聖書 — 口語訳 (1955)
ヨシュア記 10
概要
ヨシュア記10章は、カナン南部での戦いを語ります。五人のアモリ人の王が、イスラエルと和を結んだばかりのギベオンに対して同盟を組みます。ヨシュアは救援に向かい、神は雹で敵を混乱に陥れ、太陽はほぼ一日じゅう空にとどまります。その後、南部の町々が次々に陥落します。この章には、奇跡、勇気への励まし、そして多くの読者が厳しく感じる戦いの記録が並んでいます。
この章の3つの区分
1エルサレムの王アドニゼデクは、ヨシュアがアイを攻め取って、それを全く滅ぼし、さきにエリコとその王とにしたように、アイとその王にもしたこと、またギベオンの住民が、イスラエルと和を講じて、そのうちにおることを聞き、
2大いに恐れた。それは、ギベオンが大きな町であって、王の都にもひとしいものであり、またアイより大きくて、そのうちの人々が、すべて強かったからである。
3それでエルサレムの王アドニゼデクは、ヘブロンの王ホハム、ヤルムテの王ピラム、ラキシの王ヤピア、およびエグロンの王デビルに人をつかわして言った、
4「わたしの所に上ってきて、わたしを助けてください。われわれはギベオンを撃ちましょう。ギベオンはヨシュアおよびイスラエルの人々と和を講じたからです」。
5アモリびとの五人の王、すなわちエルサレムの王、ヘブロンの王、ヤルムテの王、ラキシの王、およびエグロンの王は兵を集め、そのすべての軍勢を率いて上ってきて、ギベオンに向かって陣を取り、それを攻めて戦った。
6ギベオンの人々は、ギルガルの陣営に人をつかわし、ヨシュアに言った、「あなたの手を引かないで、しもべどもを助けてください。早く、われわれの所に上ってきて、われわれを救い、助けてください。山地に住むアモリびとの王たちがみな集まって、われわれを攻めるからです」。
7そこでヨシュアはすべてのいくさびとと、すべての大勇士を率いて、ギルガルから上って行った。
8その時、主はヨシュアに言われた、「彼らを恐れてはならない。わたしが彼らをあなたの手にわたしたからである。彼らのうちには、あなたに当ることのできるものは、ひとりもないであろう」。
9ヨシュアは、ギルガルから、よもすがら進みのぼって、にわかに彼らに攻めよせたところ、
10主は彼らを、イスラエルの前に、恐れあわてさせられたので、イスラエルはギベオンで彼らをおびただしく撃ち殺し、ベテホロンの上り坂をとおって逃げる彼らを、アゼカとマッケダまで追撃した。
11彼らがイスラエルの前から逃げ走って、ベテホロンの下り坂をおりていた時、主は天から彼らの上に大石を降らし、アゼカにいたるまでもそうされたので、多くの人々が死んだ。イスラエルの人々がつるぎをもって殺したものよりも、雹に打たれて死んだもののほうが多かった。
12主がアモリびとをイスラエルの人々にわたされた日に、ヨシュアはイスラエルの人々の前で主にむかって言った、「日よ、ギベオンの上にとどまれ、月よ、アヤロンの谷にやすらえ」。
13民がその敵を撃ち破るまで、日はとどまり、月は動かなかった。これはヤシャルの書にしるされているではないか。日が天の中空にとどまって、急いで没しなかったこと、おおよそ一日であった。
14これより先にも、あとにも、主がこのように人の言葉を聞きいれられた日は一日もなかった。主がイスラエルのために戦われたからである。
15こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人と共にギルガルの陣営に帰った。
16かの五人の王たちは逃げて行って、マッケダのほら穴に隠れたが、
17五人の王たちがマッケダのほら穴にかくれているのが見つかったと、ヨシュアに告げる者があったので、
18ヨシュアは言った、「ほら穴の口に大石をころがし、そのそばに人を置いて、守らせなさい。
19ただし、あなたがたは、そこにとどまらないで、敵のあとを追い、そのしんがりを撃ち、彼らをその町にはいらせてはならない。あなたがたの神、主が彼らをあなたがたの手に渡されたからである」。
20ヨシュアとイスラエルの人々は、大いに彼らを撃ち殺し、ついに彼らを滅ぼしつくしたが、彼らのうちのがれて生き残った者どもは、堅固な町々に逃げこんだので、
21民はみな安らかにマッケダの陣営のヨシュアのもとに帰ってきたが、イスラエルの人々にむかって舌を鳴らす者はひとりもなかった。
22その時ヨシュアは言った、「ほら穴の口を開いて、ほら穴から、かの五人の王たちを、わたしのもとにひき出しなさい」。
23やがて、そのようにして、かの五人の王たち、すなわち、エルサレムの王、ヘブロンの王、ヤルムテの王、ラキシの王、およびエグロンの王を、ほら穴から彼のもとにひき出した。
24この王たちをヨシュアのもとにひき出した時、ヨシュアはイスラエルのすべての人々を呼び寄せ、自分と共に行ったいくさびとの長たちに言った、「近寄って、この王たちのくびに足をかけなさい」。そこで近寄って、その王たちのくびに足をかけたので、
25ヨシュアは彼らに言った、「恐れおののいてはならない。強くまた雄々しくあれ。あなたがたが攻めて戦うすべての敵には、主がこのようにされるのである」。
26そして後ヨシュアは彼らを撃って死なせ、五本の木にかけて、夕暮れまで木の上にさらして置いたが、
27日の入るころになって、ヨシュアが命じたので、これを木からおろし、彼らが隠れていたほら穴に投げ入れ、ほら穴の口に大石を置いた。これは今日まで残っている。
28その日ヨシュアはマッケダを取り、つるぎをもって、それと、その王とを撃ち、その中のすべての人を、ことごとく滅ぼして、ひとりも残さず、エリコの王にしたように、マッケダの王にもした。
29こうしてヨシュアはイスラエルのすべての人を率いて、マッケダからリブナに進み、リブナを攻めて戦った。
30主が、それと、その王をも、イスラエルの手に渡されたので、つるぎをもって、それと、その中のすべての人を撃ち滅ぼして、ひとりもその中に残さず、エリコの王にしたように、その王にもした。
31ヨシュアはまたイスラエルのすべての人を率いて、リブナからラキシに進み、これに向かって陣をしき、攻め戦った。
32主がラキシをイスラエルの手に渡されたので、ふつか目にこれを取り、つるぎをもって、それと、その中のすべての人を撃ち滅ぼした。すべてリブナにしたとおりであった。
33その時、ゲゼルの王ホラムが、ラキシを助けるために上ってきたので、ヨシュアは彼と、その民とを撃ち滅ぼして、ついにひとりも残さなかった。
34ヨシュアはまたイスラエルのすべての人を率いて、ラキシからエグロンに進み、これに向かって陣をしき、攻め戦った。
35その日これを取り、つるぎをもって、これを撃ち、その中のすべての人を、ことごとくその日に滅ぼした。すべてラキシにしたとおりであった。
36ヨシュアはまたイスラエルのすべての人を率いて、エグロンからヘブロンに進み上り、これを攻めて戦い、
37それを取って、それと、その王、およびそのすべての町々と、その中のすべての人を、つるぎをもって撃ち滅ぼし、ひとりも残さなかった。すべてエグロンにしたとおりであった。すなわち、それとその中のすべての人を、ことごとく滅ぼした。
38またヨシュアはイスラエルのすべての人を率いて、デビルへひきかえし、これを攻めて戦い、
39それと、その王、およびそのすべての町々を取り、つるぎをもってそれを撃ち、その中のすべての人を、ことごとく滅ぼし、ひとりも残さなかった。彼がデビルと、その王にしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナと、その王にしたとおりであった。
40こうしてヨシュアはその地の全部、すなわち、山地、ネゲブ、平地、および山腹の地と、そのすべての王たちを撃ち滅ぼして、ひとりも残さず、すべて息のあるものは、ことごとく滅ぼした。イスラエルの神、主が命じられたとおりであった。
41ヨシュアはカデシ・バルネアからガザまでの国々、およびゴセンの全地を撃ち滅ぼして、ギベオンにまで及んだ。
42イスラエルの神、主がイスラエルのために戦われたので、ヨシュアはこれらすべての王たちと、その地をいちどきに取った。
43そしてヨシュアはイスラエルのすべての人を率いて、ギルガルの陣営に帰った。
鍵となる聖句
その時、主はヨシュアに言われた、「彼らを恐れてはならない。わたしが彼らをあなたの手にわたしたからである。彼らのうちには、あなたに当ることのできるものは、ひとりもないであろう」。
戦いの前に、神はヨシュアを安心させ、勝利を約束されます。勇気は軍隊の強さからではなく、戦いに先立つ神のことばから生まれます。
主がアモリびとをイスラエルの人々にわたされた日に、ヨシュアはイスラエルの人々の前で主にむかって言った、「日よ、ギベオンの上にとどまれ、月よ、アヤロンの谷にやすらえ」。 民がその敵を撃ち破るまで、日はとどまり、月は動かなかった。これはヤシャルの書にしるされているではないか。日が天の中空にとどまって、急いで没しなかったこと、おおよそ一日であった。 これより先にも、あとにも、主がこのように人の言葉を聞きいれられた日は一日もなかった。主がイスラエルのために戦われたからである。
ヨシュアは人々の前で祈り、戦いを終えるために一日が長くなります。聖書は、このような日は前にも後にもなかったと記し、それは主がイスラエルのために戦われたからだと述べます。この出来事の理解には幅があり、文字どおりの奇跡と読む人もいれば、詩的な表現と読む人もいます。
ヨシュアは彼らに言った、「恐れおののいてはならない。強くまた雄々しくあれ。あなたがたが攻めて戦うすべての敵には、主がこのようにされるのである」。
ヨシュアは指導者たちに、倒れた王たちの首を踏ませます。当時の勝利のしるしです。そして、自分が神から受けた励ましを彼らにも伝えます。今日のこの勝利は、神がこれからなさることを示しているのです。
イスラエルの神、主がイスラエルのために戦われたので、ヨシュアはこれらすべての王たちと、その地をいちどきに取った。
章の結びは、これらの勝利の理由を明らかにします。それはヨシュアの戦略ではなく、イスラエルのために働かれた神ご自身のみわざでした。
聖書クイズに挑戦
説教が語っていること
ヨシュア記10章についてよくある質問
ヨシュア記10章で太陽が止まったとは、どういう意味ですか
12節から14節で、ヨシュアは勝利を完成させるために太陽と月が動きを止めるよう求め、聖書は一日がほぼまるごと長くなったと記します。多くの信者は神の文字どおりの奇跡と受け取り、この箇所がヤシャルの書を引用していることから詩的な表現と見る人もいます。ただ、主がイスラエルのために戦われたというメッセージについては、だれもが一致しています。
ヨシュア記10章の中心的なメッセージは何ですか
この章は、約束に忠実な神を示しています。神はヨシュアの戦いに伴い、最後まで立ち続ける力を与えてくださいます。敵が多く見えても恐れなくてよい、勝利は主から来るからだ、という励ましがあります。また、カナンの征服をイスラエルの歴史の特定の枠の中で起こった、さばきとして描いています。
ヨシュア記10章で、神はなぜカナンの町々を滅ぼさせたのですか
聖書はこれらの滅びを、単なる征服ではなく、諸民族に対するさばきとして示しています。説教者たちはまた、この体制が旧約の時代のものであることを指摘します。イスラエルは地上の王国であり、クリスチャンの戦いは霊的なものだからです。これらの記録は今も読むのが難しく、信者たちは真剣に向き合い、安易な答えを求めずに読んでいます。
ヨシュア記 10を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。