聖書 — 口語訳 (1955)

士師記 14

概要

士師記14章は、サムソンがテムナの女をめとる物語です。当時はペリシテ人がイスラエルを治めていました。道中、主の霊が彼に激しく臨み、彼は若いししを素手で裂きます。のちに、ししのからだに蜜を見つけ、婚礼のふるまいでそれをなぞにします。客たちは、サムソンの妻に迫ってなぞを解きます。この章は、欲望に動かされる力ある士師と、それでもご計画を成し遂げられる神を描いています。

この章の4つの区分

  1. 1-4節サムソンは両親の反対を押して、ペリシテ人の女をめとろうとする
  2. 5-9節裂かれたししと、そのからだにあった蜜
  3. 10-14節ふるまいの席と、ペリシテ人に出されたなぞ
  4. 15-20節涙によって明かされたなぞと、サムソンの怒り

1サムソンはテムナに下って行き、ペリシテびとの娘で、テムナに住むひとりの女を見た。

2彼は帰ってきて父母に言った、「わたしはペリシテびとの娘で、テムナに住むひとりの女を見ました。彼女をめとってわたしの妻にしてください」。

3父母は言った、「あなたが行って、割礼をうけないペリシテびとのうちから妻を迎えようとするのは、身内の娘たちのうちに、あるいはわたしたちのすべての民のうちに女がないためなのですか」。しかしサムソンは父に言った、「彼女をわたしにめとってください。彼女はわたしの心にかないますから」。

4父母はこの事が主から出たものであることを知らなかった。サムソンはペリシテびとを攻めようと、おりをうかがっていたからである。そのころペリシテびとはイスラエルを治めていた。

5かくてサムソンは父母と共にテムナに下って行った。彼がテムナのぶどう畑に着くと、一頭の若いししがほえたけって彼に向かってきた。

6時に主の霊が激しく彼に臨んだので、彼はあたかも子やぎを裂くようにそのししを裂いたが、手にはなんの武器も持っていなかった。しかしサムソンはそのしたことを父にも母にも告げなかった。

7サムソンは下って行って女と話し合ったが、女はサムソンの心にかなった。

8日がたって後、サムソンは彼女をめとろうとして帰ったが、道を転じて、かのししのしかばねを見ると、ししのからだに、はちの群れと、蜜があった。

9彼はそれをかきあつめ、手にとって歩きながら食べ、父母のもとに帰って、彼らに与えたので、彼らもそれを食べた。しかし、ししのからだからその蜜をかきあつめたことは彼らに告げなかった。

10そこで父が下って、女のもとに行ったので、サムソンはそこにふるまいを設けた。そうすることは花婿のならわしであったからである。

11人々はサムソンを見ると、三十人の客を連れてきて、同席させた。

12サムソンは彼らに言った、「わたしはあなたがたに一つのなぞを出しましょう。あなたがたがもし七日のふるまいのうちにそれを解いて、わたしに告げることができたなら、わたしはあなたがたに亜麻の着物三十と、晴れ着三十をさしあげましょう。

13しかしあなたがたが、それをわたしに告げることができなければ、亜麻の着物三十と晴れ着三十をわたしにくれなければなりません」。彼らはサムソンに言った、「なぞを出しなさい。わたしたちはそれを聞きましょう」。

14サムソンは彼らに言った、「食らう者から食い物が出、強い者から甘い物が出た」。彼らは三日のあいだなぞを解くことができなかった。

15四日目になって、彼らはサムソンの妻に言った、「あなたの夫を説きすすめて、なぞをわたしたちに明かすようにしてください。そうしなければ、わたしたちは火をつけてあなたとあなたの父の家を焼いてしまいます。あなたはわたしたちの物を取るために、わたしたちを招いたのですか」。

16そこでサムソンの妻はサムソンの前に泣いて言った、「あなたはただわたしを憎むだけで、愛してくれません。あなたはわたしの国の人々になぞを出して、それをわたしに解き明かしませんでした」。サムソンは彼女に言った、「わたしは自分の父にも母にも解き明かさなかった。どうしてあなたに解き明かせよう」。

17彼女は七日のふるまいの間、彼の前に泣いていたが、七日目になって、サムソンはついに彼女に解き明かした。ひどく彼に迫ったからである。そこで彼女はなぞを自分の国の人々にあかした。

18七日目になって、日の没する前に町の人々はサムソンに言った、「蜜より甘いものに何があろう。ししより強いものに何があろう」。サムソンは彼らに言った、「わたしの若い雌牛で耕さなかったなら、わたしのなぞは解けなかった」。

19この時、主の霊が激しくサムソンに臨んだので、サムソンはアシケロンに下って行って、その町の者三十人を殺し、彼らからはぎ取って、かのなぞを解いた人々に、その晴れ着を与え、激しく怒って父の家に帰った。

20サムソンの妻は花婿付添人であった客の妻となった。

鍵となる聖句

4節
父母はこの事が主から出たものであることを知らなかった。サムソンはペリシテびとを攻めようと、おりをうかがっていたからである。そのころペリシテびとはイスラエルを治めていた。

両親は、これが主から出たことを知りませんでした。主はペリシテ人を攻めるおりをうかがっておられたのです。この節は、神が不完全な選択を通してもご計画を進められることを示しています。ただし、それを是認しているわけではありません。

6節
時に主の霊が激しく彼に臨んだので、彼はあたかも子やぎを裂くようにそのししを裂いたが、手にはなんの武器も持っていなかった。しかしサムソンはそのしたことを父にも母にも告げなかった。

サムソンの力は、筋肉ではなく、彼に臨んだ主の霊から来ています。彼は武器もなくししを裂き、そのことを黙っていました。

8-9節
日がたって後、サムソンは彼女をめとろうとして帰ったが、道を転じて、かのししのしかばねを見ると、ししのからだに、はちの群れと、蜜があった。 彼はそれをかきあつめ、手にとって歩きながら食べ、父母のもとに帰って、彼らに与えたので、彼らもそれを食べた。しかし、ししのからだからその蜜をかきあつめたことは彼らに告げなかった。

死んだししのからだに、サムソンは蜂の群れと蜜を見つけます。過去の勝利が甘いものの源となりました。しかし彼は、それを食べ、人にも与えながら、どこで得たかは告げませんでした。

14節
サムソンは彼らに言った、「食らう者から食い物が出、強い者から甘い物が出た」。彼らは三日のあいだなぞを解くことができなかった。

なぞは、ししの出来事を踏まえています。食らう者から食い物が出、強い者から甘い物が出た、というものです。サムソンだけが知る秘密に基づいているので、だれにも解けません。

この章に登場する人物

説教が語っていること

ライオンと戦った場所に蜜があるある女性の説教者が、出エジプト記からサムソンまで、聖書の中の蜜の跡をたどります。神は小さなものを用いて大きく養い、戦ったその場所に甘さが見つかることもあります。要約を読む →あなたの障害は、姿を変えた奇跡:王のビジョンジュニアス・アナネは、士師記14章を、自分のししを違う目で見るようにという招きとして読みます。神は宝を困難な状況の中に隠しておられます。問題だけを見つめる奴隷の考え方と、そこに神が隠したものを探す王の考え方を対比します。要約を読む →サムソン、弱き士師:神の約束と、目に見えるもので歩む生き方ジャン=マルク・ボトロンは、サムソンの歩みを三つの段階でたどります。約束、奇跡、そして弱さです。母の胎にいるときから神にささげられながら、彼は自分の目に導かれます。自分の好むものを求めるのか、神が喜ばれるものを求めるのかが問われます。要約を読む →サムソンとデリラ:隠れた弱さがあなたを縛るときジャン=マルク・ボトロンは、ふるまいのなぞから、神に敵対する者のただ中でくつろぎすぎた信仰者の姿を示します。それは、扱われないまま隠れた弱さの始まりであり、やがてそれを抱える人を縛るようになります。要約を読む →

士師記14章についてよくある質問

士師記14章14節のサムソンのなぞは、どういう意味ですか

ししのからだで見つけた蜜についてのなぞです。食らう者であるししから食べ物の蜜が出、強い者から甘い物が出たのです。その出来事を知らなければ、だれにも解けません。多くの説教者は、神は戦いの中から甘いものを生み出されるという教えを引き出します。

律法で禁じられているのに、なぜサムソンはペリシテ人の女をめとるのですか

両親は反対しますが、サムソンは彼女が心にかなうと言って譲りません。聖書は、これが主から出たことで、主がペリシテ人を攻めるおりをうかがっておられたと添えています。サムソンの選択が模範的だったという意味ではなく、神が不完全な決断をも通して働かれるということです。

サムソンはどのようにしてししを殺しますか

若いししが、テムナのぶどう畑で彼に向かってほえたけります。主の霊がサムソンに臨み、彼は子やぎを裂くように、素手でししを裂きます。この物語は力の源を強調しています。単なる体力ではなく、神の霊が働いたのです。

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