聖書 — 口語訳 (1955)

申命記 15

概要

申命記15章は、約束の地におけるイスラエルの社会生活を定めます。七年の終わりごとに、兄弟どうしの貸し借りはゆるされます。モーセは、貧しい兄弟に対して心をかたくなにせず、手を開いて惜しまずに与えるよう命じます。また、第七年にヘブルの奴隷を自由にし、再出発できるだけのものを持たせるよう命じます。イスラエルがエジプトで奴隷であったことを覚えているからです。章は、家畜の初子を聖別するおきてで終わります。

この章の4つの区分

  1. 1-6節ゆるしの年:負債の免除
  2. 7-11節貧しい兄弟に手を開きなさい
  3. 12-18節第七年に奴隷を自由にする
  4. 19-23節聖別される家畜の初子

1あなたは七年の終りごとに、ゆるしを行わなければならない。

2そのゆるしのしかたは次のとおりである。すべてその隣人に貸した貸主はそれをゆるさなければならない。その隣人または兄弟にそれを督促してはならない。主のゆるしが、ふれ示されたからである。

3外国人にはそれを督促することができるが、あなたの兄弟に貸した物はゆるさなければならない。

4しかしあなたがたのうちに貧しい者はなくなるであろう。(あなたの神、主が嗣業として与えられる地で、あなたを祝福されるからである。)

5ただ、あなたの神、主の言葉に聞き従って、わたしが、きょう、あなたに命じることの戒めを、ことごとく守り行うとき、そのようになるであろう。

6あなたの神、主が約束されたようにあなたを祝福されるから、あなたは多くの国びとに貸すようになり、借りることはないであろう。またあなたは多くの国びとを治めるようになり、彼らがあなたを治めることはないであろう。

7あなたの神、主が賜わる地で、もしあなたの兄弟で貧しい者がひとりでも、町の内におるならば、その貧しい兄弟にむかって、心をかたくなにしてはならない。また手を閉じてはならない。

8必ず彼に手を開いて、その必要とする物を貸し与え、乏しいのを補わなければならない。

9あなたは心に邪念を起し、『第七年のゆるしの年が近づいた』と言って、貧しい兄弟に対し、物を惜しんで、何も与えないことのないように慎まなければならない。その人があなたを主に訴えるならば、あなたは罪を得るであろう。

10あなたは心から彼に与えなければならない。彼に与える時は惜しんではならない。あなたの神、主はこの事のために、あなたをすべての事業と、手のすべての働きにおいて祝福されるからである。

11貧しい者はいつまでも国のうちに絶えることがないから、わたしは命じて言う、『あなたは必ず国のうちにいるあなたの兄弟の乏しい者と、貧しい者とに、手を開かなければならない』。

12もしあなたの兄弟であるヘブルの男、またはヘブルの女が、あなたのところに売られてきて、六年仕えたならば、第七年には彼に自由を与えて去らせなければならない。

13彼に自由を与えて去らせる時は、から手で去らせてはならない。

14群れと、打ち場と、酒ぶねのうちから取って、惜しみなく彼に与えなければならない。すなわちあなたの神、主があなたを恵まれたように、彼に与えなければならない。

15あなたはかつてエジプトの国で奴隷であったが、あなたの神、主があなたをあがない出された事を記憶しなければならない。このゆえにわたしは、きょう、この事を命じる。

16しかしその人があなたと、あなたの家族を愛し、あなたと一緒にいることを望み、『わたしはあなたを離れて去りたくありません』と言うならば、

17あなたは、きりを取って彼の耳を戸に刺さなければならない。そうすれば、彼はいつまでもあなたの奴隷となるであろう。女奴隷にもそうしなければならない。

18彼に自由を与えて去らせる時には、快く去らせなければならない。彼が六年間、賃銀を取る雇人の二倍あなたに仕えて働いたからである。あなたがそうするならば、あなたの神、主はあなたが行うすべての事にあなたを祝福されるであろう。

19牛、羊の産む雄のういごは皆あなたの神、主に聖別しなければならない。牛のういごを用いてなんの仕事をもしてはならない。また羊のういごの毛を切ってはならない。

20あなたの神、主が選ばれる所で、主の前にあなたは家族と共に年ごとにそれを食べなければならない。

21しかし、その獣がもし傷のあるもの、すなわち足なえまたは、盲目など、すべて悪い傷のあるものである時は、あなたの神、主にそれを犠牲としてささげてはならない。

22町の内でそれを食べなければならない。汚れた人も、清い人も、かもしかや、雄じかと同様にそれを食べることができる。

23ただし、その血は食べてはならない。水のようにそれを地にそそがなければならない。

鍵となる聖句

1節
あなたは七年の終りごとに、ゆるしを行わなければならない。

イスラエルは七年ごとにゆるしを行い、貸主は兄弟に債務を督促することをやめました。この習わしは、貧しさが永続する罠になることを防ぎました。

7-8節
あなたの神、主が賜わる地で、もしあなたの兄弟で貧しい者がひとりでも、町の内におるならば、その貧しい兄弟にむかって、心をかたくなにしてはならない。また手を閉じてはならない。 必ず彼に手を開いて、その必要とする物を貸し与え、乏しいのを補わなければならない。

乏しい兄弟に対して心をかたくなにせず、手を閉じず、手を開いて必要なものを貸し与えます。寛大さは、具体的な戒めとして示されています。

11節
貧しい者はいつまでも国のうちに絶えることがないから、わたしは命じて言う、『あなたは必ず国のうちにいるあなたの兄弟の乏しい者と、貧しい者とに、手を開かなければならない』。

貧しい者は国のうちに絶えることがありません。だから、「手を開かなければならない」と命じられます。この節は無関心を正当化するものではなく、絶えず寛大であるべき務めの土台です。

15節
あなたはかつてエジプトの国で奴隷であったが、あなたの神、主があなたをあがない出された事を記憶しなければならない。このゆえにわたしは、きょう、この事を命じる。

イスラエルは、自分もかつてエジプトで奴隷であり、神があがない出してくださったことを思い起こして、奴隷を自由にします。受けた恵みを覚えていることが、他の人に恵みを施す力になります。

説教が語っていること

申命記15章についてよくある質問

申命記15章のゆるしの年とは何ですか

七年ごとに、貸主はイスラエルの兄弟に貸したものの取り立てをやめなければなりませんでした。この規定は、負債が長く続く奴隷状態とならず、貧しさが居座らないようにすることを目指しています。今日それをどう適用するかについて、ユダヤ人もキリスト者も議論しています。

申命記15章11節はどういう意味ですか

この節は、貧しい者は国のうちに絶えることがないので、貧しい者に手を開かなければならないと語ります。何もしないための言い訳ではなく、絶えず寛大であるようにという命令です。4節は、民が従うなら貧しい者はなくなるはずだとも述べています。

申命記15章で、自由にする奴隷に贈り物を持たせるのはなぜですか

12節から15節によれば、ヘブルの奴隷は第七年に自由にされ、から手では去りません。主人は群れや収穫の中から分け与えます。その理由は15節に示されています。イスラエルはエジプトで奴隷であり、神があがない出してくださったからです。

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