聖書 — 口語訳 (1955)

エゼキエル書 34

概要

エゼキエル書34章は、聖書の中で牧者について語る代表的な箇所のひとつです。神は、イスラエルの指導者たちが群れを養わず、自分自身を養ったと責めます。弱い者は顧みられず、迷った者は見捨てられました。そこで神は、ご自身が羊の世話をし、捜し出し、集め、羊の間をさばくと告げます。さらに、ダビデの子孫から出る牧者と、平和の契約を約束します。この章は、イエスが良い牧者としてご自身を示されたヨハネ10章を理解する助けにもなります。

この章の4つの区分

  1. 1-10節自分自身を養う牧者たちは災いである
  2. 11-16節神ご自身が羊を捜し、集め、いやしてくださる
  3. 17-22節神は肥えた羊とやせた羊の間をさばかれる
  4. 23-31節ひとりの牧者、平和の契約、群れの安全

1主の言葉がわたしに臨んだ、

2「人の子よ、イスラエルの牧者たちに向かって預言せよ。預言して彼ら牧者に言え、主なる神はこう言われる、わざわいなるかな、自分自身を養うイスラエルの牧者。牧者は群れを養うべき者ではないか。

3ところが、あなたがたは脂肪を食べ、毛織物をまとい、肥えたものをほふるが、群れを養わない。

4あなたがたは弱った者を強くせず、病んでいる者をいやさず、傷ついた者をつつまず、迷い出た者を引き返らせず、うせた者を尋ねず、彼らを手荒く、きびしく治めている。

5彼らは牧者がないために散り、野のもろもろの獣のえじきになる。

6わが羊は散らされている。彼らはもろもろの山と、もろもろの高き丘にさまよい、わが羊は地の全面に散らされているが、これを捜す者もなく、尋ねる者もない。

7それゆえ、牧者よ、主の言葉を聞け。

8主なる神は言われる、わたしは生きている。わが羊はかすめられ、わが羊は野のもろもろの獣のえじきとなっているが、その牧者はいない。わが牧者はわが羊を尋ねない。牧者は自身を養うが、わが羊を養わない。

9それゆえ牧者らよ、主の言葉を聞け。

10主なる神はこう言われる、見よ、わたしは牧者らの敵となり、わたしの羊を彼らの手に求め、彼らにわたしの群れを養うことをやめさせ、再び牧者自身を養わせない。またわが羊を彼らの口から救って、彼らの食物にさせない。

11主なる神はこう言われる、見よ、わたしは、わたしみずからわが羊を尋ねて、これを捜し出す。

12牧者がその羊の散り去った時、その羊の群れを捜し出すように、わたしはわが羊を捜し出し、雲と暗やみの日に散った、すべての所からこれを救う。

13わたしは彼らをもろもろの民の中から導き出し、もろもろの国から集めて、彼らの国に携え入れ、イスラエルの山の上、泉のほとり、また国のうちの人の住むすべての所でこれを養う。

14わたしは良き牧場で彼らを養う。その牧場はイスラエルの高い山にあり、その所で彼らは良い羊のおりに伏し、イスラエルの山々の上で肥えた牧場で草を食う。

15わたしはみずからわが羊を飼い、これを伏させると主なる神は言われる。

16わたしは、うせたものを尋ね、迷い出たものを引き返し、傷ついたものを包み、弱ったものを強くし、肥えたものと強いものとは、これを監督する。わたしは公平をもって彼らを養う。

17主なる神はこう言われる、あなたがた、わが群れよ、見よ、わたしは羊と羊との間、雄羊と雄やぎとの間をさばく。

18あなたがたは良き牧場で草を食い、その草の残りを足で踏み、また澄んだ水を飲み、その残りを足で濁すが、これは、あまりのことではないか。

19わが羊はあなたがたが、足で踏んだものを食い、あなたがたの足で濁したものを、飲まなければならないのか。

20それゆえ、主なる神はこう彼らに言われる、見よ、わたしは肥えた羊と、やせた羊との間をさばく。

21あなたがたは、わきと肩とをもって押し、角をもって、すべて弱い者を突き、ついに彼らを外に追い散らした。

22それゆえ、わたしはわが群れを助けて、再びかすめさせず、羊と羊との間をさばく。

23わたしは彼らの上にひとりの牧者を立てる。すなわちわがしもべダビデである。彼は彼らを養う。彼は彼らを養い、彼らの牧者となる。

24主なるわたしは彼らの神となり、わがしもべダビデは彼らのうちにあって君となる。主なるわたしはこれを言う。

25わたしは彼らと平和の契約を結び、国の内から野獣を追い払う。彼らは心を安んじて荒野に住み、森の中に眠る。

26わたしは彼らおよびわが山の周囲の所々を祝福し、季節にしたがって雨を降らす。これは祝福の雨となる。

27野の木は実を結び、地は産物を出す。彼らは心を安んじてその国におり、わたしが彼らのくびきの棒を砕き、彼らを奴隷とした者の手から救い出す時、彼らはわたしが主であることを悟る。

28彼らは重ねて、もろもろの国民にかすめられることなく、地の獣も彼らを食うことはない。彼らは心を安んじて住み、彼らを恐れさせる者はない。

29わたしは彼らのために、良い栽培所を与える。彼らは重ねて、国のききんに滅びることなく重ねて諸国民のはずかしめを受けることはない。

30彼らはその神、主なるわたしが彼らと共におり、彼らイスラエルの家が、わが民であることを悟ると、主なる神は言われる。

31あなたがたはわが羊、わが牧場の羊である。わたしはあなたがたの神であると、主なる神は言われる」。

鍵となる聖句

2節
「人の子よ、イスラエルの牧者たちに向かって預言せよ。預言して彼ら牧者に言え、主なる神はこう言われる、わざわいなるかな、自分自身を養うイスラエルの牧者。牧者は群れを養うべき者ではないか。

冒頭の非難が問題を要約しています。仕えるべき指導者が、自分のために利用していたのです。牧者は群れを養うべきではないのかという問いは、導く者の務めとは何かを示しています。

4節
あなたがたは弱った者を強くせず、病んでいる者をいやさず、傷ついた者をつつまず、迷い出た者を引き返らせず、うせた者を尋ねず、彼らを手荒く、きびしく治めている。

本文は、牧者たちがしなかったことを並べます。弱った者を強くし、病んだ者をいやし、傷ついた者を包み、迷った者を連れ戻すことです。これらの行いは、神が望まれる世話の姿を裏から描き出しています。

11節
主なる神はこう言われる、見よ、わたしは、わたしみずからわが羊を尋ねて、これを捜し出す。

神は、ご自身が羊の世話をし、捜し出すと言われます。この逆転が中心です。牧者たちが失敗したとき、神ご自身が自ら関わってくださいます。

16節
わたしは、うせたものを尋ね、迷い出たものを引き返し、傷ついたものを包み、弱ったものを強くし、肥えたものと強いものとは、これを監督する。わたしは公平をもって彼らを養う。

四つの動詞が神の心を語ります。失われた者を捜し、迷った者を連れ戻し、傷ついた者を包み、病んだ者を強くすることです。さらに神は、公正をもって養うと付け加えます。

31節
あなたがたはわが羊、わが牧場の羊である。わたしはあなたがたの神であると、主なる神は言われる」。

章は、ひとつの関係で閉じられます。民は神の群れであり、神は彼らの神です。牧者の世話は、この所属の上に成り立っています。

説教が語っていること

エゼキエル書34章についてよくある質問

エゼキエル書34章のメッセージは何ですか

神は、ご自分の民を世話せず利用する指導者たちを非難し、そのうえでご自身が群れを世話すると約束されます。迷った羊を捜し、傷ついた羊を包み、公正にさばき、忠実な牧者と平和の契約を与えてくださいます。この章は羊を慰め、責任を持つ人々には警告を与えます。

エゼキエル書34章とヨハネ10章にはどんなつながりがありますか

ヨハネ10章でイエスは、雇い人と対比して、ご自身が良い牧者だと言われます。多くの注解者は、そこにエゼキエル書34章のこだまを読み取ります。神がご自身で羊を養いに来ると約束し、ひとりの牧者を起こされるという箇所です。クリスチャンは、イエスのうちにこの約束の成就を見ます。

エゼキエル書34章の悪い牧者とは誰ですか

当時のイスラエルの指導者たち、つまり王、首長、宗教的な責任者のことです。彼らは自分自身を養い、暴力と厳しさで羊を支配しました。本文は、彼らが弱い者を強めず、失われた者を捜さなかったことを責めています。これは類比として、他の人々に対して責任を負うすべての人にも当てはまります。

エゼキエル書 34を引用している記事

← すべての章

口語訳(1955年)— パブリックドメイン。