要約
ヒラムは、イスラエルの隣にあるフェニキアの町ツロの王です。ダビデには杉材と大工と石工を送って王宮を建てさせました。ダビデの死後はソロモンを祝い、その知恵を喜んで主をほめたたえます。そしてレバノンの杉と糸杉を、小麦と油と引き換えに送る契約を結びました。ヒラムの職人たちは神殿建築に加わり、水夫たちはオフィルへ航海しました。異国の王ながらイスラエルの神を認め、その計画に仕えた人物です。
ツロの王ヒラムという名前の意味
ヒラム(歴代誌ではフラム)は、わが兄弟は高められたまたは高貴なという意味のフェニキア語の名に結びつけられるのが一般的です。聖書は名の意味を説明せず、ツロの王ヒラムと紹介しています(サムエル記第二5章11節)。ヒラムが神殿の青銅の仕事のためにソロモンのもとへ送った同名の職人(列王記第一7章)とは別人です。
ツロの王ヒラムの生涯
ダビデのための家
サムエル記第二5章11-12節ダビデがシオンの要害を取った直後、ヒラムは使者と杉材、大工、石工を送り、王の家を建てさせました。異国の王のこの行いには霊的な意味がありました。ダビデは、主が自分をイスラエルの王として堅く立て、御民のために王国を高めておられると悟ったのです。ヒラムは知らずに神の恵みのしるしとなりました。
ダビデの友がソロモンを祝う
列王記第一5章1-6節ヒラムはソロモンが油注がれて王となったと聞き、家来たちを遣わしました。彼は常にダビデを愛していたからです。ソロモンは、父は戦いのために主の家を建てられなかったが、神が安息を与えてくださったと伝え、レバノンの杉を求めました。職人の賃金は払うと申し出、シドン人ほど木を切る者はいないと言います。
主がほめたたえられますように
列王記第一5章7-9節ソロモンのことばを聞いたヒラムは大いに喜び、この大いなる民を治める賢い子をダビデに与えた主が、今日ほめたたえられるように、と言いました。彼はすべてを承諾し、家来たちがレバノンから海まで材木を運び、いかだで指定の場所へ送ると答え、見返りに自分の家のための食糧を求めました。
平和の契約
列王記第一5章10-18節ヒラムは望みどおりの杉と糸杉を供給し、ソロモンは毎年、小麦二万コルと油二十コルを贈りました。主がソロモンに知恵を授けたので、ヒラムとソロモンの間は平和で、二人は契約を結びます。ソロモンの職人、ヒラムの職人、ゲバル人が協力して石を切り、主の家の木材を整えました。
カブルの町
列王記第一9章10-14節二十年後、二つの家が完成しました。ヒラムが杉、糸杉、金を供給したので、ソロモンはガリラヤの二十の町を彼に与えます。ヒラムは見に来ましたが気に入らず、兄弟よ、これは何という町か、と言い、その地をカブルの地と呼びました。ヒラムが王に送った金は百二十タラントでした。それでも失望は二人の関係を壊しませんでした。
オフィルへの水夫
列王記第一9章26-28節ソロモンは紅海のほとりのエツヨン・ゲベルで船団を造りました。ヒラムは自分の家来たち、海を知る水夫を送り、ソロモンの家来たちとともに乗り込ませます。彼らはオフィルへ行き、四百二十タラントの金をソロモン王に持ち帰りました。ツロの航海の技術がイスラエル王国のために用いられ、協力は続きました。
ツロの王ヒラムから学ぶこと
- 神は御民の外にいる人も用いて、ご計画を成し遂げられます。思いがけない所から来る助けを軽んじてはいけません。
- ヒラムは常にダビデを愛していました。世代を超えて続く誠実な友情は、大切に育てたい祝福です。
- ヒラムのように、神が他の人に与えられた知恵を認め、妬まずに主をほめたたえましょう。
- 互いに与え合う誠実な協力は、競争よりも多くのものを築きます。神殿はレバノンの杉で建てられました。
- 友人の間にも失望はあります。カブルの町のことがあっても契約は壊れませんでした。恨みを残さずに乗り越えることを学びましょう。
鍵となる聖句
ヒラムとダビデの最初の出会いです。杉材、大工、石工が家のために送られました。次の節で、ダビデはそこに自分を堅く立てる神の御手を見ています。
ヒラムは、ダビデに賢い子を与えた主をほめたたえます。異教の王がイスラエルの神のみわざを認め、心から喜んでいます。
ソロモンに約束された知恵は、ヒラムとの契約という具体的な平和になりました。神の知恵は建物だけでなく、長続きする人間関係も築きます。
ツロの王ヒラムについての説教
よくある質問
聖書のツロの王ヒラムとはどんな人ですか。
ヒラムは北隣のフェニキアの町ツロの王です。ダビデに王宮の建築材料を提供し(サムエル記第二5章11節)、ソロモンとは契約を結んで、神殿のためにレバノンの杉と糸杉を送り、小麦と油を受け取り、金と水夫も送りました(列王記第一5章、9章)。
ヒラムはイスラエルの神を信じていましたか。
聖書によれば、彼は常にダビデを愛し、ダビデに賢い子を与えた主をほめたたえました(列王記第一5章1、7節)。ツロの神々を捨てたとは書かれていません。異国の王でありながらイスラエルの神のみわざを認め、喜んで神殿建築に協力した人物として描かれています。
ヒラムの物語は聖書のどこにありますか。
サムエル記第二5章11-12節(ダビデの家)、列王記第一5章(ソロモンとの契約と神殿の木材)、同9章10-14節と26-28節(カブルの町とオフィルの船)に出ます。並行記事は歴代誌第一14章と歴代誌第二2章にあり、そこではフラムと呼ばれます。