聖書 — 口語訳 (1955)

士師記 2

概要

士師記2章は、この書全体を貫く循環の始まりを描きます。主の使いが民の不従順を責め、民はボキムで泣きます。やがてヨシュアが死に、主を知らない世代が起こります。イスラエルは他の神々に向かい、圧迫を受け、神は士師を起こして救い出されますが、民は前よりもさらに悪い状態へ戻ってしまいます。この章は、忘れることの深刻さと、神の忍耐の両方を示しています。

この章の5つの区分

  1. 1-5節ボキムでの主の使いの叱責と、民の涙
  2. 6-10節ヨシュアの死と次の世代
  3. 11-15節イスラエルの不忠実と、そこから来る圧迫
  4. 16-19節士師たち:神は救い出し、民はまた離れる
  5. 20-23節主の怒りと、試みとして残された国々

1主の使がギルガルからボキムに上って言った、「わたしはあなたがたをエジプトから上らせて、あなたがたの先祖に誓った地に連れてきて、言った、『わたしはあなたと結んだ契約を決して破ることはない。

2あなたがたはこの国の住民と契約を結んではならない。彼らの祭壇をこぼたなければならない』と。しかし、あなたがたはわたしの命令に従わなかった。あなたがたは、なんということをしたのか。

3それでわたしは言う、『わたしはあなたがたの前から彼らを追い払わないであろう。彼らはかえってあなたがたの敵となり、彼らの神々はあなたがたのわなとなるであろう』と」。

4主の使がこれらの言葉をイスラエルのすべての人々に告げたので、民は声をあげて泣いた。

5それでその所の名をボキムと呼んだ。そして彼らはその所で主に犠牲をささげた。

6ヨシュアが民を去らせたので、イスラエルの人々はおのおのその領地へ行って土地を獲た。

7民はヨシュアの在世中も、またヨシュアのあとに生き残った長老たち、すなわち主がかつてイスラエルのために行われたすべての大いなるわざを見た人々の在世中も主に仕えた。

8こうして主のしもべヌンの子ヨシュアは百十歳で死んだ。

9人々は彼をエフライムの山地のガアシ山の北のテムナテ・ヘレスにある彼の領地内に葬った。

10そしてその時代の者もまたことごとくその先祖たちのもとにあつめられた。その後ほかの時代が起ったが、これは主を知らず、また主がイスラエルのために行われたわざをも知らなかった。

11イスラエルの人々は主の前に悪を行い、もろもろのバアルに仕え、

12かつてエジプトの地から彼らを導き出された先祖たちの神、主を捨てて、ほかの神々すなわち周囲にある国民の神々に従い、それにひざまずいて、主の怒りをひき起した。

13すなわち彼らは主を捨てて、バアルとアシタロテに仕えたので、

14主の怒りがイスラエルに対して燃え、かすめ奪う者の手にわたして、かすめ奪わせ、かつ周囲のもろもろの敵の手に売られたので、彼らは再びその敵に立ち向かうことができなかった。

15彼らがどこへ行っても、主の手は彼らに災をした。これは主がかつて言われ、また主が彼らに誓われたとおりで、彼らはひどく悩んだ。

16その時、主はさばきづかさを起して、彼らをかすめ奪う者の手から救い出された。

17しかし彼らはそのさばきづかさにも従わず、かえってほかの神々を慕ってそれと姦淫を行い、それにひざまずき、先祖たちが主の命令に従って歩んだ道を、いちはやく離れ去って、そのようには行わなかった。

18主が彼らのためにさばきづかさを起されたとき、そのさばきづかさの在世中、主はさばきづかさと共におられて、彼らを敵の手から救い出された。これは彼らが自分をしえたげ悩ました者のゆえに、うめき悲しんだので、主が彼らをあわれまれたからである。

19しかしさばきづかさが死ぬと、彼らはそむいて、先祖たちにまさって悪を行い、ほかの神々に従ってそれに仕え、それにひざまずいてそのおこないをやめず、かたくなな道を離れなかった。

20それで主はイスラエルに対し激しく怒って言われた、「この民はわたしがかつて先祖たちに命じた契約を犯し、わたしの命令に従わないゆえ、

21わたしもまたヨシュアが死んだときに残しておいた国民を、この後、彼らの前から追い払わないであろう。

22これはイスラエルが、先祖たちの守ったように主の道を守ってそれに歩むかどうかをわたしが試みるためである」。

23それゆえ主はこれらの国民を急いで追い払わずに残しておいて、ヨシュアの手にわたされなかったのである。

鍵となる聖句

2節
あなたがたはこの国の住民と契約を結んではならない。彼らの祭壇をこぼたなければならない』と。しかし、あなたがたはわたしの命令に従わなかった。あなたがたは、なんということをしたのか。

主の使いは契約を思い起こさせます。民はこの地の住民の祭壇を取りこわすはずでしたが、従いませんでした。神は、痛みを伴う叱責のような問いを投げかけておられます。

7節
民はヨシュアの在世中も、またヨシュアのあとに生き残った長老たち、すなわち主がかつてイスラエルのために行われたすべての大いなるわざを見た人々の在世中も主に仕えた。

イスラエルは、ヨシュアと長老たちが生きている間、主に仕えました。彼らは主の大いなるわざを見ていたからです。生きた信仰はまだ直接の証人に支えられていて、これが次の世代についての10節へとつながります。

10節
そしてその時代の者もまたことごとくその先祖たちのもとにあつめられた。その後ほかの時代が起ったが、これは主を知らず、また主がイスラエルのために行われたわざをも知らなかった。

主を知らず、主のなされたことも知らない世代が起こります。神を忘れることは、突然の拒絶から始まるのではなく、世代から世代への伝達が途切れることから始まります。

16-18節
その時、主はさばきづかさを起して、彼らをかすめ奪う者の手から救い出された。 しかし彼らはそのさばきづかさにも従わず、かえってほかの神々を慕ってそれと姦淫を行い、それにひざまずき、先祖たちが主の命令に従って歩んだ道を、いちはやく離れ去って、そのようには行わなかった。 主が彼らのためにさばきづかさを起されたとき、そのさばきづかさの在世中、主はさばきづかさと共におられて、彼らを敵の手から救い出された。これは彼らが自分をしえたげ悩ました者のゆえに、うめき悲しんだので、主が彼らをあわれまれたからである。

神は民を救うために士師を起こし、士師と共におられ、イスラエルのうめきをあわれまれます。この章は、神の救いが民の功績ではなく、神のあわれみから来ることを示しています。

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説教が語っていること

士師記2章についてよくある質問

士師記2章10節の、主を知らない世代とはどういう意味ですか

この節は、主も、主がイスラエルのためになされたわざも知らない世代を描いています。長老たちの信仰は受け継がれませんでした。多くの人がここに警告を読み取ります。神との関係は自動的に相続されるものではなく、御言葉、模範、そして各世代の忠実さによって伝えられるのです。

士師記2章に描かれている士師の循環とは何ですか

この章は繰り返される流れを描いています。イスラエルは主を捨てて他の神々に従い、敵の圧迫を受け、うめき、そして神が士師を起こして救い出されます。士師が死ぬと、民はまた逆戻りし、以前より悪くなることもあります。この図式は、書全体を読み解く鍵です。

なぜこの場所はボキムと呼ばれるのですか

主の使いの叱責の後、民は声をあげて泣き、この場所にボキムという名がつけられました。本文は、その悔い改めがどれほど深かったかを詳しく述べていません。続く部分は、この涙だけでは次の世代が神から離れるのを防げなかったことを示しています。

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