聖書 — 口語訳 (1955)
出エジプト記 6
概要
出エジプト記6章は、パロとの最初の会見が失敗に見え、ヘブル人の状況がかえって悪化した後の場面です。神はモーセに、ご自分が何者であるかを語られます。アブラハム、イサク、ヤコブと契約を結ばれた主です。そして一人称の約束の連続で、これから行われることを告げます。しかし、奴隷の務めに押しつぶされた民は、モーセに聞き従いません。章は、モーセとアロンをイスラエルの諸氏族の中に位置づける系図で終わります。
この章の5つの区分
1主はモーセに言われた、「今、あなたは、わたしがパロに何をしようとしているかを見るであろう。すなわちパロは強い手にしいられて、彼らを去らせるであろう。否、彼は強い手にしいられて、彼らを国から追い出すであろう」。
2神はモーセに言われた、「わたしは主である。
3わたしはアブラハム、イサク、ヤコブには全能の神として現れたが、主という名では、自分を彼らに知らせなかった。
4わたしはまたカナンの地、すなわち彼らが寄留したその寄留の地を、彼らに与えるという契約を彼らと立てた。
5わたしはまた、エジプトびとが奴隷としているイスラエルの人々のうめきを聞いて、わたしの契約を思い出した。
6それゆえ、イスラエルの人々に言いなさい、『わたしは主である。わたしはあなたがたをエジプトびとの労役の下から導き出し、奴隷の務から救い、また伸べた腕と大いなるさばきをもって、あなたがたをあがなうであろう。
7わたしはあなたがたを取ってわたしの民とし、わたしはあなたがたの神となる。わたしがエジプトびとの労役の下からあなたがたを導き出すあなたがたの神、主であることを、あなたがたは知るであろう。
8わたしはアブラハム、イサク、ヤコブに与えると手を挙げて誓ったその地にあなたがたをはいらせ、それを所有として、与えるであろう。わたしは主である』と」。
9モーセはこのようにイスラエルの人々に語ったが、彼らは心の痛みと、きびしい奴隷の務のゆえに、モーセに聞き従わなかった。
10さて主はモーセに言われた、
11「エジプトの王パロのところに行って、彼がイスラエルの人々をその国から去らせるように話しなさい」。
12モーセは主にむかって言った、「イスラエルの人々でさえ、わたしの言うことを聞かなかったのに、どうして、くちびるに割礼のないわたしの言うことを、パロが聞き入れましょうか」。
13しかし、主はモーセとアロンに語って、イスラエルの人々と、エジプトの王パロのもとに行かせ、イスラエルの人々をエジプトの地から導き出せと命じられた。
14彼らの先祖の家の首長たちは次のとおりである。すなわちイスラエルの長子ルベンの子らはハノク、パル、ヘヅロン、カルミで、これらはルベンの一族である。
15シメオンの子らはエムエル、ヤミン、オハデ、ヤキン、ゾハル、およびカナンの女から生れたシャウルで、これらはシメオンの一族である。
16レビの子らの名は、その世代に従えば、ゲルション、コハテ、メラリで、レビの一生は百三十七年であった。
17ゲルションの子らの一族はリブニとシメイである。
18コハテの子らはアムラム、イヅハル、ヘブロン、ウジエルで、コハテの一生は百三十三年であった。
19メラリの子らはマヘリとムシである。これらはその世代によるレビの一族である。
20アムラムは父の妹ヨケベデを妻としたが、彼女はアロンとモーセを彼に産んだ。アムラムの一生は百三十七年であった。
21イヅハルの子らはコラ、ネペグ、ジクリである。
22ウジエルの子らはミサエル、エルザパン、シテリである。
23アロンはナションの姉妹、アミナダブの娘エリセバを妻とした。エリセバは彼にナダブ、アビウ、エレアザル、イタマルを産んだ。
24コラの子らはアッシル、エルカナ、アビアサフで、これらはコラびとの一族である。
25アロンの子エレアザルはプテエルの娘のひとりを妻とした。彼女はピネハスを彼に産んだ。これらは、その一族によるレビびとの先祖の家の首長たちである。
26主が、「イスラエルの人々をその軍団に従って、エジプトの地から導き出しなさい」と言われたのは、このアロンとモーセである。
27彼らはイスラエルの人々をエジプトから導き出すことについて、エジプトの王パロに語ったもので、すなわちこのモーセとアロンである。
28主がエジプトの地でモーセに語られた日に、
29主はモーセに言われた、「わたしは主である。わたしがあなたに語ることは、みなエジプトの王パロに語りなさい」。
30しかしモーセは主にむかって言った、「ごらんのとおり、わたしは、くちびるに割礼のない者です。パロがどうしてわたしの言うことを聞きいれましょうか」。
鍵となる聖句
主はモーセに言われた、「今、あなたは、わたしがパロに何をしようとしているかを見るであろう。すなわちパロは強い手にしいられて、彼らを去らせるであろう。否、彼は強い手にしいられて、彼らを国から追い出すであろう」。
神はモーセの苦悩に、パロに対してこれから行うことを告げて答えられます。強い手に迫られて、パロは民を去らせます。パロに強いるのは神ご自身の力ある御手です。
わたしはまた、エジプトびとが奴隷としているイスラエルの人々のうめきを聞いて、わたしの契約を思い出した。
神はイスラエルのうめきを聞き、契約を思い出されたと言われます。これは忘れていたという意味ではありません。神がついに、先祖たちにした約束のとおりに動き出されるということです。
それゆえ、イスラエルの人々に言いなさい、『わたしは主である。わたしはあなたがたをエジプトびとの労役の下から導き出し、奴隷の務から救い、また伸べた腕と大いなるさばきをもって、あなたがたをあがなうであろう。
救いの約束が次々と、すべて一人称で語られます。導き出し、救い、あがなう。救いは神ご自身のわざとして示されています。
わたしはあなたがたを取ってわたしの民とし、わたしはあなたがたの神となる。わたしがエジプトびとの労役の下からあなたがたを導き出すあなたがたの神、主であることを、あなたがたは知るであろう。
「わたしはあなたがたを取ってわたしの民とし、わたしはあなたがたの神となる」。これは契約の定式です。救い出されることには関係という目的があります。神のものとなり、神を知ることです。
モーセはこのようにイスラエルの人々に語ったが、彼らは心の痛みと、きびしい奴隷の務のゆえに、モーセに聞き従わなかった。
民は心の痛みときびしい奴隷の務めのゆえに聞き従いませんでした。苦しみは、良い知らせに対してさえ耳を閉ざさせることがあると、本文は認めています。
この章に登場する人物
説教が語っていること
出エジプト記6章についてよくある質問
出エジプト記6章7節はどういう意味ですか
神は、わたしはあなたがたを取ってわたしの民とし、わたしはあなたがたの神となる、と言われます。これは契約の中心的な定式です。神はイスラエルをエジプトから導き出すことだけでなく、関係を約束されています。神のものとなり、神を知ることです。奴隷の状態からの救いには、神と共に生きるという目的があります。
出エジプト記6章6節から8節にある神の約束は何ですか
神は、イスラエルをエジプト人の労役の下から導き出し、奴隷の務めから救い、伸べた腕をもってあがなうと告げられます。さらに、彼らを取ってご自分の民とし、ご自分が彼らの神となり、アブラハム、イサク、ヤコブに誓った地へ入らせると付け加えられます。
なぜ民は出エジプト記6章9節でモーセの言うことを聞かなかったのですか
本文が理由を示しています。心の痛みときびしい奴隷の務めのために、聞くことができなかったのです。パロへの最初の働きかけの後、彼らの負担は重くなっていました。この節は、苦難が神の約束を聞き取る妨げになることがあっても、その約束の価値が減るわけではないことを思い起こさせます。
出エジプト記 6を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。