聖書 — 口語訳 (1955)
民数記 27
概要
民数記27章には三つの場面があります。息子のないまま父を亡くしたツェロフハデの五人の娘が、一族の中での相続地を願い出ると、神は彼女たちの訴えを認め、相続の律法を定められます。次に神は、モーセがアバリムの山から約束の地を望み見るが、そこには入れないと告げられます。そこでモーセは民のために羊飼いを求め、神はヨシュアを選び、エレアザルと全会衆の前で按手によって立てられます。
この章の3つの区分
1さて、ヨセフの子マナセの氏族のうちのヘペルの子、ゼロペハデの娘たちが訴えてきた。ヘペルはギレアデの子、ギレアデはマキルの子、マキルはマナセの子である。その娘たちは名をマアラ、ノア、ホグラ、ミルカ、テルザといったが、
2彼らは会見の幕屋の入口でモーセと、祭司エレアザルと、つかさたちと全会衆との前に立って言った、
3「わたしたちの父は荒野で死にました。彼は、コラの仲間となって主に逆らった者どもの仲間のうちには加わりませんでした。彼は自分の罪によって死んだのですが、男の子がありませんでした。
4男の子がないからといって、どうしてわたしたちの父の名がその氏族のうちから削られなければならないのでしょうか。わたしたちの父の兄弟と同じように、わたしたちにも所有地を与えてください」。
5モーセがその事を主の前に述べると、
6主はモーセに言われた、
7「ゼロペハデの娘たちの言うことは正しい。あなたは必ず彼らの父の兄弟たちと同じように、彼らにも嗣業の所有地を与えなければならない。すなわち、その父の嗣業を彼らに渡さなければならない。
8あなたはイスラエルの人々に言いなさい、『もし人が死んで、男の子がない時は、その嗣業を娘に渡さなければならない。
9もしまた娘もない時は、その嗣業を兄弟に与えなければならない。
10もし兄弟もない時は、その嗣業を父の兄弟に与えなければならない。
11もしまた父に兄弟がない時は、その氏族のうちで彼に最も近い親族にその嗣業を与えて所有させなければならない』。主がモーセに命じられたようにイスラエルの人々は、これをおきての定めとしなければならない」。
12主はモーセに言われた、「このアバリムの山に登って、わたしがイスラエルの人々に与える地を見なさい。
13あなたはそれを見てから、兄弟アロンのようにその民に加えられるであろう。
14これは会衆がチンの荒野で逆らい争った時、あなたがたはわたしの命にそむき、あの水のかたわらで彼らの目の前にわたしの聖なることを現さなかったからである」。これはチンの荒野にあるカデシのメリバの水である。
15モーセは主に言った、
16「すべての肉なるものの命の神、主よ、どうぞ、この会衆の上にひとりの人を立て、
17彼らの前に出入りし、彼らを導き出し、彼らを導き入れる者とし、主の会衆を牧者のない羊のようにしないでください」。
18主はモーセに言われた、「神の霊のやどっているヌンの子ヨシュアを選び、あなたの手をその上におき、
19彼を祭司エレアザルと全会衆の前に立たせて、彼らの前で職に任じなさい。
20そして彼にあなたの権威を分け与え、イスラエルの人々の全会衆を彼に従わせなさい。
21彼は祭司エレアザルの前に立ち、エレアザルは彼のためにウリムをもって、主の前に判断を求めなければならない。ヨシュアとイスラエルの人々の全会衆とはエレアザルの言葉に従っていで、エレアザルの言葉に従ってはいらなければならない」。
22そこでモーセは主が命じられたようにし、ヨシュアを選んで、祭司エレアザルと全会衆の前に立たせ、
23彼の上に手をおき、主がモーセによって語られたとおりに彼を任命した。
鍵となる聖句
男の子がないからといって、どうしてわたしたちの父の名がその氏族のうちから削られなければならないのでしょうか。わたしたちの父の兄弟と同じように、わたしたちにも所有地を与えてください」。
娘たちは、父に息子がいなかったからといって、父の名が消えることを受け入れません。彼女たちは反抗するのではなく、指導者たちに訴え、約束の地の自分たちの分を求めます。
モーセがその事を主の前に述べると、
モーセは一人で決めず、この訴えを主の前に持っていきます。自分の手に余る事柄は、その場しのぎの解決策を作るのではなく、神に差し出すという向き合い方がここに表れています。
「ゼロペハデの娘たちの言うことは正しい。あなたは必ず彼らの父の兄弟たちと同じように、彼らにも嗣業の所有地を与えなければならない。すなわち、その父の嗣業を彼らに渡さなければならない。
神はツェロフハデの娘たちの言うことは正しいと語り、所有地を与えられます。当時、それが当たり前ではなかった社会の中で、神は女性にも相続の権利を開かれました。
「すべての肉なるものの命の神、主よ、どうぞ、この会衆の上にひとりの人を立て、 彼らの前に出入りし、彼らを導き出し、彼らを導き入れる者とし、主の会衆を牧者のない羊のようにしないでください」。
モーセは、会衆が飼う者のない羊のようにならないよう、彼らを導く人を神に求めます。この羊飼いのイメージは、イエスについて語られるマルコの福音書で再び取り上げられます。
主はモーセに言われた、「神の霊のやどっているヌンの子ヨシュアを選び、あなたの手をその上におき、
神は、霊の宿る人、ヌンの子ヨシュアを選ばれます。後継は家系による相続ではなく、按手という公の行為によって行われます。
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この章に登場する人物
説教が語っていること
民数記27章についてよくある質問
民数記27章のツェロフハデの娘たちとは誰ですか
マナセ部族の五人姉妹、マフラ、ノア、ホグラ、ミルカ、ティルツァです。父は荒野で、息子を残さずに亡くなりました。彼女たちはモーセに、父の兄弟たちの間で所有地を与えてほしいと願い出ます。神は彼女たちの訴えを認め、イスラエル全体のための相続の規定を定められました。
民数記27章の中心的なメッセージは何ですか
この章は、もっとも弱い立場の人々への正義に心を留め、ツェロフハデの娘たちの願いに耳を傾けられる神を示しています。また、指導の引き継ぎも描かれます。モーセは自分の座にしがみつかず、民のために羊飼いを求め、神はヨシュアを選ばれます。
民数記27章17節の、羊飼いのいない羊のたとえはどういう意味ですか
モーセは、会衆が飼う者のない羊のように、自分たちだけに放り出されることがないよう、導く人を神に求めます。この表現はマルコの福音書でも、イエスに従う群衆について用いられており、イエスこそ真の羊飼いであると見る手がかりとなっています。
民数記 27を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。