聖書 — 口語訳 (1955)

列王紀上 14

概要

列王紀上14章は、王国が分裂したあとの出来事を語ります。ヤラベアム王の子が病気になり、その妻は姿を変えて、シロの預言者アヒヤのもとへ相談に行きます。神がすでにアヒヤに知らせておられたので、預言者は彼女を見抜き、偶像のゆえにヤラベアムの家が滅びること、そして子が死ぬことを告げます。章はそのあとユダへ移ります。レハベアムのもとで民は諸国民の偶像礼拝にならい、エジプトの王シシャクが神殿の宝物を奪います。不忠実には代価があることを、この章は示しています。

この章の5つの区分

  1. 1-6節病気の子と、シロに来た変装した妻
  2. 7-16節ヤラベアムの家とイスラエルに告げられた裁き
  3. 17-20節子の死とヤラベアムの治世の終わり
  4. 21-24節レハベアムとユダの偶像礼拝
  5. 25-31節シシャクによる神殿の略奪とレハベアムの最期

1そのころヤラベアムの子アビヤが病気になったので、

2ヤラベアムは妻に言った、「立って姿を変え、ヤラベアムの妻であることの知られないようにしてシロへ行きなさい。わたしがこの民の王となることを、わたしに告げた預言者アヒヤがそこにいます。

3パン十個と菓子数個および、みつ一びんを携えて彼のところへ行きなさい。彼はこの子がどうなるかをあなたに告げるでしょう」。

4ヤラベアムの妻はそのようにして、立ってシロへ行き、アヒヤの家に着いたが、アヒヤは年老いたため、目がかすんで見ることができなかった。

5しかし主はアヒヤに言われた、「ヤラベアムの妻が子供の事をあなたに尋ねるために来る。子供は病気だ。あなたは彼女にこうこう言わなければならない」。彼女は来るとき、他人を装っていた。

6しかし彼女が戸口にはいってきたとき、アヒヤはその足音を聞いて言った、「ヤラベアムの妻よ、はいりなさい。なぜ、他人を装うのですか。わたしはあなたにきびしい事を告げるよう、命じられています。

7行ってヤラベアムに言いなさい、『イスラエルの神、主はこう仰せられる、「わたしはあなたを民のうちからあげ、わたしの民イスラエルの上に立てて君とし、

8国をダビデの家から裂き離して、それをあなたに与えたのに、あなたはわたしのしもべダビデが、わたしの命令を守って一心にわたしに従い、ただわたしの目にかなった事のみを行ったようにではなく、

9あなたよりも先にいたすべての者にまさって悪をなし、行って自分のために他の神々と鋳た像を造り、わたしを怒らせ、わたしをうしろに捨て去った。

10それゆえ、見よ、わたしはヤラベアムの家に災を下し、ヤラベアムに属する男は、イスラエルにいて、つながれた者も、自由な者もことごとく断ち、人があくたを残りなく焼きつくすように、ヤラベアムの家を全く断ち滅ぼすであろう。

11ヤラベアムに属する者は、町で死ぬ者を犬が食べ、野で死ぬ者を空の鳥が食べるであろう。主がこれを言われるのである」』。

12あなたは立って、家へ帰りなさい。あなたの足が町にはいる時に、子どもは死にます。

13そしてイスラエルは皆、彼のために悲しんで彼を葬るでしょう。ヤラベアムに属する者は、ただ彼だけ墓に葬られるでしょう。ヤラベアムの家のうちで、彼はイスラエルの神、主にむかって良い思いをいだいていたからです。

14主はイスラエルの上にひとりの王を起されます。彼はその日ヤラベアムの家を断つでしょう。

15その後主はイスラエルを撃って、水に揺らぐ葦のようにし、イスラエルを、その先祖に賜わったこの良い地から抜き去って、ユフラテ川の向こうに散らされるでしょう。彼らがアシラ像を造って主を怒らせたからです。

16主はヤラベアムの罪のゆえに、すなわち彼がみずから犯し、またイスラエルに犯させたその罪のゆえにイスラエルを捨てられるでしょう」。

17ヤラベアムの妻は立って去り、テルザへ行って、家の敷居をまたいだ時、子どもは死んだ。

18イスラエルは皆彼を葬り、彼のために悲しんだ。主がそのしもべ預言者アヒヤによって言われた言葉のとおりである。

19ヤラベアムのその他の事績、彼がどのように戦い、どのように世を治めたかは、イスラエルの王の歴代志の書にしるされている。

20ヤラベアムが世を治めた日は二十二年であった。彼はその先祖と共に眠って、その子ナダブが代って王となった。

21ソロモンの子レハベアムはユダで世を治めた。レハベアムは王となったとき四十一歳であったが、主がその名を置くために、イスラエルのすべての部族のうちから選ばれた町エルサレムで、十七年世を治めた。その母の名はナアマといってアンモンびとであった。

22ユダの人々はその先祖の行ったすべての事にまさって、主の目の前に悪を行い、その犯した罪によって主の怒りを引き起した。

23彼らもすべての高い丘の上と、すべての青木の下に、高き所と石の柱とアシラ像とを建てたからである。

24その国にはまた神殿男娼たちがいた。彼らは主がイスラエルの人々の前から追い払われた国民のすべての憎むべき事をならい行った。

25レハベアムの王の第五年にエジプトの王シシャクがエルサレムに攻め上ってきて、

26主の宮の宝物と、王の宮殿の宝物を奪い去った。彼はそれをことごとく奪い去り、またソロモンの造った金の盾をみな奪い去った。

27レハベアムはその代りに青銅の盾を造って、王の宮殿の門を守る侍衛長の手にわたした。

28王が主の宮にはいるごとに、侍衛はそれを携え、また、それを侍衛のへやへ持ち帰った。

29レハベアムのその他の事績と、彼がしたすべての事は、ユダの王の歴代志の書にしるされているではないか。

30レハベアムとヤラベアムの間には絶えず戦争があった。

31レハベアムはその先祖と共に眠って先祖と共にダビデの町に葬られた。その母の名はナアマといってアンモンびとであった。その子アビヤムが代って王となった。

鍵となる聖句

6節
しかし彼女が戸口にはいってきたとき、アヒヤはその足音を聞いて言った、「ヤラベアムの妻よ、はいりなさい。なぜ、他人を装うのですか。わたしはあなたにきびしい事を告げるよう、命じられています。

神を欺くことはできません。目のかすんだ預言者は、神に知らされていたので、訪ねてきた女性を足音で見抜きます。変装は、神の答えを求めながら、ありのままの姿で神の前に出ることを拒む信仰を表しています。

13節
そしてイスラエルは皆、彼のために悲しんで彼を葬るでしょう。ヤラベアムに属する者は、ただ彼だけ墓に葬られるでしょう。ヤラベアムの家のうちで、彼はイスラエルの神、主にむかって良い思いをいだいていたからです。

この家の中で、神の目に良いとされたのは、ただ子ひとりだったと本文は強調します。裁きのさなかにも、神は一人ひとりの中にある正しいものを見ておられます。

15節
その後主はイスラエルを撃って、水に揺らぐ葦のようにし、イスラエルを、その先祖に賜わったこの良い地から抜き去って、ユフラテ川の向こうに散らされるでしょう。彼らがアシラ像を造って主を怒らせたからです。

預言者は、偶像のゆえにイスラエルが良い地から抜き去られると告げます。この裁きは、破られた契約の結果として示されています。

21節
ソロモンの子レハベアムはユダで世を治めた。レハベアムは王となったとき四十一歳であったが、主がその名を置くために、イスラエルのすべての部族のうちから選ばれた町エルサレムで、十七年世を治めた。その母の名はナアマといってアンモンびとであった。

この節は、レハベアムが王位についた時の年齢を記しています。ある説教は、そこから彼の高慢な態度が、若さだけのせいではなかったと読み取ります。

25-26節
レハベアムの王の第五年にエジプトの王シシャクがエルサレムに攻め上ってきて、 主の宮の宝物と、王の宮殿の宝物を奪い去った。彼はそれをことごとく奪い去り、またソロモンの造った金の盾をみな奪い去った。

シシャクは、神殿と宮殿の宝物、そしてソロモンの金の盾まで奪い去ります。栄光の治世が積み上げた富は、民の心が神から離れると消えてしまいます。

この章に登場する人物

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説教が語っていること

列王紀上14章についてよくある質問

列王紀上14章で、ヤラベアムの妻はなぜ変装するのですか

ヤラベアムは病気の子のことで預言者アヒヤに相談したいのですが、王妃の訪問が快く迎えられないことを恐れました。そこで妻に変装させて送ります。しかし神がアヒヤに知らせ、預言者は彼女が戸口に入るとすぐに見抜きます。神からは身を隠すことができないのです。

列王紀上14章の終わりで何が起こりますか

ヤラベアムの子は告げられたとおりに死に、イスラエルは皆彼のために悲しみます。章はそのあと、レハベアムのもとでのユダの偶像礼拝を語り、エジプトの王シシャクが攻め上って神殿と宮殿の宝物を奪う出来事を記します。レハベアムは金の盾の代わりに青銅の盾を造り、やがて世を去ります。

列王紀上14章のメッセージは何ですか

イスラエルとユダ、二つの王国の王たちが、自分たちを立てた神を捨て、その結果として、裁き、富の喪失、追放の預言が続きます。それでも本文は、裁きを受ける家の中の子どもにさえ、神が良いものを見ておられると記します。この章は、仮面をつけない忠実さを求めています。

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