聖書 — 口語訳 (1955)
列王紀上 19
概要
カルメルでの勝利の翌日、エリヤはイゼベルの脅しを受けて荒野に逃れ、疲れ果てて死を願うほどになります。神は彼を叱らず、眠らせ、御使によってパンと水を運ばせます。ホレブで神は、風や地震や火の中ではなく、静かな細い声で現れられます。神はエリヤに、彼は一人ではないと告げ、エリシャとともに後継者を与えられます。
この章の5つの区分
1アハブはエリヤのしたすべての事、また彼がすべての預言者を刀で殺したことをイゼベルに告げたので、
2イゼベルは使者をエリヤにつかわして言った、「もしわたしが、あすの今ごろ、あなたの命をあの人々のひとりの命のようにしていないならば、神々がどんなにでも、わたしを罰してくださるように」。
3そこでエリヤは恐れて、自分の命を救うために立って逃げ、ユダに属するベエルシバへ行って、しもべをそこに残し、
4自分は一日の道のりほど荒野にはいって行って、れだまの木の下に座し、自分の死を求めて言った、「主よ、もはや、じゅうぶんです。今わたしの命を取ってください。わたしは先祖にまさる者ではありません」。
5彼はれだまの木の下に伏して眠ったが、天の使が彼にさわり、「起きて食べなさい」と言ったので、
6起きて見ると、頭のそばに、焼け石の上で焼いたパン一個と、一びんの水があった。彼は食べ、かつ飲んでまた寝た。
7主の使は再びきて、彼にさわって言った、「起きて食べなさい。道が遠くて耐えられないでしょうから」。
8彼は起きて食べ、かつ飲み、その食物で力づいて四十日四十夜行って、神の山ホレブに着いた。
9その所で彼はほら穴にはいって、そこに宿ったが、主の言葉が彼に臨んで、彼に言われた、「エリヤよ、あなたはここで何をしているのか」。
10彼は言った、「わたしは万軍の神、主のために非常に熱心でありました。イスラエルの人々はあなたの契約を捨て、あなたの祭壇をこわし、刀をもってあなたの預言者たちを殺したのです。ただわたしだけ残りましたが、彼らはわたしの命を取ろうとしています」。
11主は言われた、「出て、山の上で主の前に、立ちなさい」。その時主は通り過ぎられ、主の前に大きな強い風が吹き、山を裂き、岩を砕いた。しかし主は風の中におられなかった。風の後に地震があったが、地震の中にも主はおられなかった。
12地震の後に火があったが、火の中にも主はおられなかった。火の後に静かな細い声が聞えた。
13エリヤはそれを聞いて顔を外套に包み、出てほら穴の口に立つと、彼に語る声が聞えた、「エリヤよ、あなたはここで何をしているのか」。
14彼は言った、「わたしは万軍の神、主のために非常に熱心でありました。イスラエルの人々はあなたの契約を捨て、あなたの祭壇をこわし、刀であなたの預言者たちを殺したからです。ただわたしだけ残りましたが、彼らはわたしの命を取ろうとしています」。
15主は彼に言われた、「あなたの道を帰って行って、ダマスコの荒野におもむき、ダマスコに着いて、ハザエルに油を注ぎ、スリヤの王としなさい。
16またニムシの子エヒウに油を注いでイスラエルの王としなさい。またアベルメホラのシャパテの子エリシャに油を注いで、あなたに代って預言者としなさい。
17ハザエルのつるぎをのがれる者をエヒウが殺し、エヒウのつるぎをのがれる者をエリシャが殺すであろう。
18また、わたしはイスラエルのうちに七千人を残すであろう。皆バアルにひざをかがめず、それに口づけしない者である」。
19さてエリヤはそこを去って行って、シャパテの子エリシャに会った。彼は十二くびきの牛を前に行かせ、自分は十二番目のくびきと共にいて耕していた。エリヤは彼のかたわらを通り過ぎて外套を彼の上にかけた。
20エリシャは牛を捨て、エリヤのあとに走ってきて言った、「わたしの父母に口づけさせてください。そして後あなたに従いましょう」。エリヤは彼に言った、「行ってきなさい。わたしはあなたに何をしましたか」。
21エリシャは彼を離れて帰り、ひとくびきの牛を取って殺し、牛のくびきを燃やしてその肉を煮、それを民に与えて食べさせ、立って行ってエリヤに従い、彼に仕えた。
鍵となる聖句
自分は一日の道のりほど荒野にはいって行って、れだまの木の下に座し、自分の死を求めて言った、「主よ、もはや、じゅうぶんです。今わたしの命を取ってください。わたしは先祖にまさる者ではありません」。
エリヤはえにしだの木の下に座り、死を願います。聖書は、神の偉大なしもべの苦悩を隠しません。このような落胆を経験したのは、聖書の中で彼だけではありません。
彼はれだまの木の下に伏して眠ったが、天の使が彼にさわり、「起きて食べなさい」と言ったので、 起きて見ると、頭のそばに、焼け石の上で焼いたパン一個と、一びんの水があった。彼は食べ、かつ飲んでまた寝た。 主の使は再びきて、彼にさわって言った、「起きて食べなさい。道が遠くて耐えられないでしょうから」。
どんな言葉よりも先に、御使は二度、起きて食べなさいと告げます。神は体の疲れに、責めることなく優しく応えられます。道がエリヤには遠すぎるからです。
主は言われた、「出て、山の上で主の前に、立ちなさい」。その時主は通り過ぎられ、主の前に大きな強い風が吹き、山を裂き、岩を砕いた。しかし主は風の中におられなかった。風の後に地震があったが、地震の中にも主はおられなかった。 地震の後に火があったが、火の中にも主はおられなかった。火の後に静かな細い声が聞えた。
主は風の中にも、地震の中にも、火の中にもおられず、「静かな細い声」の中におられます。この箇所は、神をただ華々しいものの中にだけ探さないようにと招きます。
また、わたしはイスラエルのうちに七千人を残すであろう。皆バアルにひざをかがめず、それに口づけしない者である」。
エリヤは自分だけが残ったと思いますが、神は、バアルにひざをかがめなかった七千人を残しておられます。孤立しているという思いが、現実のすべてを語っているわけではありません。
この章に登場する人物
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説教が語っていること
列王紀上19章についてよくある質問
なぜエリヤはカルメルでの勝利のあとに逃げたのですか
イゼベルは二十四時間以内に彼を殺すと誓い、疲れ果てていたエリヤは恐れます。多くの読者は、体と心の疲労が落胆に席を譲る、激しい時期の反動をここに見ます。この物語は、神の偉大なしもべでも倒れることがあり、神はとがめることなく彼のもとに来られることを示します。
列王紀上19章12節の「静かな細い声」とはどういう意味ですか
風と地震と火のあとに、神はひそやかな息の中で現れられます。この箇所は、カルメルのように、神が華々しく働かれることを否定してはいません。しかし神がささやかな形でも語られることを思い起こさせます。壮大なしるしだけを待たず、騒音の中で神に耳を傾けるよう招いています。
自分は一人だと言うエリヤに、神は列王紀上19章でどう答えられますか
神は、バアルにひざをかがめなかった七千人をイスラエルに残しておられると告げられます。さらに、ハザエルとエヒウに油を注ぎ、エリシャを自分に代わる預言者とするという後継の務めを託されます。エリヤは一人でも、なくてはならない存在でもなく、神の使命は続いていきます。
列王紀上 19を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。