聖書 — 口語訳 (1955)

エゼキエル書 18

概要

エゼキエル書18章は、捕囚の民が繰り返していたことわざへの答えです。父が酸いぶどうを食べたので、子どもの歯がうく、というものです。彼らは、先祖の罪のために罰せられていると考えていました。神はこの言い訳を退けられます。ひとりひとりが、自分の歩みについて神の前に責任を負うのです。暴力をふるう者の子も生きることができ、神に立ち返る悪人は生き、正しい人でも善を捨てればその結果を負います。章は切実な呼びかけで終わります。立ち返り、新しい心を得なさい。神は、死ぬ者の死を喜ばれないからです。

この章の5つの区分

  1. 1-4節酸いぶどうのことわざと、神の答え
  2. 5-9節正しい人の姿
  3. 10-20節子は父の罪を負わず、父も子の罪を負わない
  4. 21-29節立ち返る悪人は生き、迷い出る正しい人は自分の行いに責任を負う
  5. 30-32節立ち返り、新しい心を得て、生きなさい

1主の言葉がわたしに臨んだ、

2「あなたがたがイスラエルの地について、このことわざを用い、『父たちが、酢いぶどうを食べたので子供たちの歯がうく』というのはどんなわけか。

3主なる神は言われる、わたしは生きている、あなたがたは再びイスラエルでこのことわざを用いることはない。

4見よ、すべての魂はわたしのものである。父の魂も子の魂もわたしのものである。罪を犯した魂は必ず死ぬ。

5人がもし正しくあって、公道と正義とを行い、

6山の上で食事をせず、また目をあげてイスラエルの家の偶像を仰がず、隣り人の妻を犯さず、汚れの時にある女に近づかず、

7だれをもしえたげず、質物を返し、決して奪わず、食物を飢えた者に与え、裸の者に衣服を着せ、

8利息や高利をとって貸さず、手をひいて悪を行わず、人と人との間に真実のさばきを行い、

9わたしの定めに歩み、わたしのおきてを忠実に守るならば、彼は正しい人である。彼は必ず生きることができると、主なる神は言われる。

10しかし彼が子を生み、その子が荒い者で、人の血を流し、これらの義務の一つをも行わず、

11かえって山の上で食事をし、隣り人の妻を犯し、

12乏しい者や貧しい者をしえたげ、物を奪い、質物を返さず、目をあげて偶像を仰ぎ、憎むべき事をおこない、

13利息や高利をとって貸すならば、その子は生きるであろうか。彼は生きることはできない。彼はこれらの憎むべき事をしたので、必ず死に、その血は彼自身に帰する。

14しかし彼が子を生み、その子が父の行ったすべての罪を見て、恐れ、そのようなことを行わず、

15山の上で食事せず、目をあげてイスラエルの家の偶像を仰がず、隣り人の妻を犯さず、

16だれをもしえたげず、質物をひき留めず、物を奪わず、かえって自分の食物を飢えた者に与え、裸の者に衣服を着せ、

17その手をひいて悪を行わず、利息や高利をとらず、わたしのおきてを行い、わたしの定めに歩むならば、彼はその父の悪のために死なず、必ず生きる。

18しかしその父は人をかすめ、その兄弟の物を奪い、その民の中で良くない事を行ったゆえ、見よ、彼はその悪のために死ぬ。

19しかしあなたがたは、『なぜ、子は父の悪を負わないのか』と言う。子は公道と正義とを行い、わたしのすべての定めを守っておこなったので、必ず生きるのである。

20罪を犯す魂は死ぬ。子は父の悪を負わない。父は子の悪を負わない。義人の義はその人に帰し、悪人の悪はその人に帰する。

21しかし、悪人がもしその行ったもろもろの罪を離れ、わたしのすべての定めを守り、公道と正義とを行うならば、彼は必ず生きる。死ぬことはない。

22その犯したもろもろのとがは、彼に対して覚えられない。彼はそのなした正しい事のために生きる。

23主なる神は言われる、わたしは悪人の死を好むであろうか。むしろ彼がそのおこないを離れて生きることを好んでいるではないか。

24しかし義人がもしその義を離れて悪を行い、悪人のなすもろもろの憎むべき事を行うならば、生きるであろうか。彼が行ったもろもろの正しい事は覚えられない。彼はその犯したとがと、その犯した罪とのために死ぬ。

25しかしあなたがたは、『主のおこないは正しくない』と言う。イスラエルの家よ、聞け。わたしのおこないは正しくないのか。正しくないのは、あなたがたのおこないではないか。

26義人がその義を離れて悪を行い、そのために死ぬならば、彼は自分の行った悪のために死ぬのである。

27しかし悪人がその行った悪を離れて、公道と正義とを行うならば、彼は自分の命を救うことができる。

28彼は省みて、その犯したすべてのとがを離れたのだから必ず生きる。死ぬことはない。

29しかしイスラエルの家は『主のおこないは正しくない』と言う。イスラエルの家よ、わたしのおこないは、はたして正しくないのか。正しくないのは、あなたがたのおこないではないか。

30それゆえ、イスラエルの家よ、わたしはあなたがたを、おのおのそのおこないに従ってさばくと、主なる神は言われる。悔い改めて、あなたがたのすべてのとがを離れよ。さもないと悪はあなたがたを滅ぼす。

31あなたがたがわたしに対しておこなったすべてのとがを捨て去り、新しい心と、新しい霊とを得よ。イスラエルの家よ、あなたがたはどうして死んでよかろうか。

32わたしは何人の死をも喜ばないのであると、主なる神は言われる。それゆえ、あなたがたは翻って生きよ」。

鍵となる聖句

2-3節
「あなたがたがイスラエルの地について、このことわざを用い、『父たちが、酢いぶどうを食べたので子供たちの歯がうく』というのはどんなわけか。 主なる神は言われる、わたしは生きている、あなたがたは再びイスラエルでこのことわざを用いることはない。

酸いぶどうのことわざは、ひとつの言い訳を表しています。私たちの不幸が父たちの罪から来るのなら、私たちにはどうすることもできません。神は、このことわざをイスラエルでもう用いないと宣言されます。

20節
罪を犯す魂は死ぬ。子は父の悪を負わない。父は子の悪を負わない。義人の義はその人に帰し、悪人の悪はその人に帰する。

子は父の罪を負わず、父も子の罪を負いません。ひとりひとりが神の前で自分の行いに責任を負い、他の人の罪のために罪に定められることはありません。

23節
主なる神は言われる、わたしは悪人の死を好むであろうか。むしろ彼がそのおこないを離れて生きることを好んでいるではないか。

神は、ご自身の願いを問いかけられます。悪人の死を喜ばず、その人が道を改めて生きることを望んでおられます。この真理は、あらゆる律法より先にある神の心を語っています。

31-32節
あなたがたがわたしに対しておこなったすべてのとがを捨て去り、新しい心と、新しい霊とを得よ。イスラエルの家よ、あなたがたはどうして死んでよかろうか。 わたしは何人の死をも喜ばないのであると、主なる神は言われる。それゆえ、あなたがたは翻って生きよ」。

神は、新しい心と新しい霊を得て、立ち返って生きるよう呼びかけられます。エゼキエル書36章では、神ご自身がその新しい心を与えてくださいます。呼びかけと約束は、ともにあるのです。

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説教が語っていること

エゼキエル書18章についてよくある質問

エゼキエル書18章の酸いぶどうのことわざは何を意味しますか

子どもたちは父の罪の結果を受ける、という意味です。捕囚の民は、自分たちは不当に罰せられていると言うためにこれを用いました。神は、ひとりひとりが自分の行いに責任を負うと答えられます。罪を犯した魂が死ぬのであり、子は父の罪を負いません。

エゼキエル書18章は、罪が家族に影響を与えるという事実と矛盾しますか

そうではありません。この章は、父の行いが子に影響を残すことを否定していません。神が、他の人の罪のためにだれかを罪に定められることはない、と述べているのです。家族の背景がどうであれ、だれもが別の道を選び、神の前に生きる可能性を持っています。

エゼキエル書18章の中心のメッセージは何ですか

神はひとりひとりをその行いによってさばかれ、いつでも立ち返る道を差し出しておられます。悪から離れる悪人は生き、神は死ぬ者の死を喜ばないと宣言されます。この章は、過去に隠れることなく、回心と新しい心へと私たちを招いています。

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