聖書 — 口語訳 (1955)

詩篇 55

概要

詩篇55篇は、深い苦しみの中でささげられたダビデの祈りです。敵はしえたげ、町には暴力が満ちていますが、ダビデを何より打ちのめしたのは、ともに神の宮に上った親しい友の裏切りでした。彼は恐れおののく心を打ち明け、はとのような翼で飛び去りたいと願います。そして夕べにも、あしたにも、真昼にも神に呼ばわります。詩篇は一つの招きに行き着きます。あなたの荷を主にゆだねなさい。主があなたを支えてくださいます。

この章の4つの区分

  1. 1-8節苦しみの叫びと、はとのように飛び去りたい願い
  2. 9-15節町に満ちる暴力と、親しい友の裏切り
  3. 16-21節神に呼ばわる祈りと、裏切り者の姿
  4. 22-23節あなたの荷を主にゆだねよ:主が支えてくださる

1神よ、わたしの祈に耳を傾けてください。わたしの願いを避けて身を隠さないでください。

2わたしにみこころをとめ、わたしに答えてください。わたしは悩みによって弱りはて、

3敵の声と、悪しき者のしえたげとによって 気が狂いそうです。彼らはわたしに悩みを臨ませ、怒ってわたしを苦しめるからです。

4わたしの心はわがうちにもだえ苦しみ、死の恐れがわたしの上に落ちました。

5恐れとおののきがわたしに臨み、はなはだしい恐れがわたしをおおいました。

6わたしは言います、「どうか、はとのように翼をもちたいものだ。そうすればわたしは飛び去って安きを得るであろう。

7わたしは遠くのがれ去って、野に宿ろう。

8わたしは急ぎ避難して、はやてとあらしをのがれよう」と。

9主よ、彼らのはかりごとを打ち破ってください。彼らの舌を混乱させてください。わたしは町のうちに暴力と争いとを見るからです。

10彼らは昼も夜も町の城壁の上を歩きめぐり、町のうちには害悪と悩みとがあります。

11また滅ぼす事が町のうちにあり、しえたげと欺きとはその市場を 離れることがありません。

12わたしをののしる者は敵ではありません。もしそうであるならば忍ぶことができます。わたしにむかって高ぶる者はあだではありません。もしそうであるならば身を隠して 彼を避けることができます。

13しかしそれはあなたです、わたしと同じ者、わたしの同僚、わたしの親しい友です。

14われらはたがいに楽しく語らい、つれだって神の宮に上りました。

15どうぞ、死を彼らに臨ませ、生きたままで陰府に下らせ、恐れをもって彼らを墓に去らせてください。

16しかしわたしが神に呼ばわれば、主はわたしを救われます。

17夕べに、あしたに、真昼にわたしが嘆きうめけば、主はわたしの声を聞かれます。

18たといわたしを攻める者が多くとも、主はわたしがたたかう戦いから わたしを安らかに救い出されます。

19昔からみくらに座しておられる神は 聞いて彼らを悩まされるでしょう。彼らはおきてを守らず、神を恐れないからです。

20わたしの友はその親しき者に手を伸ばして、その契約を破った。

21その口は牛酪よりもなめらかだが、その心には戦いがある。その言葉は油よりもやわらかだが、それは抜いたつるぎである。

22あなたの荷を主にゆだねよ。主はあなたをささえられる。主は正しい人の動かされるのを決してゆるされない。

23しかし主よ、あなたは彼らを 滅びの穴に投げ入れられます。血を流す者と欺く者とは おのが日の半ばも生きながらえることはできません。しかしわたしはあなたに寄り頼みます。

鍵となる聖句

6-7節
わたしは言います、「どうか、はとのように翼をもちたいものだ。そうすればわたしは飛び去って安きを得るであろう。 わたしは遠くのがれ去って、野に宿ろう。

逃げ出したいという願いは人として自然なもので、詩篇はそれを恥じることなく語ります。消えてしまいたいほどの思いさえ、神に打ち明けてよいのだと教えてくれます。

12-14節
わたしをののしる者は敵ではありません。もしそうであるならば忍ぶことができます。わたしにむかって高ぶる者はあだではありません。もしそうであるならば身を隠して 彼を避けることができます。 しかしそれはあなたです、わたしと同じ者、わたしの同僚、わたしの親しい友です。 われらはたがいに楽しく語らい、つれだって神の宮に上りました。

もっとも深い傷は友から受けるものです。ダビデは、敵の攻撃なら耐えられても、身近な人の裏切りは耐えがたいと言います。神はこの痛みにも耳を傾けてくださいます。

22節
あなたの荷を主にゆだねよ。主はあなたをささえられる。主は正しい人の動かされるのを決してゆるされない。

この詩篇の牧会的な中心です。重荷を一人で背負わず、主にゆだねます。ゆだねるとは、重荷を否定することではなく、のしかかるものを神に任せることです。

23節
しかし主よ、あなたは彼らを 滅びの穴に投げ入れられます。血を流す者と欺く者とは おのが日の半ばも生きながらえることはできません。しかしわたしはあなたに寄り頼みます。

詩篇は、まだ答えの出ていない問いの中で、個人としての信頼の決心をもって閉じられます。

説教が語っていること

詩篇55篇についてよくある質問

詩篇55篇はどんな意味ですか

詩篇55篇は、恐れと暴力、そして親しい友の裏切りに打ちひしがれたダビデの祈りです。逃げ出したい思いを語り、神に叫び、正義を求めます。詩篇は、自分の歴史を超える招きに至ります。主に身をゆだねなさい。主は正しい人を支え、信頼する者を助けてくださいます。

詩篇55篇は誰が書きましたか

表題はダビデの作とし、弦楽器に合わせた歌と記しています。具体的な出来事は示されていません。アブシャロムの反乱で側近に裏切られた場面を思う人は多いのですが、本文には書かれておらず、確かなことではなく一つの読み方です。

裏切られたときや疲れ果てたとき、詩篇55篇をどう祈ればよいですか

ダビデのように、和らげずに声に出して読みます。悲しみも恐れも、去りたい思いも言葉にします。そのあと22節に立ち止まり、重くのしかかっている具体的なことを、一つずつ神の前に置きます。結びの言葉として「あなたに寄り頼みます」と言うこともできます。

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