要約
ヨアシュはユダの王アハズヤの子です。祖母アタルヤが王の一族を滅ぼしたとき、おばのエホシェバが乳母とともに主の宮に六年間かくまいました。七歳になると祭司エホヤダが彼を王とし、アタルヤは処刑されます。ヨアシュは四十年間エルサレムで王位にあり、神殿を修復しました。しかしエホヤダの死後、ユダの首長たちに従って主を捨て、恩人の子ゼカリヤを石で打ち殺させます。アラムに敗れ、家来たちに暗殺されました。イスラエルの王ヨアシュとは別人です。
ユダの王ヨアシュという名前の意味
ヨアシュは、主は与えられたまたは主は強いという意味のことばに結びつけられるのが一般的です。聖書は名の意味を説明しません。同じ名の人物は他にもいて、ギデオンの父(士師記6章)や、預言者エリシャと同時代のイスラエルの王でエホアハズの子(列王記第二13章)がいますが、ユダの王とは別人です。
ユダの王ヨアシュの生涯
虐殺から救われた赤ん坊
列王記第二11章1-3節息子アハズヤが死ぬと、アタルヤは自ら王となるため王の一族をことごとく滅ぼしました。しかしアハズヤの姉妹エホシェバは、殺される王の子らの中から幼いヨアシュを盗み出し、乳母とともに寝具の部屋に隠します。彼は六年間、主の宮でかくまわれました。ダビデの家系は、神殿に隠された一人の子に託されたのです。
七歳での即位
列王記第二11章4-12節七年目、祭司エホヤダは百人隊の長たちを主の宮に集めて誓わせ、王の子を見せました。護衛を配置し、ダビデの槍と盾を配り、子を連れ出して王冠とさとしの書を授けます。彼らは彼を王とし、油を注ぎ、手をたたいて、王さま万歳と叫びました。
アタルヤの最期と契約の更新
列王記第二11章13-21節アタルヤは物音を聞いて駆けつけ、王が台座に立つのを見て謀反だと叫びます。エホヤダは彼女を宮の外へ出して殺させました。続いて主と王と民の間に契約を結び、バアルの宮は壊され、祭司マタンは殺されます。ヨアシュは王宮に導かれて王座に着き、町は平穏になりました。ヨアシュは七歳で王となりました。
神殿修復のための箱
列王記第二12章4-15節ヨアシュは祭司たちに、宮の修理のために奉納金を用いるよう命じます。ところが二十三年目になっても何もなされておらず、王は祭司たちに問いただしました。そこでエホヤダは祭壇のそばに、ふたに穴を開けた箱を置きます。集まった銀は量られ、大工や石工に渡されました。彼らは誠実に働いたため会計の報告は求められず、主の宮は修復されました。
エホヤダの死後の堕落
歴代誌第二24章17-19節エホヤダが生きている間、ヨアシュは正しい道を歩みました。しかし彼の死後、ユダの首長たちが王にひれ伏し、王は彼らに聞き従います。人々は主の宮を捨て、アシェラや偶像に仕えました。神の怒りがユダに臨み、預言者たちが連れ戻そうとしましたが、誰も警告に耳を傾けませんでした。
ゼカリヤの殺害
歴代誌第二24章20-22節エホヤダの子ゼカリヤは神の霊に満たされ、民が主を捨てたことを責めます。人々は彼に陰謀を企て、王の命令で主の宮の庭で石打ちにしました。ヨアシュ王はゼカリヤの父エホヤダの恵みを思い出さず、その子を殺したのです。ゼカリヤは死ぬ間際、主がご覧になり、さばいてくださるように、と言いました。
敗北と暗殺
歴代誌第二24章23-25節翌年、アラムの軍勢が少数でユダに攻め上りました。主が彼らを捨てたので、大軍がその手に渡されます。ヨアシュは重い病の中に置かれました。家来たちは祭司エホヤダの子らの血のために彼に陰謀を企て、寝床で殺します。ダビデの町に葬られましたが、王たちの墓には入れられませんでした。
ユダの王ヨアシュから学ぶこと
- 他人に支えられた信仰は、一人では立てません。よい師の影響だけでなく、神ご自身との個人的な関係を求めましょう。
- 誰の声に耳を傾けていますか。ヨアシュはエホヤダに従う間は忠実でしたが、へつらう者に従って身を滅ぼしました。助言者は慎重に選びましょう。
- 恩知らずは最悪の堕落への扉を開きます。あなたによくしてくれた人を覚え、その人を敬いましょう。
- 神は虐殺のただ中でも約束を守られます。神殿に隠された一人の子が、ダビデの家系を保ちました。
- 神の家を修復することは、心の忠実さの代わりにはなりません。外面の熱心さと神との生きた関係は、ともにあるべきものです。
鍵となる聖句
ヨアシュは、エホヤダが教えている間は正しいことを行いました。この表現にすでに警告が含まれています。彼の忠実さは一人の人に依存していたのです。
エホヤダの死後、首長たちは王にへつらい、王は彼らに従いました。国はたちまち主の宮を捨てて偶像に向かい、堕落の速さがわかります。
ヨアシュはエホヤダの恵みを忘れ、その子ゼカリヤを殺させます。主がご覧になり、さばいてくださるようにという死に際の叫びが、王の最期を予告します。
ユダの王ヨアシュについての説教
よくある質問
なぜヨアシュはエホヤダの死後に神を捨てたのですか。
聖書はただ、エホヤダの死後ユダの首長たちが王にひれ伏し、王が彼らに従ったと記します(歴代誌第二24章17節)。彼の忠実さは主への個人的な愛着より祭司の指導に基づいていました(列王記第二12章2節)。その支えが消えると、他の声に従ったのです。
ユダの王ヨアシュとイスラエルの王ヨアシュの違いは何ですか。
ユダの王ヨアシュはアハズヤの子で、幼いときアタルヤから救われ、七歳でエホヤダに王とされました(列王記第二11章と12章)。イスラエルの王ヨアシュはエホアハズの子でサマリアを治め、死の床のエリシャを訪ねました(列王記第二13章)。同時代の人物なので混同されやすいのです。
ヨアシュの物語は聖書のどこにありますか。
救出と即位は列王記第二11章と歴代誌第二22章10節から23章21節、治世、神殿の修復、死は列王記第二12章にあります。歴代誌第二24章は、エホヤダの死後の堕落、ゼカリヤの殺害、神のさばきを加えて伝えます。