聖書 — 口語訳 (1955)
申命記 2
概要
申命記2章で、モーセはイスラエルの新しい世代に、荒野での長い旅を思い起こさせます。神は、セイル、モアブ、アンモンという親族の民を避けて進むよう命じられます。神が彼らにその地を与えておられるので、イスラエルは攻撃してはなりません。戦士の世代が三十八年のうちに消え去ったことを思い起こし、続いてヘシボンの王シホンへの勝利が語られます。この章は、それぞれの民にその地を与え、イスラエルを一歩ずつ導かれる、真実な神を示しています。
この章の3つの区分
1それから、われわれは身をめぐらし、主がわたしに告げられたように、紅海の方に向かって荒野に進み入り、日久しくセイル山を行きめぐっていたが、
2主はわたしに言われた、
3『あなたがたは既に久しくこの山を行きめぐっているが、身をめぐらして北に進みなさい。
4おまえはまた民に命じて言え、「あなたがたは、エサウの子孫、すなわちセイルに住んでいるあなたがたの兄弟の領内を通ろうとしている。彼らはあなたがたを恐れるであろう。それゆえ、あなたがたはみずから深く慎み、
5彼らと争ってはならない。彼らの地は、足の裏で踏むほどでも、あなたがたに与えないであろう。わたしがセイル山をエサウに与えて、領地とさせたからである。
6あなたがたは彼らから金で食物を買って食べ、また金で水を買って飲まなければならない。
7あなたの神、主が、あなたのするすべての事において、あなたを恵み、あなたがこの大いなる荒野を通るのを、見守られたからである。あなたの神、主がこの四十年の間、あなたと共におられたので、あなたは何も乏しいことがなかった」』。
8こうしてわれわれは、エサウの子孫でセイルに住んでいる兄弟を離れ、アラバの道を避け、エラテとエジオン・ゲベルを離れて進んだ。われわれは転じて、モアブの荒野の方に向かって進んだ。
9その時、主はわたしに言われた、『モアブを敵視してはならない。またそれと争い戦ってはならない。彼らの地は、領地としてあなたに与えない。ロトの子孫にアルを与えて、領地とさせたからである。
10(むかし、エミびとがこの所に住んでいた。この民は大いなる民であって、数も多く、アナクびとのように背も高く、
11またアナクびとと同じくレパイムであると、みなされていたが、モアブびとは、これをエミびとと呼んでいた。
12ホリびとも、むかしはセイルに住んでいたが、エサウの子孫がこれを追い払い、これを滅ぼし、彼らに代ってそこに住んだ。主が賜わった所有の地に、イスラエルがおこなったのと同じである。)
13あなたがたは、いま、立ちあがってゼレデ川を渡りなさい』。そこでわれわれはゼレデ川を渡った。
14カデシ・バルネアを出てこのかた、ゼレデ川を渡るまでの間の日は三十八年であって、その世代のいくさびとはみな死に絶えて、宿営のうちにいなくなった。主が彼らに誓われたとおりである。
15まことに主の手が彼らを攻め、宿営のうちから滅ぼし去られたので、彼らはついに死に絶えた。
16いくさびとがみな民のうちから死に絶えたとき、
17主はわたしに言われた、
18『おまえは、きょう、モアブの領地アルを通ろうとしている。
19アンモンの子孫に近づく時、おまえは彼らを敵視してはならない。また争ってはならない。わたしはアンモンの子孫の地を領地として、おまえに与えない。それをロトの子孫に領地として与えたからである。
20(これもまたレパイムの国とみなされた。むかし、レパイムがここに住んでいたからである。しかし、アンモンびとは彼らをザムズミびとと呼んだ。
21この民は大いなる民であって数も多く、アナクびとのように背も高かったが、主はアンモンびとの前から、これを滅ぼされ、アンモンびとがこれを追い払って、彼らに代ってそこに住んだ。
22この事は、セイルに住んでいるエサウの子孫のためにその前から、ホリびとを滅ぼされたのと同じである。彼らはホリびとを追い払い、これに代って今日までそこに住んでいる。
23またカフトルから出たカフトルびとは、ガザにまで及ぶ村々に住んでいたアビびとを滅ぼして、これに代ってそこに住んでいる。)
24あなたがたは立ちあがり、進んでアルノン川を渡りなさい。わたしはヘシボンの王アモリびとシホンとその国とを、おまえの手に渡した。それを征服し始めよ。彼と争って戦え。
25きょうから、わたしは全天下の民に、おまえをおびえ恐れさせるであろう。彼らはおまえのうわさを聞いて震え、おまえのために苦しむであろう』。
26そこでわたしは、ケデモテの荒野から、ヘシボンの王シホンに使者をつかわし、平和の言葉を述べさせた。
27『あなたの国を通らせてください。わたしは大路をとおっていきます、右にも左にも曲りません。
28金で食物を売ってわたしに食べさせ、金をとって水を与えてわたしに飲ませてください。徒歩で通らせてくださるだけでよいのです。
29セイルに住むエサウの子孫と、アルに住むモアブびとが、わたしにしたようにしてください。そうすれば、わたしはヨルダンを渡って、われわれの神、主が賜わる地に行きます』。
30しかし、ヘシボンの王シホンは、われわれを通らせるのを好まなかった。あなたの神、主が彼をあなたの手に渡すため、その気を強くし、その心をかたくなにされたからである。今日見るとおりである。
31時に主はわたしに言われた、『わたしはシホンと、その地とを、おまえに渡し始めた。おまえはそれを征服しはじめ、その地を自分のものとせよ』。
32そこでシホンは、われわれを攻めようとして、その民をことごとく率い、出てきてヤハズで戦ったが、
33われわれの神、主が彼を渡されたので、われわれは彼とその子らと、そのすべての民とを撃ち殺した。
34その時、われわれは彼のすべての町を取り、そのすべての町の男、女および子供を全く滅ぼして、ひとりをも残さなかった。
35ただその家畜は、われわれが取った町々のぶんどり物と共に、われわれが獲て自分の物とした。
36アルノンの谷のほとりにあるアロエルおよび谷の中にある町からギレアデに至るまで、われわれが攻めて取れなかった町は一つもなかった。われわれの神、主がことごとくわれわれに渡されたのである。
37ただアンモンの子孫の地、すなわちヤボク川の全岸、および山地の町々、またすべてわれわれの神、主が禁じられた所には近寄らなかった。
鍵となる聖句
『あなたがたは既に久しくこの山を行きめぐっているが、身をめぐらして北に進みなさい。
長く山をめぐり続けたあと、神は民に、北へ向かうよう告げられます。この節は、同じ場所を回り続けた時期の終わりと、新しい方向の始まりを示しています。
彼らと争ってはならない。彼らの地は、足の裏で踏むほどでも、あなたがたに与えないであろう。わたしがセイル山をエサウに与えて、領地とさせたからである。
イスラエルはエサウの子孫を攻撃してはなりません。神がセイルを彼らに与えられたからです。神はほかの民の行く末も定めておられること、そしてイスラエルへの約束が、どんな土地でも奪ってよいという許可ではないことを、この箇所は思い起こさせます。
あなたの神、主が、あなたのするすべての事において、あなたを恵み、あなたがこの大いなる荒野を通るのを、見守られたからである。あなたの神、主がこの四十年の間、あなたと共におられたので、あなたは何も乏しいことがなかった」』。
モーセは、神が民の手のわざを祝福し、四十年の間共におられて、何も乏しいことがなかったと語ります。神の真実を思い起こすことが、これからの歩みを信頼する土台となります。
カデシ・バルネアを出てこのかた、ゼレデ川を渡るまでの間の日は三十八年であって、その世代のいくさびとはみな死に絶えて、宿営のうちにいなくなった。主が彼らに誓われたとおりである。
カデシュ・バルネアからゼレデの谷を渡るまでに三十八年が過ぎ、戦士たちの世代が消え去りました。この節は、カデシュでの不信仰の代価を思い起こさせます。
説教が語っていること
申命記2章についてよくある質問
申命記2章7節はどういう意味ですか
モーセは民に、神が手のわざを祝福し、大いなる荒野を行くのを見守り、四十年の間共におられて、何も乏しいことがなかったと思い起こさせます。この節は、過去を振り返って神の真実に気づくよう招いており、それが将来に踏み出す勇気を与えます。
なぜイスラエルはエドム、モアブ、アンモンを攻撃しなかったのですか
神が、イスラエルの親族であるエサウとロトの子孫に、その土地を与えておられたからです。神は、略奪するのではなく、食物と水を買うよう求められます。イスラエルへの約束は、どの国に対する権利も与えるものではなく、神が定めておられる土地にかかわるものです。
申命記2章のメッセージは何ですか
この章は、神が御自分の民を一歩ずつ導き、ほかの民に与えた土地を尊重し、不信仰だった世代を取り去られることを思い起こさせます。新しい世代に、思い起こし、従い、信頼して進むよう呼びかけます。神は、シホンの場合のように、彼らのために戦われるからです。
申命記 2を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。