聖書 — 口語訳 (1955)

エゼキエル書 3

概要

エゼキエル書3章は、バビロンに連れて行かれた預言者の召命の続きを語ります。神は彼に巻物を食べさせます。語る前にまず自分が御言葉を受け取るべきことを示す象徴です。神は彼を心のかたくなな民のもとへ遣わし、岩よりも堅い額を与えると約束されます。そして彼を見張り人として立て、悪人にも義人にも警告するよう命じます。彼が負うのは語る忠実さであり、聞く人々の反応ではありません。

この章の5つの区分

  1. 1-3節巻物を食べる:蜜のように甘い御言葉
  2. 4-11節心のかたい民へ遣わされ、ダイヤモンドのような額を与えられる
  3. 12-15節御霊に連れて行かれ、捕囚の民の中で七日間茫然と座る
  4. 16-21節悪人にも義人にも警告する見張り人
  5. 22-27節平野で現れる主の栄光と、伝えるべき言葉

1彼はわたしに言われた。「人の子よ、あなたに与えられたものを食べなさい。この巻物を食べ、行ってイスラエルの家に語りなさい」。

2そこでわたしが口を開くと、彼はわたしにその巻物を食べさせた。

3そして彼はわたしに言われた、「人の子よ、わたしがあなたに与えるこの巻物を食べ、これであなたの腹を満たしなさい」。わたしがそれを食べると、それはわたしの口に甘いこと蜜のようであった。

4彼はまたわたしに言われた、「人の子よ、イスラエルの家に行って、わたしの言葉を語りなさい。

5わたしはあなたを、異国語を用い、舌の重い民につかわすのでなく、イスラエルの家につかわすのである。

6すなわちあなたがその言葉を知らない、異国語の舌の重い多くの民につかわすのではない。もしわたしがあなたをそのような民につかわしたら、彼らはあなたに聞いたであろう。

7しかしイスラエルの家はあなたに聞くのを好まない。彼らはわたしに聞くのを好まないからである。イスラエルの家はすべて厚顔でまた強情である。

8見よ、わたしはあなたの顔を彼らの顔に向かって堅くし、あなたの額を彼らの額に向かって堅くした。

9わたしはあなたの額を岩よりも堅いダイヤモンドのようにした。ゆえに彼らを恐れてはならない。彼らの顔をはばかってはならない。彼らは反逆の家である」。

10また彼はわたしに言われた、「人の子よ、わたしがあなたに語るすべての言葉をあなたの心におさめ、あなたの耳に聞きなさい。

11そして捕囚の人々、あなたの民の人々の所へ行って、彼らが聞いても、彼らが拒んでも、『主なる神はこう言われる』と彼らに言いなさい」。

12時に霊がわたしをもたげた。そして主の栄光がその所からのぼった時、わたしの後に大いなる地震の響きを聞いた。

13それは互に相触れる生きものの翼の音と、そのかたわらの輪の音で、大いなる地震のように響いた。

14霊はわたしをもたげ、わたしを取り去ったので、わたしは心を熱くし、苦々しい思いで出て行った。主の手が強くわたしの上にあった。

15そしてわたしはケバル川のほとりのテルアビブにいる捕囚の人々のもとへ行き、七日の間、驚きあきれて彼らの中に座した。

16七日過ぎて後、主の言葉がわたしに臨んだ、

17「人の子よ、わたしはあなたをイスラエルの家のために見守る者とした。あなたはわたしの口から言葉を聞くたびに、わたしに代って彼らを戒めなさい。

18わたしが悪人に『あなたは必ず死ぬ』と言うとき、あなたは彼の命を救うために彼を戒めず、また悪人を戒めて、その悪い道から離れるように語らないなら、その悪人は自分の悪のために死ぬ。しかしその血をわたしはあなたの手から求める。

19しかし、もしあなたが悪人を戒めても、彼がその悪をも、またその悪い道をも離れないなら、彼はその悪のために死ぬ。しかしあなたは自分の命を救う。

20また義人がその義にそむき、不義を行うなら、わたしは彼の前に、つまずきを置き、彼は死ぬ。あなたが彼を戒めなかったゆえ、彼はその罪のために死に、その行った義は覚えられない。しかしその血をわたしはあなたの手から求める。

21けれども、もしあなたが義人を戒めて、罪を犯さないように語り、そして彼が罪を犯さないなら、彼は戒めを受けいれたゆえに、その命を保ち、あなたは自分の命を救う」。

22その所で主の手がわたしの上に臨み、彼はわたしに言われた、「立って、平野に出て行きなさい。その所でわたしはあなたに語ろう」。

23そこで、わたしは立って平野に出て行った。見よ、主の栄光が、かつてわたしがケバル川のほとりで見た栄光のように、その所に立ち現れたので、わたしはひれ伏した。

24しかし霊がわたしのうちにはいって、わたしを立ちあがらせ、わたしに語って言った、「行って、あなたの家にこもっていなさい。

25人の子よ、見よ、彼らはあなたの上になわをかけ、それであなたを縛り、あなたを民の中に行かせないようにする。

26わたしはあなたの舌を上あごにつかせ、あなたを口のきけない人にして、彼らを戒めることができないようにする。彼らは反逆の家だからである。

27しかし、わたしがあなたと語るときは、あなたの口を開く。あなたは彼らに『主なる神はこう言われる』と言わなければならない。聞く者は聞くがよい、拒む者は拒むがよい。彼らは反逆の家だからである。

鍵となる聖句

3節
そして彼はわたしに言われた、「人の子よ、わたしがあなたに与えるこの巻物を食べ、これであなたの腹を満たしなさい」。わたしがそれを食べると、それはわたしの口に甘いこと蜜のようであった。

巻物は預言者の口に蜜のように甘く感じられました。神の御言葉は、まず自分のために、喜びをもって受け取るものです。その後で他の人に伝えます。たとえその内容が厳しいものであってもです。

9節
わたしはあなたの額を岩よりも堅いダイヤモンドのようにした。ゆえに彼らを恐れてはならない。彼らの顔をはばかってはならない。彼らは反逆の家である」。

神はエゼキエルに、岩よりも堅い額を与えると約束されます。反抗的な民に立ち向かうためです。勇気は預言者の気質から生まれるのではなく、神が備えてくださるものから生まれます。

17節
「人の子よ、わたしはあなたをイスラエルの家のために見守る者とした。あなたはわたしの口から言葉を聞くたびに、わたしに代って彼らを戒めなさい。

預言者は見張り人にたとえられています。神の言葉を聞き、神に代わって警告するのです。その務めは忠実に知らせることであり、人を強制することではありません。

18-21節
わたしが悪人に『あなたは必ず死ぬ』と言うとき、あなたは彼の命を救うために彼を戒めず、また悪人を戒めて、その悪い道から離れるように語らないなら、その悪人は自分の悪のために死ぬ。しかしその血をわたしはあなたの手から求める。 しかし、もしあなたが悪人を戒めても、彼がその悪をも、またその悪い道をも離れないなら、彼はその悪のために死ぬ。しかしあなたは自分の命を救う。 また義人がその義にそむき、不義を行うなら、わたしは彼の前に、つまずきを置き、彼は死ぬ。あなたが彼を戒めなかったゆえ、彼はその罪のために死に、その行った義は覚えられない。しかしその血をわたしはあなたの手から求める。 けれども、もしあなたが義人を戒めて、罪を犯さないように語り、そして彼が罪を犯さないなら、彼は戒めを受けいれたゆえに、その命を保ち、あなたは自分の命を救う」。

これらの節は、知っている者の責任を描いています。悪人にも義人にも警告することです。語る人は、相手が立ち返るかどうかにかかわらず、自分のいのちを救います。そして、それぞれが自分の応答に責任を負います。

この章に登場する人物

説教が語っていること

エゼキエル書3章についてよくある質問

エゼキエル書3章で巻物を食べるとはどういう意味ですか

神は預言者に、語りに行く前に巻物を食べるよう求められます。この象徴は、神の御言葉を十分に自分のものとし、心に受け入れてから人に伝える必要があることを表しています。巻物はエゼキエルの口に蜜のように甘かったのですが、伝えるべき内容は厳しいものでした。自分がまず受け取っていないものを、忠実に宣べ伝えることはできません。

エゼキエル書3章17節の見張り人とはどういう意味ですか

見張り人は町を見守り、危険が近づくと警告します。神はエゼキエルにイスラエルに対するこの役割を委ねられました。神の言葉を聞き、神に代わって警告することです。責任は警告する忠実さにあり、結果にはありません。多くのクリスチャンは、ここに道を踏み外す人々へ愛をもって語りかける教会への召しも見ています。

なぜ神はエゼキエルの額をダイヤモンドのように堅くされたのですか

遣わされる民が、額が堅く心がかたくなだからです。神はエゼキエルに、人々が耳を傾けるとは約束されませんでした。拒まれても立ち続けられると約束されたのです。反逆の家を恐れてはならないと告げられ、耐え抜く力は神ご自身から来ます。

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