聖書 — 口語訳 (1955)
出エジプト記 18
概要
出エジプト記18章では、ミデアンの祭司でモーセのしゅうとであるエテロが、モーセの妻と二人の子を連れて荒野のモーセのもとを訪ねます。エテロは、神がイスラエルのためにされたことを聞き、主がすべての神々にまさって大いなる方であることを認め、犠牲をささげます。翌日、モーセがひとりで朝から晩まで民をさばいているのを見て、有能な人たちと務めを分かち合うよう助言します。モーセはそれに耳を傾け、民を千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長に組織します。
この章の3つの区分
1さて、モーセのしゅうと、ミデアンの祭司エテロは、神がモーセと、み民イスラエルとにされたすべての事、主がイスラエルをエジプトから導き出されたことを聞いた。
2それでモーセのしゅうと、エテロは、さきに送り返されていたモーセの妻チッポラと、
3そのふたりの子とを連れてきた。そのひとりの名はゲルショムといった。モーセが、「わたしは外国で寄留者となっている」と言ったからである。
4ほかのひとりの名はエリエゼルといった。「わたしの父の神はわたしの助けであって、パロのつるぎからわたしを救われた」と言ったからである。
5こうしてモーセのしゅうと、エテロは、モーセの妻子を伴って、荒野に行き、神の山に宿営しているモーセの所にきた。
6その時、ある人がモーセに言った、「ごらんなさい。あなたのしゅうと、エテロは、あなたの妻とそのふたりの子を連れて、あなたの所にこられます」。
7そこでモーセはしゅうとを出迎えて、身をかがめ、彼に口づけして、互に安否を問い、共に天幕にはいった。
8そしてモーセは、主がイスラエルのために、パロとエジプトびととにされたすべての事、道で出会ったすべての苦しみ、また主が彼らを救われたことを、しゅうとに物語ったので、
9エテロは主がイスラエルをエジプトびとの手から救い出して、もろもろの恵みを賜わったことを喜んだ。
10そしてエテロは言った、「主はほむべきかな。主はあなたがたをエジプトびとの手と、パロの手から救い出し、民をエジプトびとの手の下から救い出された。
11今こそわたしは知った。実に彼らはイスラエルびとにむかって高慢にふるまったが、主はあらゆる神々にまさって大いにいますことを」。
12そしてモーセのしゅうとエテロは燔祭と犠牲を神に供え、アロンとイスラエルの長老たちもみなきて、モーセのしゅうとと共に神の前で食事をした。
13あくる日モーセは座して民をさばいたが、民は朝から晩まで、モーセのまわりに立っていた。
14モーセのしゅうとは、彼がすべて民にしていることを見て、言った、「あなたが民にしているこのことはなんですか。あなたひとりが座し、民はみな朝から晩まで、あなたのまわりに立っているのはなぜですか」。
15モーセはしゅうとに言った、「民が神に伺おうとして、わたしの所に来るからです。
16彼らは事があれば、わたしの所にきます。わたしは相互の間をさばいて、神の定めと判決を知らせるのです」。
17モーセのしゅうとは彼に言った、「あなたのしていることは良くない。
18あなたも、あなたと一緒にいるこの民も、必ず疲れ果てるであろう。このことはあなたに重過ぎるから、ひとりですることができない。
19今わたしの言うことを聞きなさい。わたしはあなたに助言する。どうか神があなたと共にいますように。あなたは民のために神の前にいて、事件を神に述べなさい。
20あなたは彼らに定めと判決を教え、彼らの歩むべき道と、なすべき事を彼らに知らせなさい。
21また、すべての民のうちから、有能な人で、神を恐れ、誠実で不義の利を憎む人を選び、それを民の上に立てて、千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長としなさい。
22平素は彼らに民をさばかせ、大事件はすべてあなたの所に持ってこさせ、小事件はすべて彼らにさばかせなさい。こうしてあなたを身軽にし、あなたと共に彼らに、荷を負わせなさい。
23あなたが、もしこの事を行い、神もまたあなたに命じられるならば、あなたは耐えることができ、この民もまた、みな安んじてその所に帰ることができよう」。
24モーセはしゅうとの言葉に従い、すべて言われたようにした。
25すなわち、モーセはすべてのイスラエルのうちから有能な人を選んで、民の上に長として立て、千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長とした。
26平素は彼らが民をさばき、むずかしい事件はモーセに持ってきたが、小さい事件はすべて彼らみずからさばいた。
27こうしてモーセはしゅうとを送り返したので、その国に帰って行った。
鍵となる聖句
今こそわたしは知った。実に彼らはイスラエルびとにむかって高慢にふるまったが、主はあらゆる神々にまさって大いにいますことを」。
ミデアンの祭司エテロは、主がすべての神々にまさって大いなる方であると宣言します。彼の証しは、神の救いのみわざが、イスラエル人でない者にも及んでいることを示しています。
モーセのしゅうとは彼に言った、「あなたのしていることは良くない。 あなたも、あなたと一緒にいるこの民も、必ず疲れ果てるであろう。このことはあなたに重過ぎるから、ひとりですることができない。
エテロは、「あなたのしていることは良くない」とはっきり告げます。これほどの務めをひとりで負うことは、指導者も民も疲れ果てさせ、ひとりの人の力を超えています。
また、すべての民のうちから、有能な人で、神を恐れ、誠実で不義の利を憎む人を選び、それを民の上に立てて、千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長としなさい。
選ぶ基準は、技能より先に人柄です。有能で、神を恐れ、誠実で、不義の利を憎む人。彼らは千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長として組織されます。
平素は彼らに民をさばかせ、大事件はすべてあなたの所に持ってこさせ、小事件はすべて彼らにさばかせなさい。こうしてあなたを身軽にし、あなたと共に彼らに、荷を負わせなさい。
長たちは小さな事件をさばき、モーセは重大な事件を扱います。原則は、務めを分かち合うことであり、導く者の責任をなくすことではありません。
この章に登場する人物
説教が語っていること
出エジプト記18章についてよくある質問
エテロのモーセへの助言から、何を学べますか(出エジプト記18章)。
だれも、大きな責任をひとりで担うことはできないということです。エテロは、有能で誠実な人たちを選んで小さな事件をさばかせ、モーセ自身は重大な事件を扱うよう勧めます。この原則は、教会生活や仕事にもよく当てはめられます。務めを分かち合うことは、責任者を守り、民によりよく仕えることになります。
聖書でエテロとはどんな人ですか。
エテロはミデアンの祭司で、モーセのしゅうとです。出エジプト記18章で、神がイスラエルのためにされたことを聞き、主がすべての神々にまさって大いなる方であることを認め、犠牲をささげます。その信仰の正確な性質については読み方が分かれますが、本文が彼の証しに与えている位置の大きさには、だれもが気づきます。
出エジプト記18章21節で選ばれる長たちには、どんな資質が必要ですか。
本文は、有能で、神を恐れ、誠実で、不義の利を憎む人を求めています。能力は大切ですが、人柄が先です。神を恐れることと誠実さは、さばく能力と同じくらい重要な基準です。
出エジプト記18章のおもなメッセージは何ですか。
この章は、外国人によっても認められる神の救いの広がりと、務めを組織することの知恵の両方を示しています。モーセは、すべてをひとりでしなくなり、助言に耳を傾け、民はよりよく仕えられるようになります。謙遜と協力は、神の民を導く上で欠かせないものです。
出エジプト記 18を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。