聖書 — 口語訳 (1955)

ヨシュア記 8

概要

ヨシュア記8章は、アイでの敗北とアカンの罪(7章)に続く章です。神はヨシュアを立ち上がらせます。恐れてはならない、アイはあなたの手に渡される、と。待ち伏せが整えられ、イスラエルは逃げるふりをし、町は取られて焼かれます。征服のあと、ヨシュアはエバル山に切り出していない石の祭壇を築き、女も子どもも寄留の外国人も含む全会衆の前でモーセの律法を読み上げます。この章には、勝利、従順、契約の更新が織り込まれており、厳しい箇所も含んでいます。

この章の5つの区分

  1. 1-2節神はヨシュアを立ち上がらせる:恐れてはならない
  2. 3-13節待ち伏せの計画
  3. 14-23節偽りの退却と町の攻略
  4. 24-29節アイの滅びとその後
  5. 30-35節エバル山の祭壇と律法の朗読

1主はヨシュアに言われた、「恐れてはならない、おののいてはならない。いくさびとを皆、率い、立って、アイに攻め上りなさい。わたしはアイの王とその民、その町、その地をあなたの手に授ける。

2あなたは、さきにエリコとその王にしたとおり、アイとその王とにしなければならない。ただし、ぶんどり物と家畜とは戦利品としてあなたがたのものとすることができるであろう。あなたはまず、町のうしろに伏兵を置きなさい」。

3ヨシュアは立って、すべてのいくさびとと共に、アイに攻め上ろうとして、まず大勇士三万人を選び、それを夜のうちにつかわした。

4ヨシュアは彼らに命じて言った、「あなたがたは町に向かって、町のうしろに伏せていなければならない。町を遠く離れないで、みな備えをしていなければならない。

5わたしとわたしに従う民とは皆共に、町に攻め寄せよう。そして彼らが前のようにわれわれにむかって出てくるとき、われわれは彼らの前から逃げるであろう。

6そうすれば彼らはわれわれを追って出てくるであろうから、われわれはついに彼らを町からおびき出すことができる。彼らは言うであろう、『この人々はまた前のように、われわれの前から逃げていく』。こうしてわれわれは彼らの前から逃げるであろう。

7その時、あなたがたは伏せている所から立ち上がって、町を取らなければならない。あなたがたの神、主がそれをあなたがたの手に与えられるからである。

8あなたがたが、町を取ったならば、町に火を放ち、主が命じられたようにしなければならない。わたしはこう、あなたがたに命じるのである」。

9そうしてヨシュアが彼らをつかわしたので、彼らはアイの西方、ベテルとアイの間の待ち伏せする場所に行って身を伏せた。ヨシュアはその夜、民の中に宿った。

10ヨシュアは明くる朝、早く起きて、民を集め、イスラエルの長老たちと共に、民に先立って、アイに上っていった。

11彼と共にいたいくさびとたちもみな上っていって、町の前に近づき、アイの北に陣を取った。彼らとアイの間には、一つの谷があった。

12ヨシュアはおおよそ五千人をとって、町の西方、ベテルとアイの間に、伏せておいた。

13こうして民の主力を町の北におき、しんがりを町の西においた。ヨシュアはその夜、谷の中で宿った。

14アイの王はこれを見て、すべての民と共に、急いで、早く起き、アラバに行く下り坂に進み出て、イスラエルと戦った。しかし、王は町のうしろに、すきをうかがう伏兵のおることを知らなかった。

15ヨシュアはイスラエルのすべての人々と共に、彼らに打ち破られたふりをして、荒野の方向へ逃げだしたので、

16その町の民はみな呼ばわり集まって彼らのあとを追い、ヨシュアのあとを追って町からおびき出され、

17アイにもベテルにも残っているものはひとりもなく、みな出てイスラエルのあとを追い、町を開け放して、イスラエルのあとを追った。

18その時、主はヨシュアに言われた、「あなたの手にあるなげやりを、アイの方にさし伸べなさい。わたしはその町をあなたの手に与えるであろう」。そこでヨシュアが手にしていたなげやりを、アイの方にさし伸べると、

19伏兵はたちまちその場所から立ち上がり、ヨシュアが手をのべると同時に、走って町に入り、それを取って、ただちに町に火をかけた。

20それでアイの人々が、うしろをふり返って見ると、町の焼ける煙が天に立ちのぼっていたので、こちらへもあちらへも逃げるすべがなかった。荒野へ逃げていった民も身をかえして、追ってきた者に迫った。

21ヨシュアとすべてのイスラエルびとは、伏兵が町を取り、町の焼ける煙が立ち上るのを見て、身をかえしてアイの人々を撃った。

22また町を取ったものは町を出て彼らに向かったので、彼らは、こちらとあちらとからイスラエルの中にはさまれた。こうしてイスラエルびとが彼らを撃ったので、生き残ったもの、逃げおおせたものは、ひとりもなかった。

23そしてアイの王を生けどりにして、ヨシュアのもとへ連れてきた。

24イスラエルびとは、荒野に追撃してきたアイの住民をことごとく野で殺し、つるぎをもってひとりも残さず撃ち倒してのち、皆アイに帰り、つるぎをもってその町を撃ち滅ぼした。

25その日アイの人々はことごとく倒れた。その数は男女あわせて一万二千人であった。

26ヨシュアはアイの住民をことごとく滅ぼしつくすまでは、なげやりをさし伸べた手を引っこめなかった。

27ただし、その町の家畜および、ぶんどり品はイスラエルびとが自分たちの戦利品として取った。主がヨシュアに命じられた言葉にしたがったのである。

28こうしてヨシュアはアイを焼いて、永久に荒塚としたが、それは今日まで荒れ地となっている。

29ヨシュアはまた、アイの王を夕方まで木に掛けてさらし、日の入るころ、命じて、その死体を木から取りおろし、町の門の入口に投げすて、その上に石の大塚を積み上げさせたが、それは今日まで残っている。

30そしてヨシュアはエバル山にイスラエルの神、主のために一つの祭壇を築いた。

31これは主のしもべモーセがイスラエルの人々に命じたことにもとづき、モーセの律法の書にしるされているように、鉄の道具を当てない自然のままの石の祭壇であって、人々はその上で、主に燔祭をささげ、酬恩祭を供えた。

32その所で、ヨシュアはまたモーセの書きしるした律法を、イスラエルの人々の前で、石に書き写した。

33こうしてすべてのイスラエルびとは、本国人も、寄留の他国人も、長老、つかさびと、さばきびとと共に、主の契約の箱をかくレビびとである祭司たちの前で、箱のこなたとかなたに分れて、半ばはゲリジム山の前に、半ばはエバル山の前に立った。これは主のしもべモーセがさきに命じたように、イスラエルの民を祝福するためであった。

34そして後、ヨシュアはすべての律法の書にしるされている所にしたがって、祝福と、のろいとに関する律法の言葉をことごとく読んだ。

35モーセが命じたすべての言葉のうち、ヨシュアがイスラエルの全会衆および女と子どもたち、ならびにイスラエルのうちに住む寄留の他国人の前で、読まなかったものは一つもなかった。

鍵となる聖句

1節
主はヨシュアに言われた、「恐れてはならない、おののいてはならない。いくさびとを皆、率い、立って、アイに攻め上りなさい。わたしはアイの王とその民、その町、その地をあなたの手に授ける。

7章の失敗のあと、神はヨシュアに再び恐れるなと語り、勝利を約束されます。神はしもべを退けられません。悔い改めのあと、もう一度彼を遣わされるのです。

18節
その時、主はヨシュアに言われた、「あなたの手にあるなげやりを、アイの方にさし伸べなさい。わたしはその町をあなたの手に与えるであろう」。そこでヨシュアが手にしていたなげやりを、アイの方にさし伸べると、

ヨシュアは神の命令によって、アイに向けて投げ槍を差し伸べます。この動作は待ち伏せの合図であり、勝利は戦略だけではなく、神のみことばから来ることを思い起こさせます。

30-31節
そしてヨシュアはエバル山にイスラエルの神、主のために一つの祭壇を築いた。 これは主のしもべモーセがイスラエルの人々に命じたことにもとづき、モーセの律法の書にしるされているように、鉄の道具を当てない自然のままの石の祭壇であって、人々はその上で、主に燔祭をささげ、酬恩祭を供えた。

ヨシュアは、モーセが命じたとおり、エバル山に切り出していない石の祭壇を築き、そこでいけにえをささげます。征服のあと最初にしたことは、礼拝でした。

34-35節
そして後、ヨシュアはすべての律法の書にしるされている所にしたがって、祝福と、のろいとに関する律法の言葉をことごとく読んだ。 モーセが命じたすべての言葉のうち、ヨシュアがイスラエルの全会衆および女と子どもたち、ならびにイスラエルのうちに住む寄留の他国人の前で、読まなかったものは一つもなかった。

ヨシュアは、寄留の外国人も含む全会衆の前で、律法のすべてを読み上げます。契約は公に思い起こされ、民の生活が、すべての人に聞かれるみことばの上に立っていることを示しています。

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説教が語っていること

ヨシュア記8章についてよくある質問

ヨシュア記8章は何を語っていますか

この章は、7章の失敗のあとのアイの攻略を語ります。神はヨシュアを励まし、ヨシュアは待ち伏せを整え、逃げるふりをします。町は取られ、滅ぼされます。そのあとヨシュアはエバル山に祭壇を築き、律法を石に書き写して全イスラエルの前で読み上げ、契約が新たにされます。

なぜヨシュア記8章ではイスラエルはアイに勝ち、以前は敗れたのですか

7章でイスラエルが敗れたのは、神にささげるべきものを取ったアカンの罪のためです。その罪が取り扱われると、神は恐れてはならないという約束とともにヨシュアを再び立たせられます。違いは軍隊の力というより、神への従順と依存にあります。

ヨシュア記8章の暴力はどう理解すればよいですか

このテキストは、カナン征服という独特の文脈の中で、神が命じた裁きとして、ひとつの町とその住民の滅びを描いています。クリスチャンの間でも、限定された歴史的な裁きとする見方、道徳的な難しさをそのまま受け止める見方、象徴的な読み方など、意見は分かれます。多くの人は、これらの箇所が今日の行動の模範ではないことを強調します。

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