聖書 — 口語訳 (1955)

ヨシュア記 2

概要

ヨシュア記2章で、ヨシュアは二人の斥候を密かに遣わし、特にエリコの町を探らせます。二人は、家が城壁の上にある遊女ラハブの家に迎えられます。町の王が二人を捜させると、ラハブは二人を亜麻の茎の下にかくし、追っ手を間違った方向へ向かわせます。彼女は、主がこの地をイスラエルに与えられたと認め、家族の命を助けてほしいと願います。斥候たちはそれを約束し、窓に赤いひもを結ぶという印を定めます。その後、二人はヨシュアのもとへ戻ります。

この章の4つの区分

  1. 1-7節ラハブの家の屋根にかくまわれた斥候たち
  2. 8-14節ラハブの告白と、斥候たちの誓い
  3. 15-21節窓からの脱出と赤いひも
  4. 22-24節ヨシュアのもとへの帰還

1ヌンの子ヨシュアは、シッテムから、ひそかにふたりの斥候をつかわして彼らに言った、「行って、その地、特にエリコを探りなさい」。彼らは行って、名をラハブという遊女の家にはいり、そこに泊まったが、

2エリコの王に、「イスラエルの人々のうちの数名の者が今夜この地を探るために、はいってきました」と言う者があったので、

3エリコの王は人をやってラハブに言った、「あなたの所にきて、あなたの家にはいった人々をここへ出しなさい。彼らはこの国のすべてを探るためにきたのです」。

4しかし、女はすでにそのふたりの人を入れて彼らを隠していた。そして彼女は言った、「確かにその人々はわたしの所にきました。しかし、わたしはその人々がどこからきたのか知りませんでしたが、

5たそがれ時、門の閉じるころに、その人々は出て行きました。どこへ行ったのかわたしは知りません。急いであとを追いなさい。追いつけるでしょう」。

6その実、彼女はすでに彼らを連れて屋根にのぼり、屋上に並べてあった亜麻の茎の中に彼らを隠していたのである。

7そこでその人々は彼らのあとを追ってヨルダンの道を進み、渡し場へ向かった。あとを追う者が出て行くとすぐ門は閉ざされた。

8ふたりの人がまだ寝ないうち、ラハブは屋上にのぼって彼らの所にきた。

9そして彼らに言った、「主がこの地をあなたがたに賜わったこと、わたしたちがあなたがたをひじょうに恐れていること、そしてこの地の民がみなあなたがたの前に震えおののいていることをわたしは知っています。

10あなたがたがエジプトから出てこられた時、主があなたがたの前で紅海の水を干されたこと、およびあなたがたが、ヨルダンの向こう側にいたアモリびとのふたりの王シホンとオグにされたこと、すなわちふたりを、全滅されたことを、わたしたちは聞いたからです。

11わたしたちはそれを聞くと、心は消え、あなたがたのゆえに人々は全く勇気を失ってしまいました。あなたがたの神、主は上の天にも、下の地にも、神でいらせられるからです。

12それで、どうか、わたしがあなたがたを親切に扱ったように、あなたがたも、わたしの父の家を親切に扱われることをいま主をさして誓い、確かなしるしをください。

13そしてわたしの父母、兄弟、姉妹およびすべて彼らに属するものを生きながらえさせ、わたしたちの命を救って、死を免れさせてください」。

14ふたりの人は彼女に言った、「もしあなたがたが、われわれのこのことを他に漏らさないならば、われわれは命にかけて、あなたがたを救います。また主がわれわれにこの地を賜わる時、あなたがたを親切に扱い、真実をつくしましょう」。

15そこでラハブは綱をもって彼らを窓からつりおろした。その家が町の城壁の上に建っていて、彼女はその城壁の上に住んでいたからである。

16ラハブは彼らに言った、「追手に会わないように、あなたがたは山へ行って、三日の間そこに身を隠し、追手の帰って行くのを待って、それから去って行きなさい」。

17ふたりの人は彼女に言った、「あなたがわれわれに誓わせたこの誓いについて、われわれは罪を犯しません。

18われわれがこの地に討ち入る時、わたしたちをつりおろした窓に、この赤い糸のひもを結びつけ、またあなたの父母、兄弟、およびあなたの父の家族をみなあなたの家に集めなさい。

19ひとりでも家の戸口から外へ出て、血を流されることがあれば、その責めはその人自身のこうべに帰すでしょう。われわれに罪はありません。しかしあなたの家の中にいる人に手をかけて血を流すことがあれば、その責めはわれわれのこうべに帰すでしょう。

20またあなたが、われわれのこのことを他に漏らすならば、あなたがわれわれに誓わせた誓いについては、われわれに罪はありません」。

21ラハブは言った、「あなたがたの仰せのとおりにいたしましょう」。こうして彼らを送り出したので、彼らは去った。そして彼女は赤いひもを窓に結んだ。

22彼らは立ち去って山にはいり、追手が帰るのを待って、三日の間そこにとどまった。追手は彼らをあまねく道に捜したが、ついに見つけることができなかった。

23こうしてふたりの人はまた山を下り、川を渡って、ヌンの子ヨシュアのもとにきて、その身に起ったことをつぶさに述べた。

24そしてヨシュアに言った、「ほんとうに主はこの国をことごとくわれわれの手にお与えになりました。この国の住民はみなわれわれの前に震えおののいています」。

鍵となる聖句

1節
ヌンの子ヨシュアは、シッテムから、ひそかにふたりの斥候をつかわして彼らに言った、「行って、その地、特にエリコを探りなさい」。彼らは行って、名をラハブという遊女の家にはいり、そこに泊まったが、

神は、だれも思いもしなかった女性のもとへ斥候たちを導かれます。物語は、ヨシュアと民から離れて、エリコの一軒の家と一人の女性へと視線を移します。

9節
そして彼らに言った、「主がこの地をあなたがたに賜わったこと、わたしたちがあなたがたをひじょうに恐れていること、そしてこの地の民がみなあなたがたの前に震えおののいていることをわたしは知っています。

ラハブは、主がこの地をイスラエルに与えられたこと、住民が恐れに捕らえられていることを語ります。彼女は神のなさったことを聞き、自分の民とは違って、そこから信仰による結論を引き出しました。

12-13節
それで、どうか、わたしがあなたがたを親切に扱ったように、あなたがたも、わたしの父の家を親切に扱われることをいま主をさして誓い、確かなしるしをください。 そしてわたしの父母、兄弟、姉妹およびすべて彼らに属するものを生きながらえさせ、わたしたちの命を救って、死を免れさせてください」。

ラハブは、自分が示した好意にもとづいて、家族全員を生かしてほしいと斥候たちに願います。彼女の信仰は個人のものにとどまらず、愛する人々のことを思っています。

14節
ふたりの人は彼女に言った、「もしあなたがたが、われわれのこのことを他に漏らさないならば、われわれは命にかけて、あなたがたを救います。また主がわれわれにこの地を賜わる時、あなたがたを親切に扱い、真実をつくしましょう」。

斥候たちは、ラハブに親切と真実をもって報いると約束しますが、一つ条件を付けます。何も漏らさないことです。救いは、明確な約束を伴う契約の枠組みの中で差し出されます。

18節
われわれがこの地に討ち入る時、わたしたちをつりおろした窓に、この赤い糸のひもを結びつけ、またあなたの父母、兄弟、およびあなたの父の家族をみなあなたの家に集めなさい。

窓に結ぶ赤いひもは、彼女の家を区別するしるしとなります。多くの説教者はこれを、神の守りのもとに身を寄せる人に差し出された救いの象徴と見ています。

この章に登場する人物

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説教が語っていること

ヨシュア記2章についてよくある質問

ヨシュア記2章のラハブとは誰ですか

ラハブはエリコの女性で、遊女と記されています。ヨシュアが遣わした二人の斥候を迎え、かくまいます。彼女は、主がこの地をイスラエルに与えておられると認め、家族の救いを願います。新約聖書は、マタイの福音書1章で彼女をイエスの先祖の一人として挙げています。

ラハブの赤いひもは何を意味しますか

斥候たちはラハブに、窓に赤いひもを結ぶよう求めます。このしるしによって、見逃されるべき家が見分けられます。多くの読者はこれを、神の守りのもとに身を置く人に差し出された救いの象徴と見ますが、聖書自体はそれ以上は語っていません。

ヨシュア記2章で、ラハブが偽りを言ったのは正しかったのですか

ラハブは二人の命を守るために王の使いをだましましたが、聖書はここで彼女を責めていません。説教者の中には慎重さを促す人もいます。彼女の場合は特定の場面で、圧力の中にあり、まだ芽生えたばかりの信仰のもとでの出来事だからです。信者の間でも、そこから偽りについての一般的な規則を引き出せるかどうかについては、意見が分かれています。

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