聖書の人物 クロエ

生涯、名前の意味、人生の教訓

要約

クロエは、新約聖書でコリント人への手紙第一1章11節にただ一度だけ名が出る女性です。一世紀半ば、「クロエの家の者たち」と呼ばれる人々が、コリントの教会に争いがあることを使徒パウロに知らせました。聖書は彼女自身について、住んでいた場所さえ記していません。心に残るのは、この人々が問題を隠さず、しかるべき人に率直に伝え、教会がキリストにある一致を取り戻す道を開いたことです。

クロエという名前の意味

クロエはギリシア語に由来する名で、春に芽吹く若草や緑の若芽を表す言葉と結びつけて理解されるのが一般的です。聖書はこの名の意味を説明せず、クロエの家族についても何も記していません(コリント人への手紙第一1章11節)。

クロエの生涯

  1. 一致への呼びかけ

    コリント人への手紙第一1章10節

    パウロは手紙の冒頭で、強い勧めを述べます。主イエス・キリストの名によって、みな語ることを一つにし、分争がないようにして、同じ心、同じ思いになるようにと願うのです。心配の理由を説明する前に、パウロは大切な前提を置きます。教会はキリストのものであり、分裂は福音に反するということです。

  2. クロエの家の者たちの知らせ

    コリント人への手紙第一1章11節

    パウロは情報源を明かします。「クロエの家の者たちから、あなたがたの間に争いがあると聞かされている」。出所の分からないうわさに頼らず、知らせた人々を名指ししています。この人々が家族だったのか、使用人だったのか、親しい者たちだったのかは、本文には書かれていません。

  3. 人の名をめぐる派閥

    コリント人への手紙第一1章12-16節

    問題は具体的でした。ある人はパウロに、ある人はアポロに、ある人はケパに、またある人はキリストにつくと言い合っていたのです。パウロは「キリストは、いくつにも分けられたのか」と問いかけます。彼らのために十字架につけられたのはパウロではなく、彼らが受けたバプテスマも彼の名によるものではありませんでした。

  4. 十字架への立ち返り

    コリント人への手紙第一1章17-18節

    パウロは派閥の頭になることを拒みます。キリストが彼を遣わしたのは、バプテスマを授けるためではなく、福音を宣べ伝えるためであり、それも十字架がむなしくならないよう、言葉の知恵によらずにでした。十字架の言葉は、滅びる者には愚かですが、救われる者には神の力です。クロエの家の者たちの知らせは、パウロを福音の中心へと導きました。

  5. 成長させてくださる神

    コリント人への手紙第一3章5-7節

    パウロはのちにもこの分裂に触れます。アポロと自分は、人々を信仰に導いた僕にすぎません。わたしは植え、アポロは水をそそぎましたが、成長させてくださるのは神です。指導者は互いに対抗するための旗印ではなく、教会は成長を与えてくださる神だけを見上げるべきなのです。

クロエから学ぶこと

  • 問題をうわさ話で長引かせるより、しかるべき人に事実を伝えるほうが良い。
  • 身元の分かる人々が率直に伝えた情報によって、困難を真実のうちに扱うことができる。
  • 人物を中心にした分裂は、キリストのからだの一致に反する。
  • 指導者は僕にすぎず、教会を成長させてくださるのは神である。
  • 一文で触れられるだけの目立たない役割も、教会全体の健全さに仕えることができる。

鍵となる聖句

コリント人への手紙第一1章10節

クロエに触れる前の勧めです。パウロは主イエス・キリストの名によって、信者たちが語ることを一つにし、同じ心、同じ思いで堅く結び合うよう求めています。

コリント人への手紙第一1章11節

クロエの名が出る唯一の節です。パウロは知らせた人々を隠さず示しており、コリントの問題が単なるうわさではなく、周知の深刻な事実だったことが分かります。

エペソ人への手紙4章3節

一致は自然には保たれません。信者は平和のきずなで結ばれて、聖霊による一致を守り続けるよう努めるべきで、分裂したコリントの人々はこれを見失っていました。

クロエについての説教

よくある質問

聖書のクロエとは誰ですか。

クロエは、コリント人への手紙第一1章11節に一度だけ名が出る女性です。「クロエの家の者たち」と呼ばれる周囲の人々が、コリントの教会の争いをパウロに知らせました。聖書は、彼女がどこに住んでいたのか、教会でどんな役割だったのか、コリントにいたのかどうかを記していません。

クロエという名前にはどんな意味がありますか。

クロエはギリシア語の名で、緑の若芽や新しい草を思わせる言葉と結びつけられるのが一般的です。聖書はこの名を説明していません。物語で大切なのは名の意味ではなく、クロエの家の者たちが、パウロがコリントの分裂に向き合えるようにしたという働きです。

クロエは聖書のどこに出てきますか。

クロエが出てくるのは、パウロがコリントの教会に宛てた最初の手紙の冒頭、コリント人への手紙第一1章11節だけです。文脈を知るには1章全体を読み、パウロが一致を求めて教会を十字架に立ち返らせる様子を見たうえで、3章で彼とアポロをめぐる派閥に再び触れる箇所も読んでください。

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