聖書 — 口語訳 (1955)
ルツ記 4
概要
ルツ記4章は、この書の結末です。町の門で、十人の長老の前で、ボアズは最も近い親戚に、ナオミの地所をあがなうよう申し出ます。親戚は、ルツをもめとらなければならないと聞いて身を引きます。そこでボアズが地所をあがない、ルツを妻にします。ルツは男の子オベデを産み、ベツレヘムの女たちは、その子をナオミを支える者として祝います。章は、ダビデ王へと続く系図で閉じられます。
この章の4つの区分
1ボアズは町の門のところへ上っていって、そこにすわった。すると、さきにボアズが言った親戚の人が通り過ぎようとしたので、ボアズはその人に言った、「友よ、こちらへきて、ここにおすわりください」。彼はきてすわった。
2ボアズはまた町の長老十人を招いて言った、「ここにおすわりください」。彼らがすわった時、
3ボアズは親戚の人に言った、「モアブの地から帰ってきたナオミは、われわれの親族エリメレクの地所を売ろうとしています。
4それでわたしはそのことをあなたに知らせて、ここにすわっている人々と、民の長老たちの前で、それを買いなさいと、あなたに言おうと思いました。もし、あなたが、それをあがなおうと思われるならば、あがなってください。しかし、あなたがそれをあがなわないならば、わたしにそう言って知らせてください。それをあがなう人は、あなたのほかにはなく、わたしはあなたの次ですから」。彼は言った、「わたしがあがないましょう」。
5そこでボアズは言った、「あなたがナオミの手からその地所を買う時には、死んだ者の妻であったモアブの女ルツをも買って、死んだ者の名を起してその嗣業を伝えなければなりません」。
6その親戚の人は言った、「それでは、わたしにはあがなうことができません。そんなことをすれば自分の嗣業をそこないます。あなたがわたしに代って、自分であがなってください。わたしはあがなうことができませんから」。
7むかしイスラエルでは、物をあがなう事と、権利の譲渡について、万事を決定する時のならわしはこうであった。すなわち、その人は、自分のくつを脱いで、相手の人に渡した。これがイスラエルでの証明の方法であった。
8そこで親戚の人がボアズにむかい「あなたが自分であがないなさい」と言って、そのくつを脱いだので、
9ボアズは長老たちとすべての民に言った、「あなたがたは、きょう、わたしがエリメレクのすべての物およびキリオンとマロンのすべての物をナオミの手から買いとった事の証人です。
10またわたしはマロンの妻であったモアブの女ルツをも買って、わたしの妻としました。これはあの死んだ者の名を起してその嗣業を伝え、死んだ者の名がその一族から、またその郷里の門から断絶しないようにするためです。きょうあなたがたは、その証人です」。
11すると門にいたすべての民と長老たちは言った、「わたしたちは証人です。どうぞ、主があなたの家にはいる女を、イスラエルの家をたてたラケルとレアのふたりのようにされますよう。どうぞ、あなたがエフラタで富を得、ベツレヘムで名を揚げられますように。
12どうぞ、主がこの若い女によってあなたに賜わる子供により、あなたの家が、かのタマルがユダに産んだペレヅの家のようになりますように」。
13こうしてボアズはルツをめとって妻とし、彼女のところにはいった。主は彼女をみごもらせられたので、彼女はひとりの男の子を産んだ。
14そのとき、女たちはナオミに言った、「主はほむべきかな、主はあなたを見捨てずに、きょう、あなたにひとりの近親をお授けになりました。どうぞ、その子の名がイスラエルのうちに高く揚げられますように。
15彼はあなたのいのちを新たにし、あなたの老年を養う者となるでしょう。あなたを愛するあなたの嫁、七人のむすこにもまさる彼女が彼を産んだのですから」。
16そこでナオミはその子をとり、ふところに置いて、養い育てた。
17近所の女たちは「ナオミに男の子が生れた」と言って、彼に名をつけ、その名をオベデと呼んだ。彼はダビデの父であるエッサイの父となった。
18さてペレヅの子孫は次のとおりである。ペレヅからヘヅロンが生れ、
19ヘヅロンからラムが生れ、ラムからアミナダブが生れ、
20アミナダブからナションが生れ、ナションからサルモンが生れ、
21サルモンからボアズが生れ、ボアズからオベデが生れ、
22オベデからエッサイが生れ、エッサイからダビデが生れた。
鍵となる聖句
またわたしはマロンの妻であったモアブの女ルツをも買って、わたしの妻としました。これはあの死んだ者の名を起してその嗣業を伝え、死んだ者の名がその一族から、またその郷里の門から断絶しないようにするためです。きょうあなたがたは、その証人です」。
ボアズは、モアブの女ルツをめとり、死んだ者の名をその嗣業に起こすと、公に宣言します。彼は、あがなう親戚として、証人たちの前で行動します。
そのとき、女たちはナオミに言った、「主はほむべきかな、主はあなたを見捨てずに、きょう、あなたにひとりの近親をお授けになりました。どうぞ、その子の名がイスラエルのうちに高く揚げられますように。
女たちは、ナオミを近親なしに見捨てなかった主をほめたたえます。自分は空しいと言っていた人が、いまは人々に囲まれ、その歩みは神のみわざとして認められます。
彼はあなたのいのちを新たにし、あなたの老年を養う者となるでしょう。あなたを愛するあなたの嫁、七人のむすこにもまさる彼女が彼を産んだのですから」。
その子は、ナオミのいのちを新たにし、老年を養う者となります。女たちはまた、ルツはナオミにとって七人のむすこにもまさると語ります。当時としては、これは大きな賛辞です。
近所の女たちは「ナオミに男の子が生れた」と言って、彼に名をつけ、その名をオベデと呼んだ。彼はダビデの父であるエッサイの父となった。
近所の女たちは、ナオミに男の子が生まれたと言い、その子をオベデと名づけます。この節は、書全体の行き着く先を明かします。オベデは、ダビデの父エッサイの父となりました。
この章に登場する人物
説教が語っていること
ルツ記4章についてよくある質問
ルツ記4章のあがないの権利とは何ですか
イスラエルの律法では、近い親戚が、困窮した親族の土地をあがない、嗣業が一族のうちに保たれるようにすることができました。また、死んだ者の名を起こす責任もありました。ボアズはナオミとルツのあがない主であり、そのためこの章はクリスチャンにとって象徴的な意味を持ちます。
なぜ最初の親戚は地所をあがなうことを断るのですか
最初は地所を買うつもりでした。しかし、死んだ者の名を起こすために、ルツをもめとらなければならないとボアズが加えると、自分の嗣業をそこなうことを恐れて身を引きます。彼は自分の財産を守ることを選びました。ボアズは、自分の分を危うくしてでも、代わりに引き受けます。
ルツ記4章とダビデ王には、どんな関係がありますか
章は、ペレヅの系図で終わります。ルツとボアズにオベデが生まれ、オベデはエッサイの父、エッサイはダビデの父です。外国人でやもめのモアブの女が、こうしてイスラエルの王家の系譜に連なります。新約聖書でも、ルツはイエスの系図に名を連ねています。
ルツ記 4を引用している記事
口語訳(1955年)— パブリックドメイン。