聖書 — 口語訳 (1955)

申命記 20

概要

申命記20章は、カナンに入る前のイスラエルのために、戦いの規定を定めます。戦いの前に祭司は、主が民とともに進まれることを告げます。役人たちは、新しい家や、まだ収穫していないぶどう畑、婚約者のある人、そして恐れている人を家に帰らせます。この章は、遠くの町には平和を申し出ること、カナンの町々は聖絶すべきことを区別し、さらに果樹を守るよう命じます。厳しい箇所ですが、その背景の中で読むことが大切です。

この章の5つの区分

  1. 1-4節恐れるな:主があなたがたとともに進まれる
  2. 5-9節戦いに出なくてよい人々
  3. 10-15節遠くの町には平和を申し出る
  4. 16-18節聖絶されるカナンの町々
  5. 19-20節果樹を切り倒してはならない

1あなたが敵と戦うために出る時、馬と戦車と、あなたよりも大ぜいの軍隊を見ても、彼らを恐れてはならない。あなたをエジプトの国から導きのぼられたあなたの神、主が共におられるからである。

2あなたがたが戦いに臨むとき、祭司は進み出て民に告げて、

3彼らに言わなければならない、『イスラエルよ聞け。あなたがたは、きょう、敵と戦おうとしている。気おくれしてはならない。恐れてはならない。あわててはならない。彼らに驚いてはならない。

4あなたがたの神、主が共に行かれ、あなたがたのために敵と戦って、あなたがたを救われるからである』。

5次につかさたちは民に告げて言わなければならない。『新しい家を建てて、まだそれをささげていない者があれば、その人を家に帰らせなければならない。そうしなければ、彼が戦いに死んだとき、ほかの人がそれをささげるようになるであろう。

6ぶどう畑を作って、まだその実を食べていない者があれば、その人を家に帰らせなければならない。そうしなければ彼が戦いに死んだとき、ほかの人がそれを食べるようになるであろう。

7女と婚約して、まだその女をめとっていない者があれば、その人を家に帰らせなければならない。そうしなければ彼が戦いに死んだとき、ほかの人が彼女をめとるようになるであろう』。

8つかさたちは、また民に告げて言わなければならない。『恐れて気おくれする者があるならば、その人を家に帰らせなければならない。そうしなければ、兄弟たちの心が彼の心のようにくじけるであろう』。

9つかさたちがこのように民に告げ終ったならば、軍勢のかしらたちを立てて民を率いさせなければならない。

10一つの町へ進んで行って、それを攻めようとする時は、まず穏やかに降服することを勧めなければならない。

11もしその町が穏やかに降服しようと答えて、門を開くならば、そこにいるすべての民に、みつぎを納めさせ、あなたに仕えさせなければならない。

12もし穏やかに降服せず、戦おうとするならば、あなたはそれを攻めなければならない。

13そしてあなたの神、主がそれをあなたの手にわたされる時、つるぎをもってそのうちの男をみな撃ち殺さなければならない。

14ただし女、子供、家畜およびすべて町のうちにあるもの、すなわちぶんどり物は皆、戦利品として取ることができる。また敵からぶんどった物はあなたの神、主が賜わったものだから、あなたはそれを用いることができる。

15遠く離れている町々、すなわちこれらの国々に属さない町々には、すべてこのようにしなければならない。

16ただし、あなたの神、主が嗣業として与えられるこれらの民の町々では、息のある者をひとりも生かしておいてはならない。

17すなわちヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとはみな滅ぼして、あなたの神、主が命じられたとおりにしなければならない。

18これは彼らがその神々を拝んでおこなったすべての憎むべき事を、あなたがたに教えて、それを行わせ、あなたがたの神、主に罪を犯させることのないためである。

19長く町を攻め囲んで、それを取ろうとする時でも、おのをふるって、そこの木を切り枯らしてはならない。それはあなたの食となるものだから、切り倒してはならない。あなたは田野の木までも、人のように攻めなければならないであろうか。

20ただし実を結ばない木とわかっている木は切り倒して、あなたと戦っている町にむかい、それをもってとりでを築き、陥落するまで、それを攻めることができる。

鍵となる聖句

1節
あなたが敵と戦うために出る時、馬と戦車と、あなたよりも大ぜいの軍隊を見ても、彼らを恐れてはならない。あなたをエジプトの国から導きのぼられたあなたの神、主が共におられるからである。

馬や戦車、自分たちより多い軍勢を前にしても、イスラエルは恐れなくてよいのです。その理由は自分たちの力ではなく、エジプトから導き出された神がともにおられることです。

4節
あなたがたの神、主が共に行かれ、あなたがたのために敵と戦って、あなたがたを救われるからである』。

神は戦いを遠くから見ているのではなく、民とともに進み、彼らを救ってくださいます。今日、恐れや苦闘の中にいる人々に、説教者たちがこの約束を語るのはそのためです。

5-8節
次につかさたちは民に告げて言わなければならない。『新しい家を建てて、まだそれをささげていない者があれば、その人を家に帰らせなければならない。そうしなければ、彼が戦いに死んだとき、ほかの人がそれをささげるようになるであろう。 ぶどう畑を作って、まだその実を食べていない者があれば、その人を家に帰らせなければならない。そうしなければ彼が戦いに死んだとき、ほかの人がそれを食べるようになるであろう。 女と婚約して、まだその女をめとっていない者があれば、その人を家に帰らせなければならない。そうしなければ彼が戦いに死んだとき、ほかの人が彼女をめとるようになるであろう』。 つかさたちは、また民に告げて言わなければならない。『恐れて気おくれする者があるならば、その人を家に帰らせなければならない。そうしなければ、兄弟たちの心が彼の心のようにくじけるであろう』。

戦いの前に、律法は、新しい家のある人、まだ収穫していないぶどう畑のある人、結婚を控えた人、そして恐れている人を帰らせるよう定めます。これは普通の暮らしを守り、一人の恐れが他の人に広がることを防ぎます。

16-18節
ただし、あなたの神、主が嗣業として与えられるこれらの民の町々では、息のある者をひとりも生かしておいてはならない。 すなわちヘテびと、アモリびと、カナンびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとはみな滅ぼして、あなたの神、主が命じられたとおりにしなければならない。 これは彼らがその神々を拝んでおこなったすべての憎むべき事を、あなたがたに教えて、それを行わせ、あなたがたの神、主に罪を犯させることのないためである。

これらの節は聖書の中でもっとも難しい箇所の一つです。イスラエルに与えられた地の民に関するもので、その理由は、彼らの宗教的な習わしをまねないためと述べられています。クリスチャンはこれを旧約の枠組みの中で読み、その論理を教会に当てはめることはしません。

19-20節
長く町を攻め囲んで、それを取ろうとする時でも、おのをふるって、そこの木を切り枯らしてはならない。それはあなたの食となるものだから、切り倒してはならない。あなたは田野の木までも、人のように攻めなければならないであろうか。 ただし実を結ばない木とわかっている木は切り倒して、あなたと戦っている町にむかい、それをもってとりでを築き、陥落するまで、それを攻めることができる。

戦いのさなかでも、食べ物を実らせる木は残さなければなりません。律法は破壊に限度を設け、被造物は敵ではないことを思い起こさせます。

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説教が語っていること

申命記20章についてよくある質問

申命記20章4節はどういう意味ですか

この節は、戦いの前のイスラエルに、主が彼らとともに進み、敵と戦って彼らを救ってくださると告げています。どんな計画でも自動的に勝利が約束されるわけではありませんが、神が戦いの中におられることを思い出させます。多くの信者は、試練の中で恐れに屈しないための励ましとして、この箇所を読んでいます。

申命記20章のメッセージは何ですか

この章は、イスラエルの戦いに枠組みを与えています。軍事力ではなく神に信頼すること、日常の暮らしを尊ぶこと、遠くの町に平和を申し出ること、そして果樹さえも含めて破壊に限度を設けることです。また、遠くの町と、相続地として与えられた地の町々とを区別しています。

申命記20章16節から18節で、神はなぜカナンの民を滅ぼすよう命じたのですか

聖書は、民がこれらの国々の宗教的な習わしを学び、主に対して罪を犯すことを避けるため、と理由を記しています。信者たちはこの箇所を、イスラエルが地上の王国であった旧約の枠組みの中で読み、今も難しい箇所であると認めています。今日の暴力を正当化する根拠は、ここからは何も引き出されません。

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