聖書 — 口語訳 (1955)
詩篇 94
概要
詩篇94篇は、あだを報いられる神、すなわち地をさばかれる方に向けた、不正への叫びです。詩人は、やもめや旅びと、みなしごを苦しめ、神は見ないと言い張る悪しき者を描きます。そして、耳を植えた方は聞かないだろうか、目を造った方は見ないだろうか、と答えます。さらに目を、試練にある信仰者に向けます。神は教え導き、その民を捨てられません。この詩篇には作者の個人的な証しもあります。思い煩いが満ちるとき、神の慰めが魂を喜ばせるのです。
この章の5つの区分
1あだを報いられる神、主よ、あだを報いられる神よ、光を放ってください。
2地をさばかれる者よ、立って 高ぶる者にその受くべき罰をお与えください。
3主よ、悪しき者はいつまで、悪しき者はいつまで勝ち誇るでしょうか。
4彼らは高慢な言葉を吐き散らし、すべて不義を行う者はみずから高ぶります。
5主よ、彼らはあなたの民を打ち砕き、あなたの嗣業を苦しめます。
6彼らはやもめと旅びとのいのちをうばい、みなしごを殺します。
7彼らは言います、「主は見ない、ヤコブの神は悟らない」と。
8民のうちの鈍き者よ、悟れ。愚かな者よ、いつ賢くなるだろうか。
9耳を植えた者は聞くことをしないだろうか、目を造った者は見ることをしないだろうか。
10もろもろの国民を懲らす者は 罰することをしないだろうか、人を教える者は知識をもたないだろうか。
11主は人の思いの、むなしいことを知られる。
12主よ、あなたによって懲らされる人、あなたのおきてを教えられる人はさいわいです。
13あなたはその人を災の日からのがれさせ、悪しき者のために穴が掘られるまで その人に平安を与えられます。
14主はその民を捨てず、その嗣業を見捨てられないからです。
15さばきは正義に帰り、すべて心の正しい者はそれに従うでしょう。
16だれがわたしのために立ちあがって、悪しき者を責めるだろうか。だれがわたしのために立って、不義を行う者を責めるだろうか。
17もしも主がわたしを助けられなかったならば、わが魂はとくに音なき所に住んだであろう。
18しかし「わたしの足がすべる」と思ったとき、主よ、あなたのいつくしみは わたしをささえられました。
19わたしのうちに思い煩いの満ちるとき、あなたの慰めはわが魂を喜ばせます。
20定めをもって危害をたくらむ悪しき支配者は あなたと親しむことができるでしょうか。
21彼らは相結んで正しい人の魂を責め、罪のない者に死を宣告します。
22しかし主はわが高きやぐらとなり、わが神はわが避け所の岩となられました。
23主は彼らの不義を彼らに報い、彼らをその悪のゆえに滅ぼされます。われらの神、主は彼らを滅ぼされます。
鍵となる聖句
あだを報いられる神、主よ、あだを報いられる神よ、光を放ってください。 地をさばかれる者よ、立って 高ぶる者にその受くべき罰をお与えください。
詩人は、神に立ち上がって裁き主となってくださいと呼びかけます。自分で正義を果たそうとはせず、不正を、全地をさばかれる方に委ねています。
耳を植えた者は聞くことをしないだろうか、目を造った者は見ることをしないだろうか。
「耳を植えた者は聞くことをしないだろうか、目を造った者は見ることをしないだろうか。」神は見ていないと言う者への答えです。造り主は、被造物のしていることを知らずにはいられません。
もしも主がわたしを助けられなかったならば、わが魂はとくに音なき所に住んだであろう。 しかし「わたしの足がすべる」と思ったとき、主よ、あなたのいつくしみは わたしをささえられました。
詩人は、神にどのように支えられたかを語ります。主の助けがなかったなら、音なき所に住んでいたでしょう。足がすべりそうになるとき、神のいつくしみがささえてくださいます。
わたしのうちに思い煩いの満ちるとき、あなたの慰めはわが魂を喜ばせます。
心に思い煩いが満ちるとき、神の慰めが魂を喜ばせます。不安について語られるときによく引用される節で、神から与えられる安らぎが描かれています。
説教が語っていること
詩篇94篇についてよくある質問
詩篇94篇はどんな意味ですか
詩篇94篇は、不正に直面したときの祈りです。詩人は、地をさばかれる神に、弱い者を苦しめる悪しき者に対して立ち上がってほしいと願います。神は見ておられ、聞いておられ、その民を捨てず、試練にある者を慰めてくださいと確信しています。神の正義を信頼して待つよう招く詩篇です。
「あだを報いられる神」とはどういう意味ですか
この言い方は、個人的で残酷な復讐のことではなく、正しさを回復する神の義を指しています。詩人は自分で復讐せず、不正を神に委ねています。この考えは新約聖書にも見られ、神の怒りに道をゆずるよう勧めています(ローマ人への手紙12章19節)。
不安の中で詩篇94篇をどのように祈ればよいですか
19節をゆっくり読み、心をざわつかせている思いを、隠さず神に申し上げます。神の慰めを求めたあと、22節を読みましょう。主はわが高きやぐらとなり、わが避け所の岩となられました。この詩篇は不安を一度に消すのではなく、それを神に委ねることを教えてくれます。
詩篇 94を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。