はじめに
あなたの祈りの生活、今どうですか。メラニー・エリスマンは、この素朴な問いかけからメッセージを始めます。これはしばしば居心地の悪さを感じさせる問いです。クリスチャン生活の最も内側の部分に触れるからです。そして彼女はもう一つ、さらに戸惑わせる問いを投げかけます。もし今日、使徒パウロがあなたのために祈るとしたら、何を祈るでしょうか。よい知らせは、それを想像する必要はないということです。パウロはエペソ人への手紙の読者のために、二つの祈りを書き残しており、その最初のもの(エペソ人への手紙1章15-23節)は、感謝、執り成し、宣言という三つの段階からなる明快なモデルです。この三つの動きを自分のものとするなら、あなた自身のために、そしてあなたの周りの人々のために祈る姿勢が変えられていきます。
メッセージの構成
1. 感謝・執り成し・宣言:三段階からなる祈り
- エペソ人への手紙1章15-23節で、パウロは単に「主よ、彼らを助けてください」で終わらせません。祈りを三つの動きに構成しています。まず神に感謝し、次に願い求め、最後にキリストの主権を宣言するのです。
- この構造は一つの教えのモデルです。祈りが目先の状況だけを求めるリストへと縮小してしまうのを防いでくれます。
- 感謝と黙想を、嘆願よりも先に置きます。私たちの問題ではなく、キリストを頂点に置くのです。
2. 第一段階:兄弟姉妹の信仰と愛のゆえに神に感謝する
- パウロはこう言います。「私は、主イエスに対するあなたがたの信仰と、すべての聖徒に対するあなたがたの愛について聞いていますので、絶えずあなたがたのことを神に感謝し」。
- パウロはエペソの人々の霊的な健やかさを感謝しています。彼らの信仰は、イエスのメッセージを受け入れたことのあかしです。彼らの愛は、その信仰が実践に移されていることを示しています。
- 自分に問いかけてみましょう。あなたは兄弟姉妹のために神に感謝していますか。彼らが誰であるかだけでなく、神が彼らの人生の中でなしてくださっていることについても。
- 人間的な反射は、まず相手の欠点に目を留め、それを「直してください」と神に願うことです。パウロはまったく逆のことをしています。まず神の御業を見出し、そして感謝するのです。
3. 第二段階:御霊が心の目を照らしてくださるように求める
- パウロは続けます。「私たちの主イエス・キリストの神、栄光の父が、神を深く知るための知恵と啓示の御霊をあなたがたに与えてくださいますように。また、あなたがたの心の目がはっきり見えるようになりますように。」
- 興味深いのは、パウロがすでに信仰と愛を持っているクリスチャンのために、知恵の御霊が与えられるようにと祈っている点です。これは「第二の祝福」でも、遅れを取り戻すためのものでもありません。すでに与えられている御霊が、すでにそこにあるものを力強く現してくださるようにという祈りなのです。
- パウロが用いたギリシャ語を直訳すると、「彼らの心の目が照らされるように」となります。聖書において心とは、単なる感情の座ではありません。それは思い、意志、感情を含む人格全体の中心です。ですからパウロは、読者の存在全体が照らされるようにと祈っているのです。
- 照らされることが求められている点は三つあります。召しの望み、相続財産の豊かさ、そして信じる者たちのために神が働かせておられる力です。
4. 御霊があなたに見せようとしていること:希望、相続財産、力
- 希望。パウロは希望をあなたの召しと結びつけています。神はあなたを新しいいのちへと召してくださいました。それは今の苦しみの先にある、来たるべき栄光を見つめるいのちです。厳しいニュースにあふれるこの世界の中で、あなたにはこの希望の啓示が必要なのです。
- 相続財産。キリストにあるあなたの新しいアイデンティティは、あなたを神の民の一員、つまり相続人としてくれます。あなたは神の目に尊いのです。この相続財産は、あなたが召された希望と直接結びついています。
- 力。パウロはこう強調します。「信じる私たちに働く、その大能の力」。神の力は遠くにある抽象的なものではなく、あなたのために、あなたに有利に働く力なのです。
- あなたはこれらの霊的な豊かさを、まだ十分に自覚していません。それは当然のことです。それらは自分の努力で生み出せる天的な宝ではないからです。心の目を開いてくださる御霊が必要です。謙虚に求め、信仰の大胆さをもって願う心が必要なのです。
5. 第三段階:キリストの勝利を宣言する
- パウロは神の力について語るとき、それを説明せずにはいられません。彼はこの力の三つの歴史的な証拠を挙げます。復活、昇天、そして教会です。
- 復活。神はイエスをよみがえらせました。ですが、それはラザロをよみがえらせたのとは違います(ラザロは再び死にました)。イエスは、その復活が死に対する決定的な勝利となった、宇宙で唯一の存在です。そしてパウロは、その力があなたのために用意されていると言っているのです。
- 昇天。イエスはよみがえられただけでなく、神は彼を最も高い場所、ご自分の右の座に上げられました。彼はすべての支配、権威、権力、主権、そして呼ばれるすべての名の上におられます。エペソでは、名を呼んで呼び出す霊的な力への恐れがありました。パウロは、キリストがその上にさえ君臨しておられることを思い起こさせています。
- 教会。神の力の最後の現れは、あなたとあなたの仲間たちです。復活とイエスの宇宙的な支配の後にこれが来るのは、意外に思えるかもしれません。しかし神は、キリストにその体である教会を与え、キリストをその頭とされました。ジョン・ストットが述べているように、教会とはキリストの支配が展開される舞台なのです。
6. 今週のチャレンジ:一人を選び、パウロのように祈る
- メラニー・エリスマンは具体的なチャレンジを投げかけます。今週、教会から一人だけを選び、パウロのやり方で、その人のために継続して祈ってみましょう。
- 神がその人の人生ですでになさっていることを感謝しましょう。そして信仰をもって、その人の目が開かれ、希望を見出し、用意されている相続財産の広がりを悟り、神の力を経験できるようにと求めましょう。
- そして、その人の人生にキリストが支配してくださり、キリストの満ち満ちたさまがますます現されるようにと宣言しましょう。
- 教会がこのように「御国が来ますように」と祈るとき、物事が動き始めます。聖霊はこうした祈りを愛しておられます。神の国をもたらすことこそ、聖霊が待ち望んでおられることなのです。
まとめのポイント
- パウロのように祈るとは、感謝、願い、宣言という三つの段階を連ねることです。そのどれ一つも欠けてはなりません。
- 感謝は常に最初に来ます。他者を変えてほしいと神に求める前に、神がすでにその人の人生でなさっていることを見出し、感謝しましょう。
- パウロの中心的な願いは、状況の変化ではなく、心が照らされることです。あなたがキリストにあってすでに持っている希望、相続財産、力を見るためです。
- あなたのために働く力は、キリストをよみがえらせ、あらゆる権威の上に座らせた力です。あなたに逆らって呼び出されるどんな力も、その高さには及びません。
- あなたが属する教会は、キリストの支配が展開される舞台です。あなたの祈りは、その物語の中で立場をとる礼拝の行為なのです。
実践への適用
- 兄弟姉妹のために祈るとき、あなたは何から始めますか。その人について気になる点からですか、それとも神がすでにその人の人生でなさっていることからですか。今週から何を変えられるでしょうか。
- パウロの祈りの三つの点(希望、相続財産、力)のうち、今のあなたに最も欠けているのはどれですか。まさにその点について御霊が照らしてくださるよう、思い切って求めてみましょう。
- 今週のチャレンジのために、教会の誰を選びますか。その人の名前を書き留め、パウロの三段階に沿って毎日祈りましょう。
- あなたの祈りは、状況が変わることを求めるだけに留まっていませんか。それとも、キリストの支配を宣言することも含んでいますか。今日、声に出して「御国が来ますように」と言う時間を持ちましょう。
- 仕事、健康、家族、時事の中で、あなたが恐れている「権力」や「力」はありますか。キリストが呼び出されるすべての名の上におられることを思い出し、祈りの中でそれを宣言しましょう。
引用された聖句
よくある質問
エペソ人への手紙1章15-23節にある使徒パウロのように祈るとはどういうことですか。
パウロのように祈るとは、一つの祈りの中に三つの段階を組み込むことです。まず感謝。何かを求める前に、兄弟姉妹の人生ですでに神がなしてくださったことを感謝します。次に執り成し。御霊が心の目を照らし、あなたが召された希望、相続財産の豊かさ、そしてあなたのために働く神の力を深く悟らせてくださるよう求めます。最後に宣言。よみがえられたキリストが、あらゆる支配、権力、そして呼ばれるすべての名の上に座しておられることを言い表します。これらの三つの動きこそ、パウロがエペソの人々の前で展開したものであり、メラニー・エリスマンはこれをあなた自身の祈りの生活のためのモデルとして示しています。
「心の目が照らされる」とはどういう意味ですか。
パウロが用いたギリシャ語において、心とは、頭と心、理性と感情を対立させる現代的な考え方のように、単なる感情の座ではありません。聖書における心とは、あなたの思い、意志、感情が一つに合わさる、人格全体の中心を指します。心の目が照らされるようにと祈ることは、あなたの存在全体が御霊によって照らされ、あなたがキリストにあってすでに受け取っているものを内側から理解できるようにと願うことです。それは頭でわかる知識から、イエスが誰であるか、そして彼があなたに何を与えてくださったかを、個人的に、実際に、経験として知る知識へと変わっていくことなのです。
今週、具体的に兄弟姉妹のためにどう祈ればよいですか。
メラニー・エリスマンが提案するチャレンジはこうです。教会の中から一人だけを選んでください。毎日、パウロの三段階に沿ってその人のために祈りましょう。まず、神がその人の人生ですでになさっていること。信仰、愛、あなたが見出す実。を感謝することから始めます。そして、御霊がその人の心の目を開き、召しの望み、相続財産の豊かさ、その人のために働く神の力を見せてくださるよう、信仰をもって求めます。最後に、その人の人生とその週にキリストが支配してくださることを宣言します。このシンプルなチャレンジは、状況ばかりに目を向けた祈りから抜け出させ、あなたの大切な人の霊的な成長のために執り成すことを教えてくれます。
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