要約
セム、ハム、ヤペテはノアの三人の息子です。三人は父とともに箱舟に入って洪水を生き延び、その子孫が全地に広がったと聖書は記します(創世記9章19節)。ノアが酔った後、ハムは父の裸を見て兄弟に告げ、セムとヤペテは後ろ向きに歩いて父を覆いました。創世記10章は三人から出た諸国民を記し、セムの系統からヘベル、そしてアブラムが生まれます。
セム、ハム、ヤペテという名前の意味
セムは「名」を意味するヘブル語と結びつけて理解されるのが一般的です。ハムは熱を思わせる語根と関連づけられることがありますが、確かではありません。ヤペテについては、ノアの祝福の中で聖書自身が言葉遊びをしており、「広げる」という動詞が彼の名と似た響きを持ちます(創世記9章27節)。
セム、ハム、ヤペテの生涯
正しい人の三人の息子
創世記6章9-10節ノアは自分の時代において正しく、全き人でした。彼にはセム、ハム、ヤペテの三人の息子が生まれます。地が暴虐で満ちると、神はノアに箱舟を造るよう命じられ、洪水が始まる日、三人は父と母、それぞれの妻とともに箱舟に入りました(創世記7章13節)。神とともに歩んだ父のそばで、三人はさばきを免れたのです。
箱舟を出て祝福を受ける
創世記9章1-19節洪水の後、神はノアとその息子たちを祝福し、生み、ふえて、地に満ちるよう命じられました。また、二度と洪水で地を滅ぼさないという契約を立て、雲の中の虹をそのしるしとされました。セム、ハム、ヤペテは父とともにこの約束を受け、聖書は、この三人の子孫が全地に広がったと強調しています。
ノアの裸
創世記9章20-23節ノアはぶどう畑を作り、ぶどう酒に酔って天幕の中で裸になりました。カナンの父ハムは父の裸を見て、外にいた二人の兄弟に告げます。セムとヤペテは着物を取って肩にかけ、後ろ向きに歩いて父を覆い、父の裸を見ませんでした。一人は恥をさらし、二人は敬意をもってそれを覆ったのです。
息子たちについてのノアの言葉
創世記9章24-27節酔いからさめたノアは、末の息子がしたことを知ります。彼ののろいはハム自身ではなく、ハムの子カナンに向けられました。続いてノアはセムの神である主をほめたたえ、神がヤペテの領土を広げ、ヤペテがセムの天幕に住むようにと願います。この言葉は、セムの系統が持つ特別な位置を示しています。
諸国民の父たち
創世記10章1-32節創世記10章は三人の子孫を列挙します。ヤペテからはゴメル、マゴグ、ヤワンなどと海沿いの諸国民、ハムからはクシュ、ミツライム、プテ、カナン、そしてバベルで王となったニムロデが出ます。セムからはエラム、アッシュル、アルパクシャデ、ルデ、アラムが出て、ヘベルへと続きます。洪水の後の諸国民は、ここから分かれ出たと結ばれます。
セムからアブラムへ
創世記11章10-26節聖書は続いてセムの歴史を記します。セムは百歳でアルパクシャデを生み、それは洪水の二年後でした。系図は世代ごとに下り、アブラムの父テラに至ります。神はこの系統からアブラハムを選び、彼を通して地のすべての氏族を祝福されます。ルカの福音書3章36節も、セムをイエスの先祖の一人に数えています。
セム、ハム、ヤペテから学ぶこと
- 両親を敬うとは、弱さを暴くのではなく、敬意をもって覆うことでもあります。セムとヤペテがそうしたようにです。
- 他人の過ちをどう語るかは、あなたの心を表します。ハムは覆えたはずのことを外に告げました。
- 神は世代を越えて約束を守られます。セムの系統はアブラハムへ、そしてイエスへと続きます。
- すべての国民は一つの家族から出ており、福音がすべての民に向けられていることを思い起こさせます。
鍵となる聖句
セムとヤペテは着物を肩にかけ、後ろ向きに歩いて父を覆い、裸を見ませんでした。倒れた父への、具体的な敬意と配慮の行いです。
ノアはセムの神である主をほめたたえ、神がヤペテの領土を広げるよう願います。この言葉は、神のご計画におけるセムの系統の位置を示します。
ノアの子孫の系図の結びで、洪水の後に地上に広がった諸国民はここから出たと述べます。全人類は同じ起源を共有しているのです。
セム、ハム、ヤペテについての説教
よくある質問
セム、ハム、ヤペテとは誰ですか。
ノアの三人の息子です(創世記5章32節)。妻たちとともに箱舟に入って洪水を生き延び、父とともに神の祝福と契約を受けました(創世記9章1-17節)。聖書は彼らの子孫が全地に広がったと述べ、創世記10章が三人から出た諸国民を記しています。
なぜノアはハムではなくカナンをのろったのですか。
聖書は理由を説明していません。ハムが父の裸を見て兄弟に告げ、目覚めたノアがハムの子カナンをのろったと記すだけです(創世記9章22-25節)。こののろいはカナンに向けられたもので、他の民族の奴隷化を正当化するために用いるのは、聖書の本文に反する読み方です。
セム、ハム、ヤペテの話は聖書のどこにありますか。
創世記5章32節、6章10節、7章13節に登場し、洪水の後の創世記9章18-27節の記事の中心になります。創世記10章に子孫の一覧があり、創世記11章10-26節はセムの系統をテラとアブラムまでたどります。歴代誌上1章4節も系図で三人の名を挙げています。