聖書 — 口語訳 (1955)
民数記 20
概要
民数記20章の舞台は、エジプトを出てから四十年後のカデシです。ミリアムが死に、水がなくなり、民はモーセとアロンに迫ります。神はモーセに岩に命じるよう求められますが、モーセはいらだって岩を打ちます。水は湧き出ますが、モーセとアロンは約束の地に入れないことになります。次に、エドムがイスラエルの通行を拒み、イスラエルはその領地を迂回しなければなりません。章の結びはホル山でのアロンの死で、民は三十日の間彼のために泣きます。
この章の4つの区分
1イスラエルの人々の全会衆は正月になってチンの荒野にはいった。そして民はカデシにとどまったが、ミリアムがそこで死んだので、彼女をそこに葬った。
2そのころ会衆は水が得られなかったため、相集まってモーセとアロンに迫った。
3すなわち民はモーセと争って言った、「さきにわれわれの兄弟たちが主の前に死んだ時、われわれも死んでいたらよかったものを。
4なぜ、あなたがたは主の会衆をこの荒野に導いて、われわれと、われわれの家畜とを、ここで死なせようとするのですか。
5どうしてあなたがたはわれわれをエジプトから上らせて、この悪い所に導き入れたのですか。ここには種をまく所もなく、いちじくもなく、ぶどうもなく、ざくろもなく、また飲む水もありません」。
6そこでモーセとアロンは会衆の前を去り、会見の幕屋の入口へ行ってひれ伏した。すると主の栄光が彼らに現れ、
7主はモーセに言われた、
8「あなたは、つえをとり、あなたの兄弟アロンと共に会衆を集め、その目の前で岩に命じて水を出させなさい。こうしてあなたは彼らのために岩から水を出して、会衆とその家畜に飲ませなさい」。
9モーセは命じられたように主の前にあるつえを取った。
10モーセはアロンと共に会衆を岩の前に集めて彼らに言った、「そむく人たちよ、聞きなさい。われわれがあなたがたのためにこの岩から水を出さなければならないのであろうか」。
11モーセは手をあげ、つえで岩を二度打つと、水がたくさんわき出たので、会衆とその家畜はともに飲んだ。
12そのとき主はモーセとアロンに言われた、「あなたがたはわたしを信じないで、イスラエルの人々の前にわたしの聖なることを現さなかったから、この会衆をわたしが彼らに与えた地に導き入れることができないであろう」。
13これがメリバの水であって、イスラエルの人々はここで主と争ったが、主は自分の聖なることを彼らのうちに現された。
14さて、モーセはカデシからエドムの王に使者をつかわして言った、「あなたの兄弟、イスラエルはこう申します、『あなたはわたしたちが遭遇したすべての患難をご存じです。
15わたしたちの先祖はエジプトに下って行って、わたしたちは年久しくエジプトに住んでいましたが、エジプトびとがわたしたちと、わたしたちの先祖を悩ましたので、
16わたしたちが主に呼ばわったとき、主はわたしたちの声を聞き、ひとりの天の使をつかわして、わたしたちをエジプトから導き出されました。わたしたちは今あなたの領地の端にあるカデシの町におります。
17どうぞ、わたしたちにあなたの国を通らせてください。わたしたちは畑もぶどう畑も通りません。また井戸の水も飲みません。ただ王の大路を通り、あなたの領地を過ぎるまでは右にも左にも曲りません』」。
18しかし、エドムはモーセに言った、「あなたはわたしの領地をとおってはなりません。さもないと、わたしはつるぎをもって出て、あなたに立ちむかうでしょう」。
19イスラエルの人々はエドムに言った、「わたしたちは大路を通ります。もしわたしたちとわたしたちの家畜とが、あなたの水を飲むことがあれば、その価を払います。わたしは徒歩で通るだけですから何事もないでしょう」。
20しかし、エドムは「あなたは通ることはなりません」と言って、多くの民と強い軍勢とを率い、出て、これに立ちむかってきた。
21このようにエドムはイスラエルに、その領地を通ることを拒んだので、イスラエルはエドムからほかに向かった。
22こうしてイスラエルの人々の全会衆はカデシから進んでホル山に着いた。
23主はエドムの国境に近いホル山で、モーセとアロンに言われた、
24「アロンはその民に連ならなければならない。彼はわたしがイスラエルの人々に与えた地に、はいることができない。これはメリバの水で、あなたがたがわたしの言葉にそむいたからである。
25あなたはアロンとその子エレアザルを連れてホル山に登り、
26アロンに衣服を脱がせて、それをその子エレアザルに着せなさい。アロンはそのところで死んで、その民に連なるであろう」。
27モーセは主が命じられたとおりにし、連れだって全会衆の目の前でホル山に登った。
28そしてモーセはアロンに衣服を脱がせ、それをその子エレアザルに着せた。アロンはその山の頂で死んだ。そしてモーセとエレアザルは山から下ったが、
29全会衆がアロンの死んだのを見たとき、イスラエルの全家は三十日の間アロンのために泣いた。
鍵となる聖句
すなわち民はモーセと争って言った、「さきにわれわれの兄弟たちが主の前に死んだ時、われわれも死んでいたらよかったものを。 なぜ、あなたがたは主の会衆をこの荒野に導いて、われわれと、われわれの家畜とを、ここで死なせようとするのですか。 どうしてあなたがたはわれわれをエジプトから上らせて、この悪い所に導き入れたのですか。ここには種をまく所もなく、いちじくもなく、ぶどうもなく、ざくろもなく、また飲む水もありません」。
民はエジプトを懐かしみ、死なせるために上らせたのかとモーセを責めます。その不平は、昔のものとよく似ています。第二の世代も、第一の世代の反応から完全には抜け出せていませんでした。
「あなたは、つえをとり、あなたの兄弟アロンと共に会衆を集め、その目の前で岩に命じて水を出させなさい。こうしてあなたは彼らのために岩から水を出して、会衆とその家畜に飲ませなさい」。
神はモーセに、岩に命じて水を出させるよう求められます。命令は具体的でした。打つのではなく、ことばを語ることです。
そのとき主はモーセとアロンに言われた、「あなたがたはわたしを信じないで、イスラエルの人々の前にわたしの聖なることを現さなかったから、この会衆をわたしが彼らに与えた地に導き入れることができないであろう」。
神はモーセとアロンに、民の前で神を信じなかったと告げられます。二人のしもべは約束の地に入れません。本文は、神が指導者たちの従順を非常に重く見ておられることを示しています。
全会衆がアロンの死んだのを見たとき、イスラエルの全家は三十日の間アロンのために泣いた。
全会衆がアロンのために三十日の間泣きます。世代の交代には悲しみが伴います。祭司の務めは、彼の子エレアザルに引き継がれます。
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民数記20章についてよくある質問
なぜモーセは約束の地に入れないのですか
メリバで、神は岩に語るよう求められましたが、モーセは民に対していらだち、岩を打ちました。神は、イスラエルの前に神の聖なることを現すために、わたしを信じなかったと言われます。そのため、モーセとアロンは約束の地に入れません。解説者たちは従順と怒りを強調しますが、どちらを罪とするかは必ずしも一致しません。
民数記20章で岩に語るよう命じられたのはどういう意味ですか
民数記20章で、神は水を出すために岩に語るようモーセに求められます。出エジプト記17章では、岩を打つよう求められていました。今回モーセは、習慣からか怒りからか、再び打ちます。多くの人が受け取る教訓は、どの状況でも神の指示を新たに受け取るべきであり、過去の方法を繰り返してはならないということです。
民数記20章でエドムとの間に何が起こりますか
イスラエルは、何も取らず、水の代価も払うと約束して、王の大路を通る許可を求めます。エドムは断り、軍勢を率いて出てきます。イスラエルは戦わず、向きを変えます。親族である民の拒絶によって、イスラエルは長い迂回を強いられます。
民数記 20を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。