聖書 — 口語訳 (1955)

列王紀下 14

概要

列王紀下14章は、二人の王の並行する治世を語ります。ユダのアマジヤは正しいことを行いますが、徹底はできず、高き所が残ります。エドムに勝ったあと、高ぶりからイスラエルの王ヨアシに挑み、打ち負かされてエルサレムを略奪されます。アマジヤはその後、陰謀によって殺されます。イスラエルでは、神に従わなかったヤラベアム二世が、預言者ヨナの言葉によって国境を回復します。神は、苦しむ民へのあわれみから働かれたのです。

この章の4つの区分

  1. 1-7節正しいが不完全な王アマジヤと、エドムへの勝利
  2. 8-16節アマジヤの高ぶり:イスラエルのヨアシに敗れる
  3. 17-22節アマジヤの最期とアザリヤの即位
  4. 23-29節ヤラベアム二世、ヨナの言葉、そしてイスラエルの救い

1イスラエルの王エホアハズの子ヨアシの第二年に、ユダの王ヨアシの子アマジヤが王となった。

2彼は王となった時二十五歳で、二十九年の間エルサレムで世を治めた。その母はエルサレムの出身で、名をエホアダンといった。

3アマジヤは主の目にかなう事をおこなったが、先祖ダビデのようではなかった。彼はすべての事を父ヨアシがおこなったようにおこなった。

4ただし高き所は除かなかったので、民はなおその高き所で犠牲をささげ、香をたいた。

5彼は国が彼の手のうちに強くなった時、父ヨアシ王を殺害した家来たちを殺したが、

6その殺害者の子供たちは殺さなかった。これはモーセの律法の書にしるされている所に従ったのであって、そこに主は命じて「父は子のゆえに殺さるべきではない。子は父のゆえに殺さるべきではない。おのおの自分の罪のゆえに殺さるべきである」と言われている。

7アマジヤはまた塩の谷でエドムびと一万人を殺した。またセラを攻め取って、その名をヨクテルと名づけたが、今日までそのとおりである。

8そこでアマジヤがエヒウの子エホアハズの子であるイスラエルの王ヨアシに使者をつかわして、「さあ、われわれは互に顔を合わせよう」と言わせたので、

9イスラエルの王ヨアシはユダの王アマジヤに言い送った、「かつてレバノンのいばらがレバノンの香柏に、『あなたの娘をわたしのむすこの妻にください』と言い送ったことがあったが、レバノンの野獣がとおって、そのいばらを踏み倒した。

10あなたは大いにエドムを撃って、心にたかぶっているが、その栄誉に満足して家にとどまりなさい。何ゆえ、あなたは災をひき起して、自分もユダも共に滅びるような事をするのですか」。

11しかしアマジヤが聞きいれなかったので、イスラエルの王ヨアシは上ってきた。そこで彼とユダの王アマジヤはユダのベテシメシで互に顔をあわせたが、

12ユダはイスラエルに敗られて、おのおのその天幕に逃げ帰った。

13イスラエルの王ヨアシはアハジヤの子ヨアシの子であるユダの王アマジヤをベテシメシで捕え、エルサレムにきて、エルサレムの城壁をエフライムの門から隅の門まで、おおよそ四百キュビトにわたってこわし、

14また主の宮と王の家の倉にある金銀およびもろもろの器をことごとく取り、かつ人質をとってサマリヤに帰った。

15ヨアシのその他の事績と、その武勇および彼がユダの王アマジヤと戦った事は、イスラエルの王の歴代志の書にしるされているではないか。

16ヨアシはその先祖たちと共に眠って、イスラエルの王たちと共にサマリヤに葬られ、その子ヤラベアムが代って王となった。

17ヨアシの子であるユダの王アマジヤは、エホアハズの子であるイスラエルの王ヨアシが死んで後、なお十五年生きながらえた。

18アマジヤのその他の事績は、ユダの王の歴代志の書にしるされているではないか。

19時に人々がエルサレムで徒党を結び、彼に敵対したので、彼はラキシに逃げていったが、その人々はラキシに人をつかわして彼をそこで殺させた。

20人々は彼を馬に載せて運んできて、エルサレムで彼を先祖たちと共にダビデの町に葬った。

21そしてユダの民は皆アザリヤを父アマジヤの代りに王とした。時に年十六歳であった。

22彼はエラテの町を建てて、これをユダに復帰させた。これはかの王がその先祖たちと共に眠った後であった。

23ユダの王ヨアシの子アマジヤの第十五年に、イスラエルの王ヨアシの子ヤラべアムがサマリヤで王となって四十一年の間、世を治めた。

24彼は主の目の前に悪を行い、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤラベアムの罪を離れなかった。

25彼はハマテの入口からアラバの海まで、イスラエルの領域を回復した。イスラエルの神、主がガテヘペルのアミッタイの子である、そのしもべ預言者ヨナによって言われた言葉のとおりである。

26主はイスラエルの悩みの非常に激しいのを見られた。そこにはつながれた者も、自由な者もいなくなり、またイスラエルを助ける者もいなかった。

27しかし主はイスラエルの名を天が下から消し去ろうとは言われなかった。そして彼らをヨアシの子ヤラベアムの手によって救われた。

28ヤラベアムのその他の事績と、彼がしたすべての事およびその武勇、すなわち彼が戦争をした事および、かつてユダに属していたダマスコとハマテを、イスラエルに復帰させた事は、イスラエルの王の歴代志の書にしるされているではないか。

29ヤラベアムはその先祖であるイスラエルの王たちと共に眠って、その子ゼカリヤが代って王となった。

鍵となる聖句

3-4節
アマジヤは主の目にかなう事をおこなったが、先祖ダビデのようではなかった。彼はすべての事を父ヨアシがおこなったようにおこなった。 ただし高き所は除かなかったので、民はなおその高き所で犠牲をささげ、香をたいた。

アマジヤは主の目にかなう事を行いますが、ダビデのようではなく、高き所も除かれません。部分的な従順は、いつまでも残る弱点を作ります。

6節
その殺害者の子供たちは殺さなかった。これはモーセの律法の書にしるされている所に従ったのであって、そこに主は命じて「父は子のゆえに殺さるべきではない。子は父のゆえに殺さるべきではない。おのおの自分の罪のゆえに殺さるべきである」と言われている。

アマジヤは、モーセの律法に従って、父を殺した者たちの子供は殺しません。ひとりひとりが自分の罪に責任を負うのです。個人の責任という原則が浮かび上がります。

23-25節
ユダの王ヨアシの子アマジヤの第十五年に、イスラエルの王ヨアシの子ヤラべアムがサマリヤで王となって四十一年の間、世を治めた。 彼は主の目の前に悪を行い、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤラベアムの罪を離れなかった。 彼はハマテの入口からアラバの海まで、イスラエルの領域を回復した。イスラエルの神、主がガテヘペルのアミッタイの子である、そのしもべ預言者ヨナによって言われた言葉のとおりである。

これらの節は、アミッタイの子ヨナを、ヤラベアム二世のもとでイスラエルの国境の回復を告げる預言者として紹介します。のちにニネベに遣わされるのと同じヨナです。

27節
しかし主はイスラエルの名を天が下から消し去ろうとは言われなかった。そして彼らをヨアシの子ヤラベアムの手によって救われた。

神はイスラエルの名を消し去ろうとはされず、王の過ちにもかかわらずヤラベアムによって民を救われます。神の恵みは、民の功績に先立っています。

この章に登場する人物

説教が語っていること

列王紀下14章についてよくある質問

列王紀下14章のヨナとはだれですか

23節から25節は、ガテヘペルのアミッタイの子ヨナを、神の預言者として紹介します。彼の言葉によって、ヤラベアム二世はイスラエルの国境を回復します。のちに神がニネベに遣わされるのも、同じヨナです。その様子は、彼の名を冠した書に語られています。

列王紀下14章で、なぜアマジヤはヨアシに敗れるのですか

エドムに勝ったあと、アマジヤはイスラエルの王ヨアシに挑みます。ヨアシは、自分を香柏と思い込むいばらのたとえで答えます。アマジヤは聞き入れず、ベテシメシで敗れ、ヨアシはエルサレムの城壁を破ります。この章は、高ぶりをこの転落の原因として示しています。

なぜ神はヤラベアム二世によってイスラエルを救われるのですか

ヤラベアム二世は神に従いませんでしたが、本文は、主がイスラエルの悩みの非常に激しいのを見られ、その名を消し去ろうとは言われなかったと述べます。救いは、王や民の功績ではなく、神のあわれみから来ています。

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