はじめに
あなたは今、すべてが乾ききったような季節を過ごしているかもしれません。祈っても天井にぶつかるだけのような、内なる荒野です。信仰が揺らぎ、神様が一体何をなさっているのか分からなくなることもあるでしょう。「大いなる荒野の旅」というシリーズのこのメッセージは、意外な答えを差し出します。神様はあなたを荒野に置き去りにされたのではありません。あなたの心に語りかけるために、そこへ導かれたのです。
イエス・キリストより約700年前に生きた預言者ホセアの書から、神様がどのように人生の乾いた季節を用いて、あなたの心に隠れた偶像を明らかにし、あなたを取り戻し、ご自身のもとに連れ戻してくださるかを見ていきましょう。これは愛の物語であり、真実の物語であり、あなたが他のものに心を向けることを決して許さない神様の物語です。
記事の構成
1. 常識外れの物語:神様はホセアにゴメルとの結婚を命じられる
ホセアが預言していた時代、神の民は神様から離れていました。社会的な不正義、偽り、暴力、性的不品行、神様への信頼の代わりに政治的な同盟に頼ること、中身のない宗教、偽善。すべてが揃っていたのです。アッシリア帝国がさばきとして押し寄せる前に、神様はご自分の民に語りかけようとされます。そして、驚くべき方法をお選びになりました。
「主はホセアに言われた。『行け。淫行の女をめとり、淫行の子らを引き取れ。この国は主から離れて、はなはだしく淫行の罪を犯しているからだ。』」(ホセア 1:2)
ホセアは従いました。ゴメルをめとり、彼女が他の男たちとの間にもうけた子どもたちを引き取ります。彼は自分の人生そのものをメッセージにしたのです。神様はしばしばこのようになさいます。あなたの言葉だけでなく、あなたの人生を通して世界に語りかけようとされるのです。
この結婚は、神様とその民との関係を映し出す絵となります。神様は契約を、結婚を求めておられます。真実を求めておられるのです。しかしゴメルは他の男たちのもとへ走り続けます。ちょうど、この民が他の神々を追い求め続けたように。
2. 人の心という「偶像製造工場」
ゴメルが自分に言い聞かせている言葉をご覧ください。
「わたしはわたしの愛人たちについて行こう。彼らはパンと水、羊毛と亜麻、油と飲み物をわたしに与えてくれる。」(ホセア 2:7)
彼女は、愛人たちが必要なものを与えてくれると思い込んでいます。ホセアがすべてを与えていたにもかかわらず、彼女はほかの場所に安心を求め続けるのです。想像してみてください。ホセアは彼女が何も不自由しないようにすべてを備えていたのに、それでも夜になると彼女は別の腕の中へ戻っていく。その姿を。
牧師ティモシー・ケラーはこう要約しています。私たちの心は偶像を作り出す工場だ、と。私たちは神様を求めているはずなのに、絶えず別のもので神様を置き換えてしまいます。安心も、充実も、自分の価値も、神様との関係の外側に探し求めてしまうのです。
ケラーは、現代の私たちの偶像の背後にある4つの大きな根を挙げています。どれがいちばん自分に当てはまるか、よく考えてみてください。
- 力・成功。自分に価値があると感じるためには、成功し、影響力を持たなければならない。
- 承認。幸せであるためには、他の人から愛され、受け入れられなければならない。
- 快適さ。満足するためには、楽で心地よい生活が必要だ。
- コントロール。心の平安のためには、すべてが自分の計画どおりに進まなければならない。
自分に問いかけてみてください。人生が揺らぐとき、この4つのうちどれが失われると「もうだめだ」と感じてしまうでしょうか。その答えが、あなたが神様の代わりに置いてしまった偶像を明らかにしてくれるかもしれません。
3. 神様は心を取り戻すために荒野へと導かれる
ゴメルの不誠実を前にしても、神様は諦めません。ホセアにこう語らせます。
「それゆえ、見よ、わたしは彼女をいざなって荒野に導き、彼女の心に語りかけよう。」(ホセア 2:16)
荒野は、取り戻しの場所となります。神様は偶像礼拝への道をふさがれます。
「見よ、わたしは、いばらで彼女の道をふさぎ、垣を巡らして、彼女に自分の道筋を見つけさせない。彼女は愛人たちを追い求めても、追いつくことができない。」(ホセア 2:8)
あなたが今通っている荒野も、まさにこのような働きをしているかもしれません。あなたの小さな神々が、実はそれほど堅固ではなかったと気づかせてくれるのです。キャリアにすべてを賭けていましたか。揺らぐ夫婦関係が、あなたを本質へと引き戻してくれます。人からの承認をあてにしていましたか。孤独が、あなた自身と向き合わせてくれます。荒野は、揺さぶりをかけてくるのです。
そして、その後に続く、すばらしい約束があります。
「そこでわたしは、彼女にぶどう畑を与え、アコルの谷を望みの門としよう。彼女はそこで、若い日のように、エジプトの地から上って来た日のように歌うであろう。」(ホセア 2:17)
アコルの谷とは、アカンが禁じられた金をひそかに盗み、神様に背いた場所です(ヨシュア記 7章)。恥の谷です。神様はそこを、望みの門に変えると約束されます。あなたが倒れたその場所でさえ、あなたの恥のただ中でさえ、神様はご自身を現し、恵みを注ごうとされます。あなたの罪のただ中に、神様は取り戻すために来てくださるのです。
4. あなたの苦しみには、いくつもの原因がありうる
ここで大切な牧会的な補足をしておきましょう。すべての苦しみが「懲らしめ」であるとは限りません。聖書はいくつもの異なる原因を示しています。
- 悪魔の攻撃(ヨブ記のように)
- 壊れた世界の結果
- 神様の栄光を現すため
- 信仰が試されるため
- 神様のさばき
- 神様の懲らしめ
ホセア書の文脈においては、これは明らかに懲らしめです。神様はご自分の民を荒野に導き、偶像から離れさせようとされています。しかし、この鍵を自分のすべての試練に自動的に当てはめてしまわないよう気をつけてください。あなたが今いる荒野で、神様が何をなさろうとしているのか、まずご本人に尋ねてみてください。
5. イエス様の十字架:700年後にこだまするホセアの約束
この驚くべき約束を聞いてください。
「わたしはとこしえまでもあなたをわたしの妻とする。義と公平、恵みとあわれみをもって、あなたをわたしの妻とする。真実をもって、あなたをわたしの妻とする。あなたは主を知るであろう。」(ホセア 2:21-22)
それから700年の時を経て、イエス様がこの約束を現実のものとしてくださいます。ホセアは、ゴメルを引き留めていた愛人たちから彼女を買い戻さなければなりませんでした。代価を払って、家へと連れ戻したのです(ホセア 3章)。イエス様は十字架の上で同じことをしてくださいました。あなたの負債を支払い、あなたの不誠実を贖い、あなたが家に帰れるように、あなたの罪をご自分の身に負ってくださったのです。
ですから、この箇所が問いかけていることは、とても個人的な問いへと変わります。あなたは帰りたいと思いますか。あなたの家のすべての鍵、すべての部屋の鍵を、たとえ閉めておきたいと思っている部屋があったとしても、神様にお渡しする心の準備はできていますか。
覚えておきたいポイント
- 神様は時に、荒野を用いてあなたを偶像から離れさせる懲らしめとされます。
- あなたの心は、力・承認・快適さ・コントロールをめぐって、自然と偶像を作り出してしまいます。
- 荒野は、あなたの小さな神々が実は頼りにならないことを明らかにします。
- あなたが恥の谷にいるときでさえ、神様は望みの門を開いてくださいます。
- 十字架において、イエス様はあなたの帰る道の代価を払い、あなたをとこしえに妻として娶ってくださいます。
自分に問いかけてみよう
- 力、承認、快適さ、コントロール。この4つの根のうち、どれが失われたとき、あなたはいちばん足元をすくわれますか。
- あなたが気づかないうちに神様のとなりに置いてしまっている、おだやかで「立派に見える」偶像は何ですか。仕事、家族、評判、計画でしょうか。
- もし今、荒野を通っているとしたら、神様はあなたに何を示そう、あるいは何を取り除こうとしておられるでしょうか。
- あなたの心という家の中に、イエス様に鍵を渡したくない部屋はありませんか。
- 神様のもとへ帰ったしるしとして、今週、誰かに赦しを求めることができるでしょうか。
引用された聖書箇所
よくある質問
すべての試練は、偶像のせいで神様が下す懲らしめなのでしょうか。
いいえ、違います。聖書は苦しみの原因として、いくつもの可能性を示しています。悪魔の攻撃、壊れた世界の結果、神様の栄光を現すため、信仰の試練、さばき、懲らしめ。ホセア書は明らかな懲らしめの例を示していますが、あなた自身の苦しみには、まったく別の原因があるかもしれません。早合点する前に、神様に「何をなさっているのですか」と尋ねてみてください。
今日的に言えば、偶像とは具体的に何を指すのでしょうか。
偶像とは、必ずしも彫像のようなものではありません。あなたの心が、安心や愛されている感覚、満足、平安を得るために、神様の代わりに一番の場所に置いてしまっているもの、それが偶像です。ティモシー・ケラーによれば、それはしばしば力、承認、快適さ、コントロールという4つの欲求に根ざしています。夫婦関係や仕事、家族のような、それ自体は良いものが、究極の存在にまで祭り上げられてしまうこともあります。
「他の愛人を追い求めて」しまった後、どうやって神様のもとへ帰ればよいのでしょうか。
ホセア書のメッセージははっきりしています。神様ご自身が、あなたを取り戻しに来てくださるのです。十字架において、イエス様はすでにあなたの帰る道の代価を払われました。あなたに必要なのは、自分の偶像を認め、それを神様の前で言い表し、閉じていた部屋の鍵をお返しし、そして具体的な従順の一歩を踏み出すことです。和解すること、置き去りにしていた戒めに従うこと、教会での奉仕に踏み出すこと、そうしたことです。
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