聖書 — 口語訳 (1955)
エレミヤ書 7
概要
エレミヤ書7章で、神は預言者をエルサレムの神殿の門に遣わされます。民は神殿があるから安全だと思い込んでいますが、実際には不正と偶像礼拝を行っています。神は、道を改め、寄留の他国人とみなしごとやもめを虐げず、神の声に聞き従うように呼びかけられます。そしてシロの例を思い起こさせ、厳しいさばきを告げます。従順も正義も伴わない宗教は、何からも守ってくれないことをこの章は示しています。
この章の5つの区分
1主からエレミヤに臨んだ言葉はこうである。
2「主の家の門に立ち、その所で、この言葉をのべて言え、主を拝むために、この門をはいるユダのすべての人よ、主の言葉を聞け。
3万軍の主、イスラエルの神はこう言われる、あなたがたの道とあなたがたの行いを改めるならば、わたしはあなたがたをこの所に住まわせる。
4あなたがたは、『これは主の神殿だ、主の神殿だ、主の神殿だ』という偽りの言葉を頼みとしてはならない。
5もしあなたがたが、まことに、その道と行いを改めて、互に公正を行い、
6寄留の他国人と、みなしごと、やもめをしえたげることなく、罪のない人の血をこの所に流すことなく、また、ほかの神々に従って自ら害をまねくことをしないならば、
7わたしはあなたがたを、わたしが昔あなたがたの先祖に与えたこの地に永遠に住まわせる。
8見よ、あなたがたは偽りの言葉を頼みとしているが、それはむだである。
9あなたがたは盗み、殺し、姦淫し、偽って誓い、バアルに香をたき、あなたがたが以前には知らなかった他の神々に従いながら、
10わたしの名をもって、となえられるこの家に来てわたしの前に立ち、『われわれは救われた』と言い、しかもすべてこれら憎むべきことを行うのは、どうしたことか。
11わたしの名をもって、となえられるこの家が、あなたがたの目には盗賊の巣と見えるのか。わたし自身、そう見たと主は言われる。
12わたしが初めにわたしの名を置いた場所シロへ行き、わが民イスラエルの悪のために、わたしがその場所に対して行ったことを見よ。
13主は言われる、今あなたがたはこれらのすべてのことを行っている。またわたしはあなたがたに、しきりに語ったけれども、あなたがたは聞かず、あなたがたを呼んだけれども答えなかった。
14それゆえわたしはシロに対して行ったように、わたしの名をもって、となえられるこの家にも行う。すなわちあなたがたが頼みとする所、わたしがあなたがたと、あなたがたの先祖に与えたこの所に行う。
15そしてわたしは、あなたがたのすべての兄弟、すなわちエフライムのすべての子孫を捨てたように、わたしの前からあなたがたをも捨てる。
16あなたはこの民のために祈ってはならない。彼らのために嘆き、祈ってはならない。またわたしに、とりなしをしてはならない。わたしはあなたの求めを聞かない。
17あなたは彼らがユダの町々と、エルサレムのちまたでしていることを見ないのか。
18子どもらは、たきぎを集め、父たちは火をたき、女は粉をこね、パンを造ってこれを天后に供える。また彼らは他の神々の前に酒を注いで、わたしを怒らせる。
19主は言われる、彼らが怒らせるのはわたしなのか。自分たち自身ではないのか。そして自らうろたえている。
20それゆえ主なる神はこう言われる、見よ、わたしの怒りと憤りを、この所と、人と獣と、畑の木と、地の産物とに注ぐ。怒りは燃えて消えることがない」。
21万軍の主、イスラエルの神はこう言われる、「あなたがたの犠牲に燔祭の物を合わせて肉を食べるがよい。
22それはあなたがたの先祖をエジプトの地から導き出した日に、わたしは燔祭と犠牲とについて彼らに語ったこともなく、また命じたこともないからである。
23ただわたしはこの戒めを彼らに与えて言った、『わたしの声に聞きしたがいなさい。そうすれば、わたしはあなたがたの神となり、あなたがたはわたしの民となる。わたしがあなたがたに命じるすべての道を歩んで幸を得なさい』と。
24しかし彼らは聞き従わず、耳を傾けず、自分の悪い心の計りごとと強情にしたがって歩み、悪くなるばかりで、よくはならなかった。
25あなたがたの先祖がエジプトの地を出た日から今日まで、わたしはわたしのしもべである預言者たちを日々彼らにつかわした。
26しかし彼らはわたしに聞かず、耳を傾けないで強情になり、先祖たちにもまさって悪を行った。
27たといあなたが彼らにこのすべての言葉を語っても彼らは聞かない。また彼らを呼んでもあなたに答えない。
28それゆえ、あなたはこう彼らに言わなければならない、『これはその神、主の声に聞き従わず、その戒めを受けいれなかった国民である。真実はうせ、彼らの口から絶えた。
29あなたの髪の毛を切って捨てよ、裸の山の上に嘆きの声をあげよ。主が、お怒りになっている世の人を 退け捨てられたからだ』。
30主は言われる、ユダの民はわたしの前に悪を行い、わたしの名をもってとなえられる家に、憎むべき者を置いてそこを汚した。
31またベンヒンノムの谷にあるトペテの高き所を築いて、むすこ娘を火に焼いた。わたしはそれを命じたことはなく、またそのようなことを考えたこともなかった。
32主は言われる、それゆえに見よ、その所をトペテ、またはベンヒンノムの谷と呼ばないで、ほふりの谷と呼ぶ日が来る。それはほかに場所がないので、トペテに葬るからである。
33この民の死体は空の鳥と地の獣の食物となり、これを追い払う者もない。
34そのときわたしはユダの町々とエルサレムのちまたに、喜びの声、楽しみの声、花婿の声、花嫁の声を絶やす。この地は荒れ果てるからである。
鍵となる聖句
あなたがたは、『これは主の神殿だ、主の神殿だ、主の神殿だ』という偽りの言葉を頼みとしてはならない。
「これは主の神殿だ」という言葉を、守りの呪文のように繰り返すのは錯覚です。生き方が神の言葉に反している人に、礼拝の場所は何の保証も与えません。
もしあなたがたが、まことに、その道と行いを改めて、互に公正を行い、 寄留の他国人と、みなしごと、やもめをしえたげることなく、罪のない人の血をこの所に流すことなく、また、ほかの神々に従って自ら害をまねくことをしないならば、 わたしはあなたがたを、わたしが昔あなたがたの先祖に与えたこの地に永遠に住まわせる。
神は具体的な生き方を求められます。公正を行い、寄留の他国人とみなしごとやもめを虐げず、罪のない人の血を流さず、ほかの神々に従わないことです。信仰は、最も弱い人々をどう扱うかによって確かめられます。
わたしの名をもって、となえられるこの家が、あなたがたの目には盗賊の巣と見えるのか。わたし自身、そう見たと主は言われる。
神は、ご自分の家が「盗賊の巣」になっていることを責められます。悪を行ったあとに安心を得に来る場所になっていたのです。イエスは神殿を清められたとき、この言葉を取り上げられます。
ただわたしはこの戒めを彼らに与えて言った、『わたしの声に聞きしたがいなさい。そうすれば、わたしはあなたがたの神となり、あなたがたはわたしの民となる。わたしがあなたがたに命じるすべての道を歩んで幸を得なさい』と。
契約の中心で、神がまず求められるのは聞くことです。「わたしの声に聞きしたがいなさい。そうすれば、わたしはあなたがたの神となり」と語られます。従順は関係から生まれ、民の幸いへと続いていきます。
説教が語っていること
エレミヤ書7章についてよくある質問
エレミヤ書7章で道と行いを改めるとはどういう意味ですか。
神が求めておられるのは、定期的に礼拝することだけではなく、具体的な生き方の変化です。本文は、人と人との間の公正、寄留の他国人とみなしごとやもめを守ること、いのちを尊ぶこと、神だけに忠実であることを、はっきりと求めています。これらを守ってこそ、民はその地にとどまることができました。
エレミヤ書7章で、なぜ神はシロのことを語られるのですか。
シロは、エルサレムの神殿より前に聖所があった場所でしたが、民の悪のために滅ぼされました。神はこれを用いてユダに警告されます。聖なる場所があっても、さばきから守られるわけではありません。民が聞き従わないままなら、エルサレムの神殿も同じ運命をたどる可能性がありました。
エレミヤ書7章の中心的なメッセージは何ですか。
宗教は従順の代わりにはなりません。民は神殿があると繰り返して安心していましたが、実際には不正と偶像礼拝の中に生きていました。神は、まず御声に聞き従い、正義を行うことを求めておられます。この章は、自分の信仰が日々の生活に表れているかを確かめるよう、一人ひとりを招いています。
エレミヤ書 7を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。