エペソ人への手紙1章:あなたを変える手紙の始まり

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混乱の中にいた一人の若い信者に届いた手紙

エペソ人への手紙は、他の手紙とは違います。新約聖書の中でもその形は独特で、パウロがそこにメッセージを込めた仕方も特別です。そして多くの信者にとって、この手紙はまさに必要な時に、混乱のただ中に届く手紙なのです。

この牧師自身がこう語っています。回心してから数か月、彼の人生はまだ混乱していて、あちこちに乱れがありました。ダミアンという名の音楽家の友人が、ある本を彼の手に渡してこう言ったのです。「君のために一冊の本を持ってきたよ」。それがエペソ人への手紙でした。何度も読み返すうちに、多くの問いに答えが与えられ、主はこの手紙を彼の人生に力強く用いられました。

もし今日あなたがエペソ人への手紙1章を開くなら、神様はあなたの中にも同じようなことをしようとしておられるかもしれません。この記事では、この手紙がどこから来たのか、どのように書かれたのか、そして最初の数節があなたの心の中に何を生み出そうとしているのかを、一緒に見ていきましょう。

この記事の構成

1. エペソ教会の始まり ― 神が導かれた「偶然」の出会い

パウロはもともとエペソに教会を建てるつもりはありませんでした。すべてを導いたのは聖霊様です。使徒の働き19章1-7節で、パウロはヨハネの洗礼、つまり悔い改めと備えのバプテスマを受けた十数人の弟子たちと出会います。彼らは来るべきメシアについては聞いていましたが、私たちの罪のために死に、よみがえられたイエス様のことも、ペンテコステの日に送られた聖霊様のことも、まだ聞いていませんでした。

この牧師はわかりやすいたとえを使います。まるで病院の待合室に案内されて、ドアと明かりが閉じられ、翌日になってもまだそこにいて、結局医者に一度も会わないままでいるようなものだと。彼らは福音の始まりは知っていましたが、その続きを知らなかったのです。パウロが教えると、彼らは主イエスの名によってバプテスマを受け、パウロが手を置くと、聖霊様が力強く彼らの上に下られました。

そこからパウロはまず会堂で教え、そこを追われると、今度は哲学の学校で教え続けます。この町は大きく揺さぶられました。病人が癒され、悪霊が追い出され、魔術を行っていた人々は自分たちの書物を公然と焼くようになったのです。「魔術を行っていた多くの者が、その書物を持って来て、みなの前で焼き捨てた。その値段を計算すると、銀五万にのぼった。」(使徒の働き19章19節)

2. 力強く、豊かで、闇に満ちた町

エペソは非常にローマ的な町で、当時この地域で最も重要な港であったと言われています。周辺の多くの小さな町がこの町に依存しており、黙示録に出てくる七つの教会も、エペソを起点とする一つの巡回路の上に位置しています。多くの人がこの哲学の学校でパウロの話を聞き、救われ、それぞれの故郷に福音を持ち帰ったと考えられています。

同時にこの町は非常に闇の深い町でもありました。オカルト、魔術、そして何よりもアルテミス神殿(ラテン語ではディアナ)です。彼女はこの地の狩猟の女神であると同時に、ヴィーナスのようにも崇められていました。パウロの働きはそこで実を結びましたが、緊張も伴いました。彼自身がこう書いています。「五旬節までエペソにとどまるつもりです。有効な働きのために大きな門が私に開かれているのですが、反対者も大勢いるからです。」(コリント人への手紙第一16章8-9節)

この牧師は使徒の働き19章の最後の場面を思い起こさせます。福音によって商売が危うくなった偶像製造業者たちの組合が暴動を引き起こし、町の大競技場を人で満たし、「エペソ人のアルテミスは偉大なり」と叫び続けました。結局パウロはこの町を去らざるを得なくなります。

3. 長老たちとの最後の再会 ― ミレトにて

エルサレムへ向かう前に、パウロはもう一度だけエペソの信者たちに会いたいと願います。エペソに立ち寄る時間がなかったので、彼はミレトに長老たちを呼び寄せます。そこで彼は心を開いてこう語ります。「私は、ユダヤ人の陰謀によって多くの試練に遭いながらも、涙を流し、全く謙遜になって、主に仕えてきました。益になることは何一つ隠さずに、あなたがたに知らせ、人前でも、家々でも教えてきたことは、あなたがたのご承知のとおりです。」(使徒の働き20章19-20節)

そして彼はこう警告を加えます。「あなたがた自身と群れ全体に気を配りなさい。聖霊は、神がご自分の血をもって買い取られた神の教会を牧させるために、あなたがたをその群れの監督にお立てになったのです。私が去った後、狂暴な狼どもがあなたがたの中に入り込んで来て、群れを惜しまないことを、私は知っています。」(使徒の働き20章28-29節)

この教会は特別に祝福されていました。アポロもここを通り、テモテもここで仕え、パウロが建て、そして伝承によれば使徒ヨハネもしばらくこの教会を見守ったと言われています。この教会がどれほど成長し得たか、想像してみてください。

4. すでにすべてを教えたはずなのに、なぜパウロはまた手紙を書くのか

これが本当の問いです。答えは使徒の働きのこの後の展開の中にあります。エルサレムへ向かうパウロにとって、事はまったく予想通りには進みません。彼は世間知らずな総督フェリクスの手に落ち、命を危険にさらされます。ついにパウロは、自分を暗殺しようとする宗教指導者たちに引き渡されないよう、カエサルに上訴します。こうして彼の長い捕らわれの期間が始まり、それは何年にも及び、ついにローマへ、ネロの前へと導かれていきます。彼自身、生き延びられるかどうか分からない状態です。

その中から書かれた手紙の一つが、このエペソ人への手紙です。時が経ち、その調子も違ってきています。コリント人への手紙やガラテヤ人への手紙にあるような「誰々によろしく」「誰々と一緒にいる」といった個人的なつながりの言葉がほとんどありません。特定の誤りを鋭く正すような箇所もありません。パウロは別のことをしているのです。手紙の形をとった、一つの説教です。前半は「あなたがたはこういう者であり、神はあなたがたのためにこれほどのことをしてくださった」と語り、後半は「神があなたがたのためにこれをしてくださったのだから、こう生きなさい」と語ります。

もう一つの手がかりがあります。最も古い写本では、1節に「エペソにある」という言葉がありません。今日多くの専門家は、この手紙がエペソを中心とする地域全体に宛てられ、後にこの題で伝えられるようになったと考えています。だからこそ、現代の聖書ではしばしば「エペソにある」がかっこ書きになっているのです。

5. 挨拶 ― 神が本当にあなたに望んでおられること

「神のみこころによるキリスト・イエスの使徒パウロから、エペソにいる聖徒たち、キリスト・イエスにある忠実な人々へ。私たちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安があなたがたにありますように。」(エペソ人への手紙1章1-2節)

パウロは「聖徒たち、忠実な人々へ」と書いています。聖徒とは超人ではありません。私たちと同じ罪人です。ただ、神のみこころがその人たちを訪れ、福音がその人たちを変えたのです。彼らは罪のために死んでいましたが、神が生かしてくださいました。彼らはキリストに信仰を置き、御父はイエス様が成し遂げてくださったことを通して彼らを見ておられます。無罪であり、清く、きよめられた者として。彼らは厳しい町の中で、魔術と、ローマ帝国と、日々の重圧の中でも、しっかりと踏みとどまりました。彼らはイエス様に忠実であり続けたのです。

では、あれほどのことを通り抜けてきた彼らのために、神は何を望んでおられるのでしょうか。その答えは、少し意外なほどシンプルです。「恵みと平安」です。これらはギリシア語圏でもヘブライ語圏でも一般的な挨拶ですが、パウロの筆にかかると、そこに無駄なものは一つもありません。この牧師はとても分かりやすいたとえを語ります。誰かが本当は聞く気もないのに「元気?」と言うときと、誰かが本当にあなたのことを気にかけて同じ言葉を口にするときの違いを、あなたはよく知っているはずです。パウロは後者です。

古い契約のもとでは、イスラエルは神を呼ぶ契約の名を持っていました。主(ヤハウェ)、「今おられ、昔おられ、やがて来られる方」です。新しい契約のもとでは、教会は神を呼ぶ別の契約の名を受け取ります。父です。そしてそれは実に優しい呼び名です。あなたは神があなたの父であることに値するようなことは何もしていません。私たちの多くは、その名にふさわしい父を持ったことがないかもしれません。けれども神はあなたの父です。それが恵みです。あなたが決して勝ち取ることのできない好意であり、神があなたに注いでくださる限りない愛です。

6. あらゆる霊的祝福をもって祝福された者

パウロはすぐに続けて、いかにもユダヤ教のラビらしい祈り、安息日や祭りの前に唱えられるような賛美を語ります。「私たちの主イエス・キリストの父である神がほめたたえられますように。神はキリストにあって、天上のあらゆる霊的祝福をもって私たちを祝福してくださいました。」(エペソ人への手紙1章3節)

あなたはすでにキリストにあってすべてを受けています。なぜなら、キリストが十字架ですべての代価を払ってくださったからです。罪のために死んでいたあなたを、神は恵みによって、信仰を通して生かしてくださいました。霊的には、あなたには何一つ欠けているものはありません。あとはそれを受け取り、日々の生活の中で用いていくだけです。

この牧師は、心に刺さるたとえを語ります。「私たちはとてもよく、何も使わない億万長者のように生きています。もっと悪いのは、自分が持っているものを使えると思えないために、少額の借金を繰り返す億万長者のように生きていることです。」神は気前がいい方です。あなたの父は気前がいい方です。神はあなたに何かを少し与えただけではありません。あなたをあらゆる祝福をもって祝福してくださったのです。

覚えておきたいポイント

  • エペソ人への手紙は、人間の計画から生まれたものではありません。エペソで数人の弟子たちとパウロを出会わせたのは聖霊様であり、そこから力強い教会が生まれました。
  • この町は豊かで、力強く、闇に満ちていました。福音は涙と対立と暴動を代価としてこの町に浸透していきました。信仰はしばしば、そのような土壌の中で成熟していくのです。
  • パウロはこの手紙を、生き延びられるかどうかも分からない捕らわれの状態の中から書いています。これは手紙の形をとった説教です。まずあなたがキリストにあってどういう者であるか、次にどう生きるように召されているかが語られます。
  • 神があなたに望んでおられることは、まず第一に何かの成果ではなく、恵みと平安です。あなたを愛し、あなたと神様との間のあらゆる隔てを取り除いてくださった父から受け取るものです。
  • あなたはすでにキリストにあって「あらゆる霊的祝福」をもって祝福されています。問題は、受け取っていないものがあることではなく、まだ受け取り方を学んでいないものがあることなのです。

個人への適用

  1. あなたの「混乱」は今、どこにありますか。この牧師が友人ダミアンを通して受け取ったように、神はあなたの手にエペソ人への手紙を置こうとしておられます。それがあなたに語りかけるまで、ゆっくりと、何度も読み返す備えはできていますか。
  2. あなたは、神があなたの父であることを知っている子どものように生きていますか、それとも、いまだにそれを勝ち取ろうとしている人のように生きていますか。神を父として受け取ることで、今週何が変わるでしょうか。
  3. まず自分が神との平安をいただく前に、平安を与えようとしている関係はありませんか。誰かに平安をもたらす前に、あなた自身が受け取るべき「平安」はどこにありますか。
  4. あなたはすでにあらゆる祝福をもって祝福されているのに、どんな霊的な「リボ払い」をし続けていますか。恐れ、落胆、比較、忙しさへの逃避でしょうか。
  5. 具体的に、今週あなたはキリストにあるその富を、祈りの中で、賛美の中で、証しの中で、どのように「使い」始めますか。

引用された聖句

よくある質問

エペソ人への手紙はなぜ独特だと言われるのですか。

それは、パウロの他の手紙とは形が違うからです。特定の誤りを正すこともなく、個人的な近況もあまり語られていません。むしろ、手紙の形をとった一つの説教のようです。前半であなたがキリストにあってどういう者であるかを長く語り、後半でそれにふさわしくどう生きるかを語ります。さらに、一部の古い写本には「エペソにある」という言葉がなく、この手紙が最初はこの地域全体に宛てて回覧されていたことをうかがわせます。

パウロはいつ、どこからエペソ人への手紙を書いたのですか。

パウロはこの手紙を、エペソを去ってから何年も後、捕らわれの身にあるときに書いています。彼はローマの監視下に置かれ、自分を暗殺しようとする者たちに引き渡されないためにカエサルに上訴し、ネロの前での裁判を生き延びられるかどうかも分からない状態です。彼は一人の囚人として、迫り来る嵐に備えて、愛する教会をキリストにあるアイデンティティの中にしっかりと根付かせるために、この手紙を書いています。

「あらゆる霊的祝福をもって祝福された」とはどういう意味ですか。

それは、あなたが霊的に必要とするものはすでにすべてキリストにあって与えられている、という意味です。あなたが何かを付け加える必要はありません。あなたはただそれを受け取り、日々の生活の中で用いていくだけです。この牧師は、信者を、自分の財産に一度も手をつけないまま暮らし、そのうえ生活のために小さな借金を重ねる億万長者にたとえています。神、あなたの父は、あなたにささやかな贈り物を一つ与えただけではありません。天上において、キリストにあって、あなたをあらゆる祝福をもって祝福してくださったのです。

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