聖書 — 口語訳 (1955)

ヘブル人への手紙 5

概要

ヘブル人への手紙5章は、イエスを大祭司として示します。著者はまず、大祭司とは何かを思い起こさせます。人々の中から選ばれ、いけにえをささげ、弱い人々を思いやることのできる者です。この務めは自分で取ったものではなく、神から受けたものです。キリストもまた、メルキゼデクの位に従って、神に召されました。肉の生活を送られた日々に、涙とともに祈り、苦しみによって従順を学び、とこしえの救いの源となられました。章の終わりには叱責があります。読者は理解が遅く、固い食物ではなく乳を必要としているというのです。

この章の3つの区分

  1. 1-4節大祭司とは何か
  2. 5-10節メルキゼデクの位に従う大祭司キリスト
  3. 11-14節乳から固い食物へ:成熟への呼びかけ

1大祭司なるものはすべて、人間の中から選ばれて、罪のために供え物といけにえとをささげるように、人々のために神に仕える役に任じられた者である。

2彼は自分自身、弱さを身に負うているので、無知な迷っている人々を、思いやることができると共に、

3その弱さのゆえに、民のためだけではなく自分自身のためにも、罪についてささげものをしなければならないのである。

4かつ、だれもこの栄誉ある務を自分で得るのではなく、アロンの場合のように、神の召しによって受けるのである。

5同様に、キリストもまた、大祭司の栄誉を自分で得たのではなく、「あなたこそは、わたしの子。きょう、わたしはあなたを生んだ」と言われたかたから、お受けになったのである。

6また、ほかの箇所でこう言われている、「あなたこそは、永遠に、メルキゼデクに等しい祭司である」。

7キリストは、その肉の生活の時には、激しい叫びと涙とをもって、ご自分を死から救う力のあるかたに、祈と願いとをささげ、そして、その深い信仰のゆえに聞きいれられたのである。

8彼は御子であられたにもかかわらず、さまざまの苦しみによって従順を学び、

9そして、全き者とされたので、彼に従順であるすべての人に対して、永遠の救の源となり、

10神によって、メルキゼデクに等しい大祭司と、となえられたのである。

11このことについては、言いたいことがたくさんあるが、あなたがたの耳が鈍くなっているので、それを説き明かすことはむずかしい。

12あなたがたは、久しい以前からすでに教師となっているはずなのに、もう一度神の言の初歩を、人から手ほどきしてもらわねばならない始末である。あなたがたは堅い食物ではなく、乳を必要としている。

13すべて乳を飲んでいる者は、幼な子なのだから、義の言葉を味わうことができない。

14しかし、堅い食物は、善悪を見わける感覚を実際に働かせて訓練された成人のとるべきものである。

鍵となる聖句

7節
キリストは、その肉の生活の時には、激しい叫びと涙とをもって、ご自分を死から救う力のあるかたに、祈と願いとをささげ、そして、その深い信仰のゆえに聞きいれられたのである。

イエスは、肉の生活を送られた日々に、激しい叫びと涙とをもって祈られました。この節は、キリストの真実な人間性と、父への従順を示しています。

8-9節
彼は御子であられたにもかかわらず、さまざまの苦しみによって従順を学び、 そして、全き者とされたので、彼に従順であるすべての人に対して、永遠の救の源となり、

御子であられるのに、イエスは受けた苦しみによって従順を学ばれました。そして、ご自分に従うすべての人にとって、とこしえの救いの源となられます。

10節
神によって、メルキゼデクに等しい大祭司と、となえられたのである。

神はイエスを、メルキゼデクの位に従う大祭司と宣言されます。この主題は、続く章での展開を予告しています。

11-14節
このことについては、言いたいことがたくさんあるが、あなたがたの耳が鈍くなっているので、それを説き明かすことはむずかしい。 あなたがたは、久しい以前からすでに教師となっているはずなのに、もう一度神の言の初歩を、人から手ほどきしてもらわねばならない始末である。あなたがたは堅い食物ではなく、乳を必要としている。 すべて乳を飲んでいる者は、幼な子なのだから、義の言葉を味わうことができない。 しかし、堅い食物は、善悪を見わける感覚を実際に働かせて訓練された成人のとるべきものである。

著者は、読者がいつまでも乳を飲んでいることを叱ります。本文は、初心者と、善悪を見分ける感覚を訓練された人とを対比させています。

この章に登場する人物

説教が語っていること

ヘブル人への手紙5章についてよくある質問

ヘブル人への手紙5章のメルキゼデクの位に従うとはどういう意味ですか

メルキゼデクは、創世記と詩篇110篇に登場する、王であり祭司である人物です。著者は、イエスも同じように祭司であると語ります。アロンの子孫のような家系によるのではなく、神の召しによって、とこしえに祭司なのです。7章がこの主題を展開します。

ヘブル人への手紙5章8節の、イエスが苦しみによって従順を学ばれたとはどういう意味ですか

本文は、イエスが不従順だったとは言っていません。現実の苦しみの中で、大きな代価を払って従順を生きられたということです。キリスト教の伝統は、そこに、イエスが私たちの弱さを理解してくださること、そして救いのみわざを最後までやり遂げることができたことの証拠を見ています。

ヘブル人への手紙5章の乳と固い食物の違いは何ですか

乳は、信仰の最初の教えを指し、出発点では必要なものです。固い食物は、より深い理解であり、善悪を見分ける判断力を養います。著者は、乳から始めることを責めているのではなく、そこにとどまり続けることを責めているのです。

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