要約
不正な家令は、ルカの福音書16章でイエスが弟子たちに語られたたとえ話の主人公です。金持ちの財産を管理していましたが、無駄遣いしていると訴えられ、職を失おうとしています。去る前に、主人の債務者の借金を減らして友人をつくりました。主人はその抜け目なさをほめましたが、不正を認めたわけではありません。イエスは、永遠のためにお金を用いることを教え、神とマモンの両方に仕えることはできないと結ばれました。
不正な家令という名前の意味
家令と訳される語はギリシア語のオイコノモスで、家の管理人、つまり主人の財産を任されたしもべを指します。イエスは彼を不正な家令と呼びます(ルカの福音書16章8節)。直訳では不正の家令で、任された信頼を裏切ったからです。
不正な家令の生涯
訴えられた管理人
ルカの福音書16章1-2節ある金持ちは、家令が自分の財産を無駄遣いしていると聞きます。彼を呼び、管理の報告を出すように言い、もう家令を務めることはできないと告げました。家令は、解雇が決まったこと、まもなく職を離れなければならないことを悟ります。
将来のための計算
ルカの福音書16章3-4節家令は考えます。土を掘る力はなく、物乞いをするのは恥ずかしい。職を失ったあと、自分を家に迎えてくれる人をつくる方法を思いつきます。主人の帳簿を扱う権限がまだあるうちに、彼は素早く動きました。
減らされた借金
ルカの福音書16章5-7節彼は主人の債務者を一人ずつ呼びます。油百バテの借りがある最初の人には五十と書かせ、小麦百コルの借りがある二人目には八十と書かせました。借金を軽くして、職を失う日のために彼らの感謝を買ったのです。
ほめられた賢さ
ルカの福音書16章8-9節主人は、不正な家令が賢くふるまったことをほめました。ほめられたのは不正ではなく、将来を見通す洞察です。イエスは、この世の子らのほうが光の子らより賢いと語り、永遠の住まいのために不正の富で友をつくるよう勧められます。
神かマモンか
ルカの福音書16章10-13節イエスは弟子たちに教えを引き出します。小さなことに忠実な人は大きなことにも忠実です。お金の扱いに忠実でなければ、だれが真の富を任せるでしょう。しもべは二人の主人に仕えることはできず、神とマモンの両方に仕えることはできないと結ばれます。
不正な家令から学ぶこと
- 私たちの持ち物はすべて神のものです。私たちは管理人であり、神に報告する日が来ます。
- キリスト者は、自分のためではなく永遠を見すえて、知恵をもってお金を用いるよう招かれています。
- 財産の管理のような小さなことへの忠実さが、より大きな責任を受ける備えになります。
- 神とお金の両方に仕えることはだれにもできません。お金の使い方は、どの主人に属しているかを表します。
鍵となる聖句
主人がほめたのは家令の賢さであり、不正ではありません。この世の人は、信者が永遠に備えるより熱心に将来に備えると、イエスは指摘します。
忠実さは、まず日々の細部で試されます。お金の用い方もその一つです。
イエスはお金を、心を求めるもう一人の主人として示します。弟子は、だれに仕えるかを選ばなければなりません。
不正な家令についての説教
よくある質問
イエスは不正な家令の不誠実さを認めているのですか。
いいえ。イエスご自身が彼を不正な家令と呼び、すぐあとで小さなことへの忠実さを教えます(ルカの福音書16章10-12節)。ほめられたのは賢さで、将来がかかっていると悟って行動した点です。イエスは弟子たちに、永遠のために同じ洞察を、ただし誠実さをもって持つよう招いています。
不正の富で友をつくりなさいとはどういう意味ですか。
ルカの福音書16章9節でイエスは、過ぎ去るこの世のお金を、神の前で意味のあることに用いるよう勧めます。人を助け、与え、仕えることです。物はやがて尽きますが、御国のための惜しみない用い方は永遠に残る価値を持ちます。
不正な家令のたとえは聖書のどこにありますか。
ルカの福音書16章1-13節にあり、迷った羊、失った銀貨、放蕩息子の三つのたとえ(ルカの福音書15章)の直後です。続く金持ちとラザロの話(ルカの福音書16章19-31節)も、富の正しい用い方を語っています。