要約
ヨセフの時代のパロは、創世記40章から50章に出てくるエジプトの王で、族長時代の人物です。聖書は彼の名を記していません。だれにも解き明かせない二つの夢に悩まされ、牢からヨセフを呼び出します。ヨセフに神の霊が宿ることを認め、国全体を治めさせ、のちにヤコブの一家をゴシェンの地に迎えました。神がご自分の民を救うために用いられた、異邦の王です。
ヨセフの時代のパロという名前の意味
パロは固有名詞ではなく、エジプトの王の称号です。もとは王宮を指した、大きな家を意味するエジプト語の表現に由来するとされます。聖書はこの王の個人名を記さず、歴史上の正体には議論があります。
ヨセフの時代のパロの生涯
王と二人の役人
創世記40章1-23節パロは献酌官長と料理役の長に怒り、ヨセフのいる牢に入れます。誕生日の祝宴で献酌官長を元の職に戻し、料理役の長を木にかけました。夢の解き明かしでヨセフが告げたとおりでした。
二つの不安な夢
創世記41章1-8節二年後、パロは、やせた七頭の雌牛が肥えた七頭を食べ、しなびた七つの穂が実った七つの穂を飲み込む夢を見ます。朝、心は騒ぎ、エジプトの魔術師と知者をすべて呼びましたが、だれも夢を解き明かせませんでした。
パロの前に立つヨセフ
創世記41章9-32節献酌官長がようやくヨセフを思い出し、パロは急いでヨセフを牢から出させます。ヨセフは栄光を受けず、答えを与えるのは神だと述べ、七年の豊作のあとに七年の飢饉が来ること、神がこれから行うことを王に示されたことを告げました。
神の霊の宿る人
創世記41章37-45節パロは家来たちに、神の霊が宿るこのような人が他に見つかるだろうかと問います。ヨセフに自分の家と国全体を任せ、指輪、亜麻布の衣、金の首飾りを与えました。ツァフェナテ・パネアと名づけ、妻としてアセナテを与えます。
ヨセフのところへ行け
創世記41章55-57節飢饉がエジプトを襲うと、民はパロにパンを求めて叫びます。王は、ヨセフのところへ行き、彼の言うとおりにせよと命じました。神が引き上げた人を全面的に信頼したのです。やがてあらゆる国々が、穀物を買いにエジプトへ来ました。
ヤコブの一家を迎える
創世記47章1-10節ヨセフの兄弟が来たと聞いたパロは、父とともにエジプトに住むよう勧めます。兄弟のうち五人に会い、ゴシェンの地を与えました。続いてヤコブが王の前に出され、老族長はパロを二度祝福して退きました。
ヤコブの葬り
創世記50章4-7節ヤコブが死ぬと、ヨセフは父に誓ったとおり、カナンで葬る許可を求めます。パロは、上って行き、誓わせたとおり父を葬るよう答えました。パロの家来たちやエジプトの長老たちも、葬りのためヨセフに同行しました。
ヨセフの時代のパロから学ぶこと
- 神は歴史を治めておられ、ご自分を知らない王にも語りかけて、御計画を成し遂げられます。
- 神が与えた知恵を、外国人で元囚人の人にも認めることは、謙遜のしるしです。
- ヨセフの待つ時間は無駄ではありませんでした。神の定めた時、一度の謁見が人生を変えました。
- 神の民への親切は祝福の戸を開きます。ヤコブがパロを祝福したとおりです。
鍵となる聖句
ヨセフは当時最も力ある王の前でも、手柄を自分のものにしません。知恵を神にだけ帰し、この証しがパロの認識を準備しました。
異邦の王パロは、ヨセフに神の霊を見分けました。そして、元ヘブル人の奴隷にエジプト全土を任せ、自分には王座だけを残しました。
詩人は歴史を振り返ります。ヨセフを導いたのは神であり、彼を解放して家の主とした王は、主の御計画を実行していたのです。
このパロの好意は、その治世を越えては続きません。ヨセフを知らない新しい王がイスラエルを抑えつけます。権力者の厚意は過ぎ去っても、神の真実は変わりません。
ヨセフの時代のパロについての説教
よくある質問
ヨセフを知っていたパロは、どのパロですか。
聖書は、ヨセフを高く引き上げたエジプトの王の名を記しておらず、ただエジプトの君主の称号であるパロと呼びます。歴史上の人物については多くの説がありますが、定説はありません。聖書の関心は、神が彼を用いてヨセフと家族を救われた点にあります。
パロはなぜヨセフを信頼したのですか。
エジプトの魔術師や知者は、だれも夢を解き明かせませんでした。ヨセフはすべてを神に帰して解き明かし、飢饉に備える賢い計画も示しました。パロは彼に神の霊が宿っていると見て、国全体を任せました(創世記41章38-39節)。
このパロの話は聖書のどこにありますか。
創世記40章から50章に出てきます。献酌官長と料理役の長の獄中の場面(40章)、夢とヨセフの昇進(41章)、ヤコブの家族への招き(45章)、ゴシェンでの歓迎(47章)、ヤコブをカナンに葬る許可(50章)です。