聖書の人物 ハザエル

生涯、名前の意味、人生の教訓

要約

ハザエルは、預言者エリシャの時代のアラムの王です。神はエリヤに彼が王となることを告げ、病気のベン・ハダデ王に遣わされたハザエルを見て、エリシャはイスラエルに及ぶ害を思って泣きました。翌日ハザエルは主君を窒息させて王位に就き、ヨアハズの生涯の間イスラエルを苦しめます。神のさばきの道具でしたが、その罪は彼自身のものです。

ハザエルという名前の意味

ハザエルという名は、「神は見る」あるいは「神は見られた」を表す言葉、すなわち「見る」を意味する動詞と神を指すエルから成ると理解されるのが一般的です。聖書はこの名を説明していません。この名を持つのは、イスラエル人ではなくアラム人です。

ハザエルの生涯

  1. エリヤに告げられた名

    列王記第一19章15-17節

    落胆したエリヤはホレブまで逃れます。そこで主は彼に語りかけ、ダマスコへ行ってハザエルに油を注いでアラムの王とし、次にイエフをイスラエルの王に、エリシャを預言者にするよう命じます。ハザエルの剣が、契約から離れたイスラエルを打つとも告げられました。

  2. エリシャに遣わされる

    列王記第二8章7-10節

    アラムの王ベン・ハダデが病んでいたとき、エリシャがダマスコに来ました。王は四十頭のらくだの贈り物を持たせてハザエルを遣わし、この病気は治るでしょうかと尋ねさせます。エリシャは、王は治ると答えましたが、主は彼が必ず死ぬことを示されたとも告げました。

  3. 預言者の涙

    列王記第二8章11-13節

    エリシャは長くハザエルを見つめ、やがて泣き出します。ハザエルがイスラエルの人々にもたらす害、すなわち町が焼かれ、若者が殺され、子どもや女たちが打ち殺されることを告げました。ハザエルは、犬のような僕に何でそんな大きなことができましょうと抗議します。エリシャは、主が彼をアラムの王として示されたと答えました。

  4. 主君の王位を奪う

    列王記第二8章14-15節

    ベン・ハダデのもとへ戻ったハザエルは、伝言の前半だけを伝え、あなたは治ります、と言いました。翌日、彼は布を水に浸して王の顔にかぶせ、王は死にます。ハザエルが代わって王になりました。預言は殺害を命じてはおらず、彼は自分でその殺人を選んだのです。

  5. イスラエルとユダとの戦い

    列王記第二8章28-29節

    イスラエルの王ヨラムとユダの王アハズヤは、ギルアデのラモテでハザエルと戦いに出ます。アラム人はヨラムに傷を負わせ、彼はイズレエルへ帰って治療を受けました。エリシャのことばは実現し始め、ハザエルは神の民にとって恐ろしい敵となります。

  6. ヨアハズの時代の圧迫

    列王記第二13章3-7節、22-25節

    イスラエルがヤロブアムの罪に従ったため、主は彼らをハザエルとその子ベン・ハダデの手に渡されました。ハザエルはヨアハズの生涯の間イスラエルを苦しめます。しかし神は、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約のゆえに憐れまれました。ハザエルの死後、ヨアシュは奪われた町を取り返します。

ハザエルから学ぶこと

  • 神は諸国の歴史を治め、異邦の王をさえ用いて御民を懲らしめることがあります。
  • 神が許されることを前もって知っていても、罪は正当化されません。ハザエルは自分の罪に責任を負っています。
  • エリシャの涙は、御民を襲う不幸に神の心が痛むことを表しています。
  • 人は自分の心がどんな悪を行いうるかを知らないことがあり、だからこそ心を見張る必要があります。
  • 懲らしめの中にあっても、神は契約に真実であり、憐れみを示してくださいます。

鍵となる聖句

列王記第二8章12節

エリシャは、ハザエルがイスラエルの人々にもたらす害を知って泣きます。預言者はさばきを喜ばず、その痛みを自分のものとして担っています。

列王記第二8章13節

ハザエルは自分を犬と呼び、そんなことができるとは思っていないようです。この節は、人の心が自分自身を知らないことがあるのを思い起こさせます。

列王記第二13章23節

ハザエルの圧迫の中でも、主はアブラハム、イサク、ヤコブとの契約のゆえにイスラエルを憐れまれました。神の真実は、民の不真実をはるかに超えています。

よくある質問

エリヤはハザエルに油を注ぎましたか。

列王記第一19章15節で、神はエリヤにハザエルをアラムの王として油注ぐよう命じます。しかし聖書は、その油注ぎを記していません。ハザエルに王になると告げるのは、エリヤの後継者エリシャです(列王記第二8章13節)。本文が語る以上のことは断言しないほうがよいでしょう。

エリシャはなぜハザエルの前で泣いたのですか。

神がエリシャに、ハザエルがイスラエルの人々にもたらす害、すなわち町が焼かれ、若者が殺され、子どもや女たちが打ち殺されることを知らせたからです(列王記第二8章12節)。涙は、自分の民を思う預言者のあわれみを表しています。

ハザエルの物語は聖書のどこにありますか。

ハザエルは列王記第一19章15-17節で予告されます。エリシャとの出会いと王位の奪取は列王記第二8章7-15節に、戦いは8章28-29節以降に、死は13章24節に記されています。預言者アモスも、ハザエルの家に言及しています。

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