聖書 — 口語訳 (1955)

詩篇 36

概要

詩篇36篇は、主のしもべダビデの詩です。二つの姿が対比されます。まず、神を恐れる思いが目の前になく、偽りを語り、寝床の上でも悪を企てる悪しき者の姿です。ところが5節で一変し、詩人は天にまで及ぶ神のいつくしみ、翼の陰の避け所、神の家の豊かさ、いのちの泉をたたえます。最後に、高ぶりから守られるようにと祈ります。悪を見つめながらも、それに押しつぶされないための助けとなる詩篇です。

この章の4つの区分

  1. 1-4節神を恐れない者の姿
  2. 5-6節神のいつくしみ、まこと、正義
  3. 7-9節避け所、豊かさ、いのちの泉
  4. 10-12節守りを求める祈りと悪しき者の倒れ

1とがは悪しき者にむかい、その心のうちに言う。その目の前に神を恐れる恐れはない。

2彼は自分の不義があらわされないため、また憎まれないために、みずからその目でおもねる。

3その口の言葉はよこしまと欺きである。彼は知恵を得ることと、善を行う事とをやめた。

4彼はその床の上でよこしまな事をたくらみ、よからぬ道に身をおいて、悪をきらわない。

5主よ、あなたのいつくしみは天にまで及び、あなたのまことは雲にまで及ぶ。

6あなたの義は神の山のごとく、あなたのさばきは大きな淵のようだ。主よ、あなたは人と獣とを救われる。

7神よ、あなたのいつくしみはいかに尊いことでしょう。人の子らはあなたの翼のかげに避け所を得、

8あなたの家の豊かなのによって飽き足りる。あなたはその楽しみの川の水を彼らに飲ませられる。

9いのちの泉はあなたのもとにあり、われらはあなたの光によって光を見る。

10どうか、あなたを知る者に絶えずいつくしみを施し、心の直き者に絶えず救を施してください。

11高ぶる者の足がわたしを踏み、悪しき者の手がわたしを追い出すことを ゆるさないでください。

12悪を行う者はそこに倒れ、彼らは打ち伏せられて、起きあがることはできない。

鍵となる聖句

5節
主よ、あなたのいつくしみは天にまで及び、あなたのまことは雲にまで及ぶ。

ここで詩の流れが変わります。詩人は悪を見つめ続けるのではなく、限りないいつくしみとまことをたたえます。

7節
神よ、あなたのいつくしみはいかに尊いことでしょう。人の子らはあなたの翼のかげに避け所を得、

神のいつくしみは尊いものです。人は神の翼の陰に避け所を求めます。それは優しく、近くにある守りのイメージです。

9節
いのちの泉はあなたのもとにあり、われらはあなたの光によって光を見る。

いのちの泉は神のもとにあり、神の光によって私たちは光を見ます。神は恵みを与えるだけでなく、神ご自身が泉なのです。

10節
どうか、あなたを知る者に絶えずいつくしみを施し、心の直き者に絶えず救を施してください。

神を知る者と心の直き者の上に、神のいつくしみが及ぶようにという祈りです。

説教が語っていること

詩篇36篇についてよくある質問

詩篇36篇9節の「いのちの泉はあなたのもとにあり」とはどういう意味ですか

この節は、いのちが、本当の意味で、私たち自身からではなく神から来ると語っています。神のもとに来る者に神が与えてくださる糧、喜び、光のことを語っています。多くのクリスチャンはここに世の光であるイエス・キリストの予告を見ますが、詩篇の本文がそう直接語っているわけではありません。

詩篇36篇はだれが、どのような背景で書いたのですか

詩篇の表題は、これを主のしもべダビデのものとしています。ダビデの生涯の特定の出来事には触れていません。本文は、神を知らない者の邪悪さと神のいつくしみを対比させており、ダビデが不正にぶつかった多くの場面に当てはまるでしょう。

詩篇36篇はどのように祈ればよいですか

周りの悪に落胆するときは、1節から4節を読んで、目に映るものを認めましょう。次に5節から9節に移り、神に目を向けます。神のいつくしみに感謝し、翼の陰の避け所を求め、最後に11節を祈って、高ぶりから守っていただきましょう。

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