聖書 — 口語訳 (1955)

列王紀下 2

概要

列王紀下2章は、二人の預言者の間で行われるバトンの受け渡しを語ります。エリヤは天に取り去られようとしており、エリシャは、留まる機会や預言者の子らの警告があっても、エリヤのそばを離れません。ヨルダン川で水が分かれ、エリヤはつむじ風に乗って上り、エリシャは落ちた外套を拾い上げます。水を打つと、エリヤの神が自分にも働いてくださることを知ります。章の終わりでは、エリコとベテルで彼の働きが現れます。

この章の5つの区分

  1. 1-6節一つずつ進んで:エリシャはエリヤから離れない
  2. 7-12節ヨルダン川、エリヤの昇天、そしてエリシャの願い
  3. 13-18節拾い上げられた外套と、預言者の子らの承認
  4. 19-22節エリコで悪い水が清められる
  5. 23-25節ベテルでの厳しい出来事、そしてサマリヤへの帰還

1主がつむじ風をもってエリヤを天に上らせようとされた時、エリヤはエリシャと共にギルガルを出て行った。

2エリヤはエリシャに言った、「どうぞ、ここにとどまってください。主はわたしをベテルにつかわされるのですから」。しかしエリシャは言った、「主は生きておられます。またあなたも生きておられます。わたしはあなたを離れません」。そして彼らはベテルへ下った。

3ベテルにいる預言者のともがらが、エリシャのもとに出てきて彼に言った、「主がきょう、あなたの師事する主人をあなたから取られるのを知っていますか」。彼は言った、「はい、知っています。あなたがたは黙っていてください」。

4エリヤは彼に言った、「エリシャよ、どうぞ、ここにとどまってください。主はわたしをエリコにつかわされるのですから」。しかしエリシャは言った、「主は生きておられます。またあなたも生きておられます。わたしはあなたを離れません」。そして彼らはエリコへ行った。

5エリコにいた預言者のともがらが、エリシャのもとにきて彼に言った、「主がきょう、あなたの師事する主人をあなたから取られるのを知っていますか」。彼は言った、「はい、知っています。あなたがたは黙っていてください」。

6エリヤはまた彼に言った、「どうぞ、ここにとどまってください。主はわたしをヨルダンにつかわされるのですから」。しかし彼は言った、「主は生きておられます。またあなたも生きておられます。わたしはあなたを離れません」。そしてふたりは進んで行った。

7預言者のともがら五十人も行って、彼らにむかって、はるかに離れて立っていた。彼らふたりは、ヨルダンのほとりに立ったが、

8エリヤは外套を取り、それを巻いて水を打つと、水が左右に分れたので、二人はかわいた土の上を渡ることができた。

9彼らが渡ったとき、エリヤはエリシャに言った、「わたしが取られて、あなたを離れる前に、あなたのしてほしい事を求めなさい」。エリシャは言った、「どうぞ、あなたの霊の二つの分をわたしに継がせてください」。

10エリヤは言った、「あなたはむずかしい事を求める。あなたがもし、わたしが取られて、あなたを離れるのを見るならば、そのようになるであろう。しかし見ないならば、そのようにはならない」。

11彼らが進みながら語っていた時、火の車と火の馬があらわれて、ふたりを隔てた。そしてエリヤはつむじ風に乗って天にのぼった。

12エリシャはこれを見て「わが父よ、わが父よ、イスラエルの戦車よ、その騎兵よ」と叫んだが、再び彼を見なかった。そこでエリシャは自分の着物をつかんで、それを二つに裂き、

13またエリヤの身から落ちた外套を取り上げ、帰ってきてヨルダンの岸に立った。

14そしてエリヤの身から落ちたその外套を取って水を打ち、「エリヤの神、主はどこにおられますか」と言い、彼が水を打つと、水は左右に分れたので、エリシャは渡った。

15エリコにいる預言者のともがらは彼の近づいて来るのを見て、「エリヤの霊がエリシャの上にとどまっている」と言った。そして彼らは来て彼を迎え、その前に地に伏して、

16彼に言った、「しもべらの所に力の強い者が五十人います。どうぞ彼らをつかわして、あなたの主人を尋ねさせてください。主の霊が彼を引きあげて、彼を山か谷に投げたのかも知れません」。エリシャは「つかわしてはならない」と言ったが、

17彼の恥じるまで、しいたので、彼は「つかわしなさい」と言った。それで彼らは五十人の者をつかわし、三日の間尋ねたが、彼を見いださなかった。

18エリシャのなおエリコにとどまっている時、彼らが帰ってきたので、エリシャは彼らに言った、「わたしは、あなたがたに、行ってはならないと告げたではないか」。

19町の人々はエリシャに言った、「見られるとおり、この町の場所は良いが水が悪いので、この地は流産を起すのです」。

20エリシャは言った、「新しい皿に塩を盛って、わたしに持ってきなさい」。彼らは持ってきた。

21エリシャは水の源へ出て行って、塩をそこに投げ入れて言った、「主はこう仰せられる、『わたしはこの水を良い水にした。もはやここには死も流産も起らないであろう』」。

22こうしてその水はエリシャの言ったとおりに良い水になって今日に至っている。

23彼はそこからベテルへ上ったが、上って行く途中、小さい子供らが町から出てきて彼をあざけり、彼にむかって「はげ頭よ、のぼれ。はげ頭よ、のぼれ」と言ったので、

24彼はふり返って彼らを見、主の名をもって彼らをのろった。すると林の中から二頭の雌ぐまが出てきて、その子供らのうち四十二人を裂いた。

25彼はそこからカルメル山へ行き、そこからサマリヤに帰った。

鍵となる聖句

2節
エリヤはエリシャに言った、「どうぞ、ここにとどまってください。主はわたしをベテルにつかわされるのですから」。しかしエリシャは言った、「主は生きておられます。またあなたも生きておられます。わたしはあなたを離れません」。そして彼らはベテルへ下った。

エリヤはエリシャに、ここに留まるよう勧めますが、エリシャは離れないと答えます。この答えは何度も繰り返され、それより少ないもので満足しない粘り強さを示しています。

9節
彼らが渡ったとき、エリヤはエリシャに言った、「わたしが取られて、あなたを離れる前に、あなたのしてほしい事を求めなさい」。エリシャは言った、「どうぞ、あなたの霊の二つの分をわたしに継がせてください」。

昇天の前に、エリシャはエリヤの霊の二つの分を求めます。栄光を求めたのではなく、師の働きを続ける力を求めたのです。

14節
そしてエリヤの身から落ちたその外套を取って水を打ち、「エリヤの神、主はどこにおられますか」と言い、彼が水を打つと、水は左右に分れたので、エリシャは渡った。

エリシャはエリヤの外套で水を打ち、エリヤの神はどこにおられるのかと問います。奇跡は前の預言者によるのではなく、同じ神が働いておられるのです。

15節
エリコにいる預言者のともがらは彼の近づいて来るのを見て、「エリヤの霊がエリシャの上にとどまっている」と言った。そして彼らは来て彼を迎え、その前に地に伏して、

預言者の子らは、エリヤの霊がエリシャにとどまっていることを認めます。後継は、彼らが目にしたことによって確かめられます。

19節
町の人々はエリシャに言った、「見られるとおり、この町の場所は良いが水が悪いので、この地は流産を起すのです」。

エリコの人々は具体的な問題を訴えます。町は美しいのに、水が悪く、土地は不毛でした。エリシャの働きは、日常の必要に応えることから始まります。

この章に登場する人物

説教が語っていること

列王紀下2章についてよくある質問

列王紀下2章の「二つの分」とは何ですか

9節で、エリシャはエリヤの霊の二つの分を願います。これは二倍の力という意味ではなく、跡継ぎの受ける分を指します。師の働きを続ける権威を受けるということです。エリシャは自分の利益ではなく、後を継ぐ力を神に求めたのです。

なぜエリシャはエリヤから離れようとしないのですか

エリヤはギルガル、ベテル、エリコと、何度もエリシャに留まるよう勧めます。エリシャはそのたびに離れないと答えます。預言者の子らは、師が取り去られると告げますが、彼はすでに知っていて、最後までついて行こうとします。この粘り強さが、ヨルダン川で受けるものを備えました。

エリヤの外套は何を表していますか

エリヤはヨルダン川で外套を使って水を分け、取り去られるときに外套は落ちます。エリシャはそれを拾い、同じように水を打ち、エリヤの神はどこにおられるのかと問います。外套は働きの継承を象徴しますが、働かれるのは神ご自身であり、衣そのものではありません。

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