要約
モーセは、神がイスラエルをエジプトの奴隷状態から救い出すために用いた預言者です。一般的な目安では紀元前1400年ごろの人物とされます。幼くして救われ、ファラオの家で育ち、荒野で羊飼いとなり、80歳で燃える柴の前で召されました。民を導いて海を渡り、シナイで律法を受け、約束の地を目前に世を去りました。主と顔と顔を合わせて知られた人でした。
モーセという名前の意味
名前は、引き出すことを意味するヘブル語に結びつけられます。出エジプト記2章10節は、ファラオの娘が水から引き出したのでモーセと名づけたと説明しています。
モーセの生涯
水から救われた幼子
出エジプト記2章1-10節ファラオはヘブル人の男の子をナイル川に投げ込むよう命じます。母は三か月隠したのち、幼子を葦の間のかごに置きました。ファラオの娘が見つけて引き取り、モーセと名づけます。実の母が乳母となりました。
燃える柴
出エジプト記3章1-14節モーセがホレブでエテロの群れを飼っていると、柴が燃えているのに燃え尽きません。神は名を呼んで彼を召し、民の苦しみを見たと告げ、ファラオのもとへ遣わします。ためらうモーセに、わたしはあなたとともにいると答え、ご自身を「わたしはある」という方として示されました。
海を渡る
出エジプト記14章10-31節ファラオの軍勢に追われ、民は軍隊と海の間で恐れて叫びます。モーセは、主があなたがたのために戦われると答えました。神の命令で手を差し伸ばすと海が分かれ、イスラエルは乾いた地を渡り、エジプト軍は海にのまれました。
シナイの律法
出エジプト記20章1-17節シナイで神は、まずエジプトから導き出したことを思い起こさせ、十戒を語られます。唯一の神、安息日、父母を敬うこと、殺人、姦淫、盗み、偽証、むさぼりの禁止など、神と隣人をどう愛するかを示す言葉です。
ネボ山での死
申命記34章1-8節モーセはネボ山に登り、主は約束の地を見せてくださいますが、彼はそこに入れません。モーセは120歳でそこで世を去り、目はかすんでいませんでした。イスラエルの人々は30日間泣き、知恵の霊に満ちたヨシュアが後を継ぎます。
モーセから学ぶこと
- 神は、自分はもう終わったと思う80歳の人にも、名を呼んで語りかけられます。
- 不可能に思えるとき、あなたとともにいるという神の約束は、私たちの力にまさります。
- 神は民のために戦われます。私たちには、静かにして主に信頼することが求められます。
- 律法は恵みから始まります。神がまず救い出し、そのあとで自由に生きる道を示されます。
鍵となる聖句
神はご自身を、モーセに「わたしはある」という方として示されます。この名は神の変わらない臨在を表し、民が使命に信頼する土台となります。
新約聖書はモーセの選択を振り返ります。エジプトでの特権を退け、神の民とともに苦しむことを選び、報いを見据えたのです。
主が顔と顔を合わせて知っておられたモーセのような預言者は、イスラエルに再び起こりませんでした。旧約におけるモーセの独自の位置を示す言葉です。
モーセについての説教
よくある質問
なぜ神はモーセを選ばれたのですか。
聖書が示すのは報酬ではなく、神の選びです。神はイスラエルの苦しみを見てモーセを遣わしました。自分は何者かと尋ねるモーセに、神は資質を誇らず、わたしがあなたとともにいると臨在を約束されました。
モーセという名前にはどんな意味がありますか。
名前は、引き出すという意味のヘブル語の動詞に結びつけられます。出エジプト記2章10節は、ファラオの娘が、水から引き出したので彼をモーセと名づけたと説明しています。
モーセの物語は聖書のどこにありますか。
出エジプト記2章から始まり、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記と続き、申命記34章の死まで描かれます。新約聖書にもたびたび登場し、特にヘブル人への手紙11章が重要です。