要約
ヘロデ・アンティパスは、福音書では単に領主ヘロデと呼ばれ、イエスの時代にガリラヤを治めた人物です。兄弟の妻ヘロデヤのことでバプテスマのヨハネに責められ、ヨハネを牢に閉じ込めました。ヨハネの話を喜んで聞きましたが、宴会での誓いのためにヨハネを斬首させます。のちにイエスのうわさを聞いて会いたがり、裁判の際にピラトがイエスを送ると、質問してもイエスが答えないので、嘲ってピラトに送り返しました。真理を聞いても従わない人の姿を示します。
ヘロデ・アンティパスという名前の意味
ヘロデという名前はギリシア語の名で、ヒーローを意味する語と結びつけられるのが一般的ですが、聖書はこの名前を説明していません。福音書はこの人物をヘロデという名と、領主という肩書きで呼びます(ルカの福音書3章19節、9章7節)。アンティパスは歴史が伝える呼び名です。
ヘロデ・アンティパスの生涯
ヨハネに責められた領主
ルカの福音書3章19-20節、マルコの福音書6章17-18節領主ヘロデは、兄弟の妻ヘロデヤのこと、また行ったすべての悪事のことで、バプテスマのヨハネに責められました。彼はそれらに加えて、ヨハネを牢に閉じ込めます。ヨハネは、あなたが兄弟の妻を自分のものにするのは不法だと言っていました。
宴会と皿に載せられた首
マルコの福音書6章19-29節ヘロデヤはヨハネを殺したがりましたが、ヘロデは彼が正しい聖なる人だと知って恐れ、保護し、話を喜んで聞いていました。誕生日の宴会でヘロデヤの娘が王を喜ばせ、望むものを与えると誓います。母に言われた娘はヨハネの首を求め、ヘロデは悲しみつつも誓いのために断れませんでした。
イエスに興味を持つ
ルカの福音書9章7-9節領主ヘロデは起こっているすべてのことを聞き、困惑しました。ヨハネがよみがえったと言う人も、エリヤが現れたと言う人もいたからです。ヘロデは、ヨハネは私が首をはねた、こんなうわさの人はいったい誰だろうと言い、イエスに会いたいと思っていました。
ヘロデの前でのイエスの沈黙
ルカの福音書23章6-12節ピラトはイエスがガリラヤ人だと知り、エルサレムにいたヘロデのもとへ送ります。ヘロデは何かしるしを見たいと期待して喜び、多くの質問をしましたが、イエスは何もお答えになりませんでした。ヘロデは兵士たちとイエスを侮辱し、嘲ってピラトに送り返します。この日、二人は友人になりました。
ヘロデ・アンティパスから学ぶこと
- 真理を喜んで聞くだけでは足りません。ヘロデはヨハネの話を好みましたが、生き方は変わりませんでした。
- 軽はずみな誓いや、客の前での体面への恐れは、重大な不正を招くことがあります。
- イエスへの好奇心は信仰ではありません。ヘロデは救い主ではなく、しるしを望みました。
- ヘロデの前でのイエスの沈黙は、真理を軽んじる者には与えられないことを示しています。
鍵となる聖句
ヘロデはヨハネが正しい聖なる人だと知って恐れ、保護し、話を聞いては当惑しながらも喜んで耳を傾けていました。従うことのない聞き方の例です。
ヘロデは多くのことを尋ねましたが、イエスは何もお答えになりませんでした。見せ物を期待し、従おうとしない相手の前で、イエスは沈黙を守られたのです。
この日、ヘロデとピラトは、それまで互いに敵対していたのに友人になりました。二人の権力者はイエスを王と認めないまま、イエスが裁かれる日に結びついたのです。
ヘロデ・アンティパスについての説教
よくある質問
聖書のヘロデ・アンティパスとは誰ですか。
ヘロデ・アンティパスはイエスの時代のガリラヤの領主です(ルカの福音書3章19節、9章7節)。バプテスマのヨハネを投獄し斬首させました(マルコの福音書6章17-29節)。裁判の際、ピラトがイエスを彼のもとへ送り、ヘロデはイエスを嘲って送り返しました(ルカ23章6-12節)。
ヘロデ・アンティパスはヘロデ大王と同じ人ですか。
いいえ、別人です。ヘロデ大王はイエスが生まれたときのユダヤの王です(マタイの福音書2章)。ヘロデ・アンティパスは、のちのイエスとヨハネの働きの時代にガリラヤを治めた人物で、歴史はヘロデ大王の子だと伝えています。
ヘロデ・アンティパスの話は聖書のどこにありますか。
ヨハネの死はマルコの福音書6章14-29節にあります。ほかに、ルカの福音書3章19-20節、9章7-9節、そして何よりイエスが彼の前に立ち、ピラトに送り返される23章6-12節に記されています。