聖書 — 口語訳 (1955)

エゼキエル書 37

概要

エゼキエル書37章には、旧約聖書の中でもよく知られた幻が記されています。バビロン捕囚のさなか、預言者は非常に枯れた骨で満ちた谷に置かれます。神が預言するよう命じると、骨は集まり、肉におおわれ、やがて神の息を受けます。この光景は、望みが尽きたと思っていたイスラエルの回復を告げています。後半の二本の木の場面は、ひとりの牧者のもとで民が一つになること、永遠の平和の契約、そして神が民の中におられることを約束します。

この章の5つの区分

  1. 1-6節骨の谷:これらの骨は生き返ることができるのか
  2. 7-10節骨が集まり、息によって生きる
  3. 11-14節幻の意味:神は民の墓を開かれる
  4. 15-23節二本の木が一つに:ただ一つの民
  5. 24-28節ひとりの君、平和の契約、民のうちにある神の聖所

1主の手がわたしに臨み、主はわたしを主の霊に満たして出て行かせ、谷の中にわたしを置かれた。そこには骨が満ちていた。

2彼はわたしに谷の周囲を行きめぐらせた。見よ、谷の面には、はなはだ多くの骨があり、皆いたく枯れていた。

3彼はわたしに言われた、「人の子よ、これらの骨は、生き返ることができるのか」。わたしは答えた、「主なる神よ、あなたはご存じです」。

4彼はまたわたしに言われた、「これらの骨に預言して、言え。枯れた骨よ、主の言葉を聞け。

5主なる神はこれらの骨にこう言われる、見よ、わたしはあなたがたのうちに息を入れて、あなたがたを生かす。

6わたしはあなたがたの上に筋を与え、肉を生じさせ、皮でおおい、あなたがたのうちに息を与えて生かす。そこであなたがたはわたしが主であることを悟る」。

7わたしは命じられたように預言したが、わたしが預言した時、声があった。見よ、動く音があり、骨と骨が集まって相つらなった。

8わたしが見ていると、その上に筋ができ、肉が生じ、皮がこれをおおったが、息はその中になかった。

9時に彼はわたしに言われた、「人の子よ、息に預言せよ、息に預言して言え。主なる神はこう言われる、息よ、四方から吹いて来て、この殺された者たちの上に吹き、彼らを生かせ」。

10そこでわたしが命じられたように預言すると、息はこれにはいった。すると彼らは生き、その足で立ち、はなはだ大いなる群衆となった。

11そこで彼はわたしに言われた、「人の子よ、これらの骨はイスラエルの全家である。見よ、彼らは言う、『われわれの骨は枯れ、われわれの望みは尽き、われわれは絶え果てる』と。

12それゆえ彼らに預言して言え。主なる神はこう言われる、わが民よ、見よ、わたしはあなたがたの墓を開き、あなたがたを墓からとりあげて、イスラエルの地にはいらせる。

13わが民よ、わたしがあなたがたの墓を開き、あなたがたをその墓からとりあげる時、あなたがたは、わたしが主であることを悟る。

14わたしがわが霊を、あなたがたのうちに置いて、あなたがたを生かし、あなたがたをその地に安住させる時、あなたがたは、主なるわたしがこれを言い、これをおこなったことを悟ると、主は言われる」。

15主の言葉がわたしに臨んだ、

16「人の子よ、あなたは一本の木を取り、その上に『ユダおよびその友であるイスラエルの子孫のために』と書き、また一本の木を取って、その上に『ヨセフおよびその友であるイスラエルの全家のために』と書け。これはエフライムの木である。

17あなたはこれらを合わせて、一つの木となせ。これらはあなたの手で一つになる。

18あなたの民の人々があなたに向かって、『これはなんのことであるか、われわれに示してくれないか』と言う時は、

19これに言え、主なる神はこう言われる、見よ、わたしはエフライムの手にあるヨセフと、その友であるイスラエルの部族の木を取り、これをユダの木に合わせて、一つの木となす。これらはわたしの手で一つとなる。

20あなたが文字を書いた木が、彼らの目の前で、あなたの手にあるとき、

21あなたは彼らに言え。主なる神は、こう言われる、見よ、わたしはイスラエルの人々を、その行った国々から取り出し、四方から彼らを集めて、その地にみちびき、

22その地で彼らを一つの民となしてイスラエルの山々におらせ、ひとりの王が彼ら全体の王となり、彼らは重ねて二つの国民とならず、再び二つの国に分れない。

23彼らはまた、その偶像と、その憎むべきことどもと、もろもろのとがとをもって、身を汚すことはない。わたしは彼らを、その犯したすべての背信から救い出して、これを清める。そして彼らはわが民となり、わたしは彼らの神となる。

24わがしもべダビデは彼らの王となる。彼らすべての者のために、ひとりの牧者が立つ。彼らはわがおきてに歩み、わが定めを守って行う。

25彼らはわがしもべヤコブに、わたしが与えた地に住む。これはあなたがたの先祖の住んだ所である。そこに彼らと、その子らと、その子孫とが永遠に住み、わがしもべダビデが、永遠に彼らの君となる。

26わたしは彼らと平和の契約を結ぶ。これは彼らの永遠の契約となる。わたしは彼らを祝福し、彼らをふやし、わが聖所を永遠に彼らの中に置く。

27わがすみかは彼らと共にあり、わたしは彼らの神となり、彼らはわが民となる。

28そしてわが聖所が永遠に、彼らのうちにあるようになるとき、諸国民は主なるわたしが、イスラエルを聖別する者であることを悟る」。

鍵となる聖句

3節
彼はわたしに言われた、「人の子よ、これらの骨は、生き返ることができるのか」。わたしは答えた、「主なる神よ、あなたはご存じです」。

神は、これらの骨は生き返ることができるのかと問われ、エゼキエルは、あなたはご存じですと答えます。預言者は答えを知っているふりをせず、いのちを与えることのできる唯一の方にゆだねています。

5-6節
主なる神はこれらの骨にこう言われる、見よ、わたしはあなたがたのうちに息を入れて、あなたがたを生かす。 わたしはあなたがたの上に筋を与え、肉を生じさせ、皮でおおい、あなたがたのうちに息を与えて生かす。そこであなたがたはわたしが主であることを悟る」。

神は、骨の中に息を入れて生かすと約束されます。ヘブライ語で「息」と訳される言葉は、霊や風も意味するため、いくつもの意味が同時に響きます。

9節
時に彼はわたしに言われた、「人の子よ、息に預言せよ、息に預言して言え。主なる神はこう言われる、息よ、四方から吹いて来て、この殺された者たちの上に吹き、彼らを生かせ」。

骨にはすでに肉と皮がありますが、まだ息がありません。預言者は息そのものに語りかけなければなりません。いのちは外側の修復から来るのではなく、神から来るのです。

26-27節
わたしは彼らと平和の契約を結ぶ。これは彼らの永遠の契約となる。わたしは彼らを祝福し、彼らをふやし、わが聖所を永遠に彼らの中に置く。 わがすみかは彼らと共にあり、わたしは彼らの神となり、彼らはわが民となる。

神は、永遠の平和の契約と、民のうちにある聖所を約束されます。章は、神が民と共におられるという結びに至ります。このテーマは黙示録にも再び現れます。

この章に登場する人物

説教が語っていること

エゼキエル書37章についてよくある質問

エゼキエル書37章の枯れた骨の谷は何を意味しますか

望みがないと言っていた、捕囚のイスラエルの民を表しています。神は11節で、これらの骨はイスラエルの全家であると説明されます。そしてご自身の霊によって、彼らにいのちを返し、その地に連れ帰ると約束されます。多くのクリスチャンは、そこに御霊が与える新しいいのちの姿も見ています。

なぜエゼキエルは二度預言しなければならないのですか

最初の預言で骨は集まり、肉と皮におおわれますが、いのちはありません。二度目の預言は神の息を呼び求め、そのとき骨は生き返ります。回復はまず神のことばのわざであり、次に御霊のわざであって、御霊なしには何も本当には生きないことを、この箇所は示しています。

エゼキエル書37章15節から28節の二本の木は何を意味しますか

一本にはユダの名が、もう一本にはヨセフとエフライムの名が記されます。ソロモンの時代から分かれていた南の王国と北の王国です。神はそれらをご自分の手の中で一本の木に合わせられます。この行為は、ひとりの君のもとに一つとなる民を告げ、クリスチャンはイエスにおいて成就した約束と読みます。

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