聖書 — 口語訳 (1955)
ホセア書 2
概要
ホセア書2章は、神を、妻イスラエルに裏切られた夫にたとえます。イスラエルはパンと羊の毛と油を求めて、バアルたちを追いかけました。この章は、その不誠実の重さと結果をはっきりと語ります。しかし14節で流れが変わります。神は民を荒野に導いて心に語りかけ、永遠のちぎりを約束してくださいます。子どもたちの名、ロ・アンミとロ・ルハマも、最後には「あなたはわたしの民である」という言葉に変えられます。
この章の5つの区分
1あなたがたの兄弟に向かっては「アンミ(わが民)」と言い、あなたがたの姉妹に向かっては「ルハマ(あわれまれる者)」と言え。
2「あなたがたの母とあげつらえ、あげつらえ―― 彼女はわたしの妻ではない、わたしは彼女の夫ではない―― そして彼女にその顔から淫行を除かせ、その乳ぶさの間から姦淫を除かせよ。
3そうでなければ、わたしは彼女の着物をはいで裸にし、その生れ出た日のようにし、また荒野のようにし、かわききった地のようにし、かわきによって彼女を殺す。
4わたしはその子らをあわれまない、彼らは淫行の子らだからである。
5彼らの母は淫行をなし、彼らをはらんだ彼女は恥ずべきことを行った。彼女は言った、『わたしはわが恋人たちについて行こう。彼らはパンと水と羊の毛と麻と油と飲み物とを、わたしに与える者である』と。
6それゆえ、わたしはいばらで彼女の道をふさぎ、かきをたてて、彼女には その道がわからないようにする。
7彼女はその恋人たちのあとを慕って行く、しかし彼らに追いつくことはない。彼らを尋ねる、しかし見いだすことはない。そこで彼女は言う、『わたしは行って、さきの夫に帰ろう。あの時は今よりもわたしによかったから』と。
8彼女に穀物と酒と油とを与えた者、またバアルのために用いた銀と金とを 多く彼女に与えた者は、わたしであったことを彼女は知らなかった。
9それゆえ、わたしは穀物をその時になって奪い、ぶどう酒をその季節になって奪い、また彼女の裸をおおうために用いる 羊の毛と麻とを奪い取る。
10わたしは今、彼女のみだらなことを その恋人たちの目の前にあらわす。だれも彼女をわたしの手から救う者はない。
11わたしは彼女のすべての楽しみ、すなわち祝、新月、安息日、すべての祭をやめさせる。
12わたしはまた彼女が先に『これはわたしの恋人らが、わたしに与えた報酬だ』と言った彼女の ぶどうの木と、いちじくの木とを荒し、これを林とし、野の獣にこれを食わせる。
13また彼女が耳輪と宝石で身を飾り、その恋人たちを慕って行って、わたしを忘れ、香をたいて仕えたバアルの祭の日のために、わたしは彼女を罰すると主は言われる。
14それゆえ、見よ、わたしは彼女をいざなって、荒野に導いて行き、ねんごろに彼女に語ろう。
15その所でわたしは彼女にそのぶどう畑を与え、アコルの谷を望みの門として与える。その所で彼女は若かった日のように、エジプトの国からのぼって来た時のように、答えるであろう。
16主は言われる、その日には、あなたはわたしを『わが夫』と呼び、もはや『わがバアル』とは呼ばない。
17わたしはもろもろのバアルの名を彼女の口から取り除き、重ねてその名をとなえることのないようにする。
18その日には、わたしはまたあなたのために野の獣、空の鳥および地の這うものと契約を結び、また弓と、つるぎと、戦争とを地から断って、あなたを安らかに伏させる。
19またわたしは永遠にあなたとちぎりを結ぶ。すなわち正義と、公平と、いつくしみと、あわれみとをもってちぎりを結ぶ。
20わたしは真実をもって、あなたとちぎりを結ぶ。そしてあなたは主を知るであろう。
21主は言われる、その日わたしは天に答え、天は地に答える。
22地は穀物と酒と油とに答え、またこれらのものはエズレルに答える。
23わたしはわたしのために彼を地にまき、あわれまれぬ者をあわれみ、わたしの民でない者に向かって、『あなたはわたしの民である』と言い、彼は『あなたはわたしの神である』と言う」。
鍵となる聖句
彼女はその恋人たちのあとを慕って行く、しかし彼らに追いつくことはない。彼らを尋ねる、しかし見いだすことはない。そこで彼女は言う、『わたしは行って、さきの夫に帰ろう。あの時は今よりもわたしによかったから』と。
妻は、パンも水も油も恋人たちから来ると思い込んで、彼らを追いかけます。神だけが与えられるものを偶像に期待してしまう心の姿です。
それゆえ、見よ、わたしは彼女をいざなって、荒野に導いて行き、ねんごろに彼女に語ろう。
神は罰するだけで終わらず、民を荒野に導いて心に語りかけます。荒野は試練の場であるだけでなく、神が民の心を取り戻される場所になります。
主は言われる、その日には、あなたはわたしを『わが夫』と呼び、もはや『わがバアル』とは呼ばない。
民はもう神を「わがバアル」とは呼ばず、「わが夫」と呼ぶようになります。主従の関係から、親しい交わりの関係へと移ります。
またわたしは永遠にあなたとちぎりを結ぶ。すなわち正義と、公平と、いつくしみと、あわれみとをもってちぎりを結ぶ。 わたしは真実をもって、あなたとちぎりを結ぶ。そしてあなたは主を知るであろう。
神は花婿として、永遠に民と結ばれると約束されます。正義、公平、いつくしみ、あわれみ、真実をもってです。ちぎりを始めるのは神ご自身です。
わたしはわたしのために彼を地にまき、あわれまれぬ者をあわれみ、わたしの民でない者に向かって、『あなたはわたしの民である』と言い、彼は『あなたはわたしの神である』と言う」。
あわれまれなかった者はあわれまれ、わたしの民でない者は「わたしの民」と呼ばれます。章は、すべてが逆転する言葉で閉じられます。
聖書クイズに挑戦
この章に登場する人物
このテーマで祈る
説教が語っていること
ホセア書2章についてよくある質問
ホセア書2章は何を意味していますか
ホセア書2章は、イスラエルを、他の恋人であるバアルたちを追いかける不誠実な妻にたとえ、神を、それでも妻を見捨てない夫にたとえています。さばきのあと、神は民を荒野に導いて心に語りかけ、永遠のちぎりを約束されます。この章は、不誠実の重さと神の真実の両方を示しています。
ホセア書2章14節の「ねんごろに語る」とはどういう意味ですか
神は民を、心を奪っているものから引き離して荒野に導き、やさしく語りかけます。この表現は、愛する人を取り戻そうとする人の愛のことばを思わせます。荒野は出会いの場となり、続く節で語られる帰還と回復への備えとなります。
ロ・アンミとロ・ルハマという名は何を意味しますか
これは預言者の子どもたちの名です。ロ・アンミは「わたしの民でない」、ロ・ルハマは「あわれまれない」という意味です。23節で神はこれらの名を逆転させ、ロ・ルハマをあわれみ、ロ・アンミに「あなたはわたしの民である」と言われます。パウロもローマ人への手紙でこの約束を取り上げています。
ホセア書 2を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。