15〜20節

    そのころ、ペテロは約百二十人の兄弟たちの中に立ち上がりました。聖霊がダビデの口を通して、ユダについてあらかじめ語られたことが成就しなければならなかったと述べます。ユダは自分たちの仲間に数えられ、同じ務めにあずかっていました。ペテロはユダの最期と、エルサレムの住民のだれもが知る、血の地を意味するアケルダマと呼ばれる畑のことを思い起こします。そして聖書の、彼の職は他の人が取るようにとのことばを引用します。

  4. 証人となるための条件

    使徒の働き1章21〜22節

    ペテロは条件を明らかにします。主イエスが私たちとともに生活しておられた間、ヨハネのバプテスマから、イエスが私たちから上げられた日までずっと私たちと行動をともにした人の中から、だれか一人が、イエスの復活の証人として私たちに加わらなければならない、というのです。復活はこの務めの中心にあります。選ばれる人は、イエスに近く従ってきた者として、復活を証言できなければなりません。

  5. 二人の候補者と一つの祈り

    使徒の働き1章23〜25節

    会衆は二人を立てました。バルサバと呼ばれ、別名をユストというヨセフと、マッティヤです。そして弟子たちは、すべての人の心をご存じの主よ、この二人のうちどちらをお選びになったのかをお示しください、と祈りました。この務めと使徒の職にあずかるためです。彼らは外見による選択に走らず、一人ひとりの心を知っておられる方にゆだねました。この職はユダが捨てた務めであり使徒職であることも、祈りの中で明確にされています。

  6. くじはマッティヤに当たった

    使徒の働き1章26節

    彼らがくじを引くと、くじはマッティヤに当たり、彼は十一人の使徒の仲間に加えられました。ルカは、彼の家族や出身地、その後の働きについて、これ以上何も述べていません。本文は、彼が使徒たちに加わったことだけを記しています。次の章でペンテコステが訪れ、共同体全体に約束された力が与えられます。十二人の群れは、イエスが証人たちに託した使命を受けるため、再びそろったのです。

マッティヤから学ぶこと

  • 決める前に、弟子たちは祈り、人の心を知っておられる主に選びをゆだねました。
  • 復活の証人とは、イエスに近く従った人のことです。教会の証しは事実の上に立っています。
  • 神は、あまり知られていない人を召されることがあります。マッティヤはこの記事にしか出てきませんが、使徒たちに完全に加えられました。
  • ユダが空けた席は、あわてることなく、聖書に基づいて満たされました。
  • 弟子たちは、一致して祈りに励みながら、聖霊の約束を待ちました。

鍵となる聖句

使徒の働き1章8節

イエスは聖霊による力と、エルサレム、ユダヤ、サマリア、地の果てに至る証人としての使命を告げます。十二人のグループが立て直されるのは、この枠組みの中においてです。

使徒の働き1章21-22節

ペテロは十二番目の使徒の役割を定めます。ヨハネのバプテスマから主が上げられるまでイエスに従い、ほかの使徒とともに復活の証人に加えられる人です。この箇所は、この選びの理由を説明しています。

使徒の働き1章24-26節

教会は祈ってくじを引き、くじはマッティヤに当たって、彼は十一人の使徒とともに数えられました。この記事は、人の心を知っておられる主に頼る姿勢を強調しており、その出来事は聖霊が降る前のことでした。

よくある質問

聖書のマッティヤとは誰ですか?

マッティヤは、十二使徒の中でユダの後任となった人です。ヨハネのバプテスマから昇天まで、イエスとともにいました。弟子たちは祈ってくじを引き、くじが彼に当たって、復活の証人として十一人の使徒に加えられました。

マッティヤという名前にはどんな意味がありますか?

マッティヤは一般に、主の賜物を連想させるヘブル語のマッタテヤに結びつけられます。よくある結びつけですが、聖書はこの名の意味を説明していません。また、彼の家族や出身地についても、情報を記していません。

マッティヤの話は聖書のどこにありますか?

使徒の働き1章15-26節にあります。21-23節に選びの条件が、24-26節に祈りとくじ引きが記されています。マッティヤの名前は、聖書のほかの箇所には出てきません。

なぜユダの後任が必要だったのですか。

ペテロは聖書に基づいて語っています。詩篇のことば、彼の職は他の人が取るように、を引用しました(使徒の働き1章20節)。ユダは他の使徒たちと同じ務めにあずかっていましたが、その使徒職を捨てて自分の行くべき所へ去りました(使徒の働き1章17節、25節)。ですから、空いた席は、補うべき務めと理解されています。本文はこれ以上論理を展開しません。弟子たちが決定を急がず、神のみことばに照らして行動したことが示されています。

弟子たちはなぜくじを引いたのですか。

本文が述べているのは、祈った後でくじを引き、くじがマッティヤに当たったということだけです(使徒の働き1章26節)。この方法が用いられたのは、選択を主にゆだねる祈りの後でした。この二人のうちどちらをお選びになったのかをお示しください、という祈りです。使徒の働きの中で、その後、指導者を選ぶのにこの手法が使われる場面はありません。ですから、これを根拠のない規則にしてはなりません。むしろ、祈って主に頼るという姿勢を覚えるべきです。

もう一人の候補者、バルサバと呼ばれるヨセフとはだれですか。

使徒の働き1章23節は、彼をバルサバと呼ばれ、別名ユストというヨセフと紹介しています。この名前で登場するのは、ここだけです。本文は、彼についてほかに何も述べていません。ペテロが示した条件を、マッティヤとともに満たしていたことが分かるだけです。他の特徴を彼に付け加えるべきではありません。聖書が私たちに与えているのは三つの名前だけで、二人の人がヨハネのバプテスマからイエスが上げられるまで行動をともにしており、最後の選択は主にゆだねられたことを示しています。

使徒の働き1章以降、マッティヤについて何が分かりますか。

聖書は、その後彼の名を挙げていません。ただ、使徒の働きはその後、十二人について語っています。たとえば6章2節では、十二人が弟子たちの群れを呼び集めています。彼の働きの場所や死に方など、本文を超える事柄は、聖書が裏づけていない後世の伝承に属します。大切なのは、彼が復活の証人として使徒たちに加えられたということで、これは聖書が明確に述べていることです。それ以上の細部については、聖書が沈黙している以上、私たちも控えめにしておくのが賢明でしょう。

復活の証人であるとは、どういう意味ですか。

ペテロの話の中で証人とは、主イエスが使徒たちとともに生活しておられた間、ヨハネのバプテスマから主が上げられた日まで、使徒たちと行動をともにした人のことです(使徒の働き1章21〜22節)。ですから、苦しみの後に生きておられるイエスを含めて、自分が見聞きしたことを証言できます。この務めは、使徒の働き1章8節にあるイエスの約束、あなたがたは私の証人となる、と重なります。この役割は、単なる考えではなく、実際に体験した事実に基づいています。だからペテロは、イエスのそばに継続していたことを強調するのです。

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